(1)この調合理論は, コンクリートの構成材料に帰属する要因が, コンクリート諸性質に及ぼす影響を調べようとする研究から発展した。構成材料に帰する要因は量的なものと質的なものに分けて取扱うことができる。量的要因はコンクリート調合と同じものである。(2)調合理論とは, コンクリートに与えられる条件を満足するように, 量的要因の値を決定するための理論であるということができる。(3)コンクリートの諸性質と量的要因の関係を数式で表わし, それを用いてコンクリートに与えられた条件を示しうるものをもって条件式とする。(4)また調合理論に目的関数の概念を導入することによって, ある目的のために最適な解を求めることができ, 更に解法に関する制限が緩和されて, 実際的な解法理論を完成することができる。(5)この研究では独立な量的要因に, 単位水量W, 単位セメント量C, 単位粗骨材量Gおよび混入空気量Aの4つを採用した。いずれも単位は絶対容積百分率(%vol)である。(6)この研究では, 実験結果に回帰分析の手法を適用して, 条件式を誘導した。
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