放送研究と調査
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73 巻, 7 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 「全国メディア意識世論調査・2022」の結果から
    渡辺 洋子, 行木 麻衣
    2023 年 73 巻 7 号 p. 2-42
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は「全国メディア意識世論調査・2022」の結果報告である。テレビ番組(リアルタイム)を「毎日のように」利用する人は7割を超えるが、2020年以降減少が続き、特に16~29歳では63%(2020年)から40%(2022年)と大きく減少した。16~29歳では、テレビよりYouTubeやSNSに毎日接する人の方が多くなった。また、若年層以外にもYouTubeやSNSの日常的な利用が広がった。 メディアの効用では、「世の中の出来事や動きを知る」うえで役に立つメディアとして、全体ではテレビが59%とほかのメディアと比べて圧倒的に高く評価されていた。また、全体では「世の中の出来事や動きを知ること」という効用自体を「とても重要」だと思う人は62%で、ほかの効用と比べてもっとも高いが、16~29歳では42%と半数に満たず、「感動したり、楽しんだりすること」(59%)、「生活や趣味に関する情報を得ること」(51%)の方が上位だった。さらに彼らは、感動したり楽しんだりするのはYouTube、生活や趣味の情報を得たりするのはYouTubeやSNSを評価していた。 メディア利用と意識の関係では、テレビや動画の視聴は若いほど同じようなものに偏る傾向があり、好きなもの・ことに対する積極的な意識が関係していた。また、自分と似たような思考を求める意識も関係していた。利用頻度が高いほどそのメディアが自分に影響を与えていると思う人が多く、「多くの人が賛同している情報は、信頼できる」「同僚や、友人・知人が知っているのに、自分が知らないことがあると、恥ずかしい」という意識の人はそうでない人よりメディアが自分に影響を与えていると思う人が多かった。
  • 「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査(第3回)」の結果から②
    中川 和明
    2023 年 73 巻 7 号 p. 44-63
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    NHK放送文化研究所は、2020年から新型コロナウイルスに関する世論調査を毎年行っており、3回目となる2022年の調査については、感染拡大の不安やストレスなどに関する結果を『放送研究と調査』(2023年5月号)に掲載した。本稿は、それに続くもので、コロナ対策やデジタル化、コロナ禍がもたらしたものなどについて報告する。主な内容は以下のとおりである。なお、ここで紹介する調査結果は、2022年の調査時点のものである。 政府のコロナ対策について『評価する』が55%で『評価しない』の44%より多いものの、『評価しない』と答えた人が前回よりも増えている。感染対策のために個人の自由が制限されることについて『許されない』と答えた人が20%で前回より増加した。いま力を入れるべきこととして、『経済活動の回復』と答えた人が60%で、『感染対策』と答えた人の39%を大きく上回った。 コロナ禍を経て様々な手続きや活動がオンラインでできるようになったが、オンラインで仕事をしたことがあると答えた人は22%にとどまり、7割の人はしたことがないと答えた。さらに、オンラインで仕事をしたことがあるのは、事務職や管理職などのいわゆるホワイトカラーで多く、年収の高い、大都市に住む人たちでよく利用されていた。一方、オンライン化の進展に関して、個人情報を把握される懸念を感じている人が7割から8割ほど、また個人情報の流出も該当者の8割ほどを占めた。 3年にわたったコロナ禍について、マイナスの影響が大きいと答えた人が74%で多くを占めたが、若い人たちを中心に、「家族と過ごせる時間が増えた」「在宅勤務など柔軟な働き方ができる」「今までと違う楽しみを見つけた」など、前向きに捉える人たちも一定数にのぼった。
  • ~カナダCBC,チェコČT~
    青木 紀美子, 小笠原 晶子
    2023 年 73 巻 7 号 p. 64-79
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    デジタル時代に対応するために公共メディアへの転換をはかる世界の公共放送は、どのような課題と向き合い、どのような役割を果たそうとしているのか。2022年11月に東京で開催されたPBI(Public Broadcasters International、国際公共放送会議)に参加した公共メディアの代表ら6人へのインタビューをもとにした連載4回目の本稿では、カナダCBCのキャサリン・テイト会長と、チェコCTのペトル・ドヴォルザーク会長の話を伝える。 CBCのテイト氏は、公共メディアが直面する最大の課題は信頼の低下であり、要因としてソーシャルメディアによる偽情報の拡散を指摘した。その対策として、CBCは国際的な連携に参加するとともに、テレビやオンラインの番組で情報の真偽を検証・解説し、メディア・リテラシーの普及に力を入れていると、テイト氏は述べている。また、メディア自身が透明性を高め、報道・放送のプロセスを説明することも信頼を得るためには欠かせないと、テイト氏は強調した。さらに、公的な資金の恩恵を受けている公共メディアの役割として、△視聴率などにとらわれず、より深い報道を行うこと、△社会の変革を主導するためにリスクをとる覚悟を持つこと、△自国の歴史に関わる真実に光をあてて共有し会話を促すこと、などを挙げている。 CTのドヴォルザーク氏は、世界の公共メディアにとっての重要課題は、独立性、持続的で安定した財源の確保、急速に変化するメディア環境への対応だと述べている。同氏は、政治的・商業的な利益に影響されず、信頼できる情報を提供する公共メディアは人びとの拠り所となる錨のような存在であり、民主主義を支える柱の1つであるとの見方を示した。CTの予算の約90%を占める受信料は14年据え置かれており、急激な物価上昇もあってČTはサービスの一部縮小を余儀なくされている。それでも受信料制度には視聴者と直接つながるという大事な意味があり、その支払い率は公共メディアが提供するサービスの価値に対する人々の理解と評価を表していると、ドヴォルザーク氏は語っている。
  • 「地域発ドラマ」の変遷
    本道 礼奈
    2023 年 73 巻 7 号 p. 80-83
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
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