a) 各材令までに得られる積算温度 基準にとった単位セメント量300kg/m^3打込時コンクリート温度10℃では, 部材厚とΣKからFig.4の下半によって等価時間定数を求め, Fig.4上半により積算温度を推定する。打込温度, 単位セメント量による補正は, 第2報Fig.10と同じ補正係数を用いて推定して良い。保温材非対称配置部材では, 等価熱損失係数総和を2K′=K_1+K_2として等価時間定数を求めれば良いが, 部材厚が80cm以上では2K′=K_n(但しK_nはK_1, K_2の大きい方)とした方が安全である。b) 部材表面が0℃に冷えるまでに得られる表面の積算温度と, その材令の部材の平均積算温度 (1) 基準にとった単位セメント量300kg/m^3, 打込時コンクリート温度10℃の場合について, 得られる積算温度が, 10°D・D以上である事を, 予めFig.12でΣK=K_1+K_2によりチェックしておく(M<10°D・Dとなる条件の場合には, 推定誤差が大きくなる事と, コンクリート打込み後約10時間以内で表面が0℃以下となる危険な養生方法なので, 避けるべきである)。(2) 熱損失係数総合ΣKのとり方 保温材対称配置部材 : ΣK=2K_1…(15) 保温材非対称配置部材 : i) ΣK=K_1+K_2がFig.11のカーブより小さい場合(安全側にK_1+K_2<10kcal/m^2・h・℃となる場合と簡略化して扱っても良い)ΣK=K_1+K_2…(16) ii) 前記以外の冷却し易い条件では, K_1, K_2の大きい方をK_nとすれば次式による。ΣK=2K′=2K_n (3) 積算温度の推定方法 単位セメント量300kg/m^3で打込温度10℃のコンクリートについて部材表面が0℃になるまでの積算温度推定用の, 等価時間定数は, 部材表面についてはFig.5の下半により同材令の平均値についてはFig.6の下半により, Fig.16の下半に合成した。また, 等価時間定数と部材表面が0℃に冷えるまでに得られる積算温度の関係を, 一定気温の場合をFig.6の上半により, 変化気温の場合をFig.8により, Fig.Fig.16の上半に合成した。ΣK=K_1+K_2の値が, Fig.11のカーブ以上となる場合には, ΣKは2K′=2K_nとする。そのΣKをFig.16の下半左側縦軸により, 右に進んで該当する部材厚さの線(部材表面の積算温度の推定では実線, 同材令の部材平均積算温度の推定では破線)との交点から上に進み, 該当する気温カーブ(気温日較差も考慮して)との交点を求める。その交点の左側の縦軸の値が, 基準条件の積算温度推定値になる。上記の推定の際に用いた等価時間定数τ′を用いて, 打込温度が10℃と異る場合にはFig.14により, 単位セメント量が300kg/m^3と異る場合にはFig.15により補正係数を求めて, 基準値との差を乗じて補正値とし, 上記の基準条件による積算温度の推定値を補正して, 与えられた条件による積算温度の推定値とする。この推定方法による推定誤差は, 頭初は±10°D・D程度を目標としていたが, Fig.16による推定で気温が0℃より高い場合には, 可成り安全側になる筈である。またFig.16による推定で, Fig.12に該当する条件(簡単にはΣK>10kcal/m^2・h・℃で, コンクリート平板の1面を露出させた場合に相当する)では, 推定値が危険側になる場合があり得る。
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