放送研究と調査
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
70 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 常時同時配信議論を振り返る‹2019年8月―2020年4月›
    村上 圭子
    2020 年 70 巻 6 号 p. 2-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は、通信・放送融合時代の放送業界と放送政策の動向を中心に、メディア環境の変化を俯瞰して今後の論点を提示するシリーズの第5回である。本稿は2019年8月から2020年4月までを対象とする。 本稿ではまず、新型コロナウイルスに関する放送事業者の取り組みや課題に触れたい。日々刻々と変化する状況を冷静かつ客観的にどう伝えていくか。一斉休校によって教育を受ける機会が奪われている小中学校の生徒たち向けにどのような役割が担えるか。置かれた状況が大きく異なる人々に対して、どのようなメッセージを発信していけるか。現在も状況が変化し続けているため、分析や認識は不十分であるが、状況が深刻化した4月に入ってからの動向を記録しておきたい。 本稿のメインはNHKを巡る動向である。4月17日、「放送を巡る諸課題に関する検討会」の下に「公共放送の在り方に関する検討分科会」が立ち上がった。今後は、「業務」「受信料」「ガバナンス」の「三位一体改革」と共に、受信料制度の議論が本格的に行われることになるという。本稿では、4月1日にNHKの放送同時配信及び見逃し配信サービス「NHKプラス」が本格開始したのを機に、常時同時同時配信を巡る議論を、議論が開始された2015年にさかのぼって検証した。またこの半年のNHKを巡る動向を、"三位"の3点に分けて振り返った。以上の作業を通じて、今後NHKに関して重要だと思われる論点を筆者なりに提示した。
  • 2019年度「NHK中学校教師のメディア利用と意識に関する調査」から
    宇治橋 祐之, 渡辺 誓司
    2020 年 70 巻 6 号 p. 38-70
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    NHK放送文化研究所では、全国の学校現場におけるメディア環境の現状を把握するとともに、放送・ウェブ・イベントなどNHKの教育サービス利用の全体像を調べるために、「教師のメディア利用に関する調査」を2013年度から実施している。この調査は、学校を単位として定期的に行ってきた「学校放送利用状況調査」(1950~2012年)にかわり、教師個人を対象としている。 2019年度は、2015年度の中学校教師の調査(理科、社会)に続く2回目の調査として、対象教科を4教科(理科、社会、国語、外国語)に増やすとともに、道徳など学級担任として授業を行う教科(担任教科)のメディア利用や、生徒の学習へのスマートフォン利用に対する意識などの新規の質問項目を追加した。 調査結果から、テレビやパソコンなどのメディア機器を教師が利用できる一定の環境が整い、特にタブレット端末を利用できる環境にある教師が4教科とも6割を超え、生徒は1人1台での利用が多いことが明らかになった。また国語、外国語ではラジオ・CDラジカセの利用が多いなど、教科による利用機器の違いがみえてきた。一方で教室のインターネット環境は無線接続が6割を超えたものの、まだ動画を問題なく再生できるまでには至っていない。 こうした機器で提示するメディア教材の利用は4教科とも8割を超え、「NHK for School教師利用率」は理科で63%、社会で56%だった。国語では「指導者用のデジタル教科書」、国語と外国語で音声教材の利用が多く、教科による利用の違いもみてとれた。また、担任教科の道徳では、授業を行っている教師のほぼ6割にメディア教材の利用がみられた。 生徒の学習へのスマートフォン利用については、学校と家庭のいずれの学習においても否定的な意見が多く、学習利用に向けた課題が明らかになった。 今後、生徒1人1台の端末の利用が定着していくことが予想され、教師が利用するメディア教材だけでなく、個々の生徒の学力に適応し、生徒が協働的に学ぶことができる教材の開発と提供が求められる。
  • 青木 紀美子
    2020 年 70 巻 6 号 p. 72-83
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    情報が氾濫する時代にあって、錯綜する複雑な情報を検証して整理し、意味づけ、説明する役割を果たせるか、メディアは力量を試されている。発信するニュースが人々に届き、理解され、響いているのかを知る努力と、足りないところがあれば見直す柔軟性が求められている。発信するばかりの一方向ではない、双方向に学びがある対話、ともに情報をかたちづくる関係、エンゲージメントが必要になっている。 ではエンゲージメントとは何か、何が従来の取材と違うのか、何を達成するものなのか、本シリーズではEngaged Journalismの報告(本誌2020年3月号)で取材したジャーナリストたちのインタビューから、それぞれに多様な考え方を、背景にある動機、試行錯誤の軌跡、手応えの実感などをふまえて紹介する。 第1回は伝統メディアであるシアトルの2つの公共ラジオのジャーナリストたちを取り上げる。このうちknkxは、米西海岸の都市部で急増するホームレスの人たちに焦点をあてたポッドキャストのシリーズで初めてのエンゲージメントに取り組んでいる。もう一方のKUOWではエンゲージメント担当のチームが5年前から活動してきた。地域で〝異端″扱いされる人たちと市民の対話を促すことや、記者が自分の仕事について市民に話をする対話の機会を定期的に持つなどしている。実績も手法も違うが、2つのラジオ局は、いずれもエンゲージメントを通して、ニュースルームを外に向けて開き、記者が取材相手との間に壁を作らずに向き合うこと、そして社会の分断を越えて理解を深めることを模索している。
  • 高橋 浩一郎
    2020 年 70 巻 6 号 p. 84-87
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
feedback
Top