利用者の層別や集団を問わずに, 誰もが利用できる開放利用型の集会施設のプランタイプを体系的に分類した。近隣住区, 地区, 市・県域の各レベルにおける集会施設のプランタイプをまとめると, 図9のようになる。いずれも<一体型>と<非一体型>に大分類される, かつ団地集会所や市民館にみられる<中廊下型>は, 市民会館や県民会館にはない。また, 団地集会所には<分割型>と<分離型>がない。市民会館や県民会館では, 観客と出演者などが, オーディトリアムと集会部分を同時に使用できる<平行分割型>や<前後方連結型>が推奨される。また, 施設規模とプランタイプの関係については, 規模が大きくなると共に, 次のような傾向があらわれる。(1) ロビー面積が増加し, ロビーが充実していく。(2) オーディトリアム部分と集会部分, 結婚式部分, 講習部分などの共通ロビーが設けられるようになる。また, 敷地とプランタイプの関係について, 市民会館や県民会館では次のような傾向がある。(1) 建ぺい率は<一体型>が低く, <非一体型>が高い。(2) 周辺環境に恵まれている立地条件の場合には, <分割型>を主とする<一体型>を採用し, かつ敷地中央に建物を配置して, 周辺に空地を残すことが多くなる。(3) 都心部で敷地が狭ければ<多層共通ロビー型>になる。
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