放送研究と調査
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68 巻 , 9 号
放送研究と調査
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 過半数の“まあ満足派”が支えた評価
    二瓶 亙, 亀村 朋子
    2018 年 68 巻 9 号 p. 2-21
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    近年高視聴率が続く連続テレビ小説(通称、朝ドラ)について、NHK放送文化研究所朝ドラ研究プロジェクトでは、作品ごとの視聴者調査から朝ドラの視聴実態と好調要因を探る研究を継続している。今回の『わろてんか』は6作品目。大阪で寄席を経営する主人公を中心とした群像劇で、人生には「笑い」が必要であるという作品テーマに共感した視聴者が多い。作品に対する満足度では、過半数の56%の人が[まあ満足]という評価を選択したため、この多数の[まあ満足]派が、結果的に今作の評価を支えたと考えて、その人たちの評価に注目して分析した。明るさに代表される[作品の雰囲気]や[ヒロインの周囲の人物]への評価が高く、実在の人物をモチーフとしていることから「困難な場面も乗り切れるだろう」という期待や安心感を持って最後まで見た人が多かった。また「気楽に見られる作品であったこと」も、最後まで視聴を離脱させない大きな力となった。朝ドラを比較的よく見た人では、朝ドラの戦時描写を見たくない気持ちはあるが、描写の主旨への理解度は高く、史実に沿って戦争を描くことはやむを得ないという人が9割と多かった。長期視点派50%、中間派23%、短期視点派27%。長期視点派は『わろてんか』を長期視点的作品として楽しみ、短期視点派は短期視点的作品として楽しんだ。
  • 大量著作物利用への道
    大髙 崇
    2018 年 68 巻 9 号 p. 22-36
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    TPP関連法の成立で著作権保護期間が死後もしくは公表後70年に延長される運びとなった。このことで大きな影響を受ける「権利者不明問題」の解消に向けて、放送アーカイブ活用の視点から考える2回シリーズでの論考の後編。権利者不明問題に対応する現行法下での「裁定制度」、現在導入に向けた議論が進む「拡大集中許諾制度」、それぞれの効果と課題を検証し、問題解決への道を探る。権利者団体独自の取り組み「オーファンワークス実証事業」や、関連する法改正など最新動向も交えて、大量の権利者不明著作物の権利処理という難問を抱える放送アーカイブがより広く活用されるための試案を提示し考察する。
  • 著作権侵害コンテンツ対策の課題を考える
    越智 慎司
    2018 年 68 巻 9 号 p. 38-47
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    放送コンテンツのインターネット展開が進む中、放送事業者にとって大きな課題となっているのが、海賊版サイトなど著作権を侵害する違法コンテンツへの対策だ。NHKも、次々と現れる著作権侵害コンテンツへの対応に追われる状況が続いている。2018年2月には、若者などの利用が急増した漫画の海賊版サイトについて、作家たちが利用しないよう呼びかける緊急声明を出した。こうした問題を受け、2018年4月、政府は海賊版サイトに対する緊急対策をまとめたが、この中の、アニメや漫画などの特に悪質な海賊版サイトに行うとした、「ブロッキング」をめぐり議論が起こっている。ブロッキングとは、ユーザーが特定のサイトにアクセスしようとした際、プロバイダー等がその閲覧を遮断することを指すが、ユーザーのアクセスを監視することが、憲法で定められている通信の秘密の侵害にあたると指摘されている。国内ではすでに児童ポルノについて民間によるブロッキングが行われているが、当時の議論を見ると、人権などの侵害と通信の秘密の侵害のバランスについて慎重に議論していたことがうかがえる。また、実際のブロッキングの現場を取材すると、作業にかかるコストの負担などの課題が浮かび上がってきた。ブロッキングは放送事業者が直面する著作権侵害コンテンツに対して有効な撲滅の策となりうるのか。ブロッキングの先例から、今後議論が必要な点や実施する場合の課題などを整理した。
  • 郵送調査との回答分布の比較
    萩原 潤治, 村田 ひろ子, 吉藤 昌代, 広川 裕
    2018 年 68 巻 9 号 p. 48-79
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    世論調査の有効率の低下が問題になるなか、NHK放送文化研究所では、住民基本台帳から無作為抽出で選んだ調査相手に対する「WEB世論調査」の可能性を探るための実験調査を行った。この実験調査の設計や有効率については、本誌の2018年6月号で述べたが、本稿ではWEB回答の質を検証するため、郵送調査(以下「比較用郵送」)との回答分布を比較し、以下の知見を得た。WEB回答と比較用郵送の回答差について、全447の選択肢の比率の差をみると、約9割が4ポイント以内に収まっており、全体的にみれば、方式による回答差はほぼないと言える マトリクス形式の質問では、WEB回答は比較用郵送に比べて、両端選択肢が選ばれにくく、中間選択肢が選ばれやすい傾向がみられた 自由回答、複数回答、点数で回答する質問、センシティブな質問のいずれも、WEB回答と比較用郵送で大きな差はみられなかった 以上の結果から、WEB回答は既存の郵送法と同様の妥当性があると考えられる。ただ、一部の質問では方式による回答差が大きいものもあるため、継続した検証が必要であろう。また、WEB回答を導入する最大のねらいだった若年層の有効率の向上については、現時点で効果がみられなかった。今後も、WEB回答の効果が期待できそうな特定の層を対象にした調査などで、適宜、検証を行い、導入の可能性を探っていきたい。
  • 新メディア政策協定と公共放送の課題
    中村 美子
    2018 年 68 巻 9 号 p. 80-87
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    デンマークの公共放送DRは、テレビやラジオ、新聞など包括的なメディア政策協定によって、財源や任務が決められる。今年6月に「メディア政策協定2019年-2023年」が締結され、2019年からメディア受信料を段階的に廃止し税金化すること、DRの事業予算を5年間で20%削減すること、DRは情報、教育、子ども、文化等に集中することなどが決まった。メディア受信料の廃止理由は、学生など若者から不満が増して不払いが増大したことやメディア受信料は所得の大きさにかかわらず料金が一律なため、社会的に不公平だという認識が拡大したことがあげられる。ヨーロッパの公共放送の間では近年、受信料の公平負担を目的に制度改革が行われているが、デンマークにおける受信料の廃止/税金化は、メディア政策ではなく税制改革の議論で決められ、政治的交渉で決められた妥協の産物だと評される。今回のデンマークの事例は、各国に影響を与える可能性がある。
  • 2018年6月全国個人視聴率調査から
    吉藤 昌代, 斉藤 孝信, 林田 将来, 山本 佳則
    2018 年 68 巻 9 号 p. 88-95
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    The NHK Broadcasting Culture Research Institute conducted a nationwide survey on audience ratings from June 4 (Monday) to 10(Sunday), 2018, using a drop-and-collect survey method. 3,600 individuals aged seven and older all over Japan were surveyed.
  • 1960年代の放送制度論議の記録(1)
    村上 聖一
    2018 年 68 巻 9 号 p. 96-99
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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