放送研究と調査
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
73 巻, 9 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 中丸 憲一
    2023 年 73 巻 9 号 p. 2-24
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/09/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    1923年に発生した関東大震災では、首都・東京などで約10万5,000人の犠牲者が出た。犠牲者の9割が火災によるものとされるが、火災拡大の原因の1つは、震災発生当日に能登半島付近にあった台風による強風である。また、神奈川県で相次いだ土砂災害は、この台風により震災発生前日に降った雨が原因とされている。 本稿では、関東大震災が、地震と台風の同時襲来による複合災害だったことを、当時の気象台の資料から検証した。また情報の途絶による混乱を防ぐ観点から、メディアが果たすべき役割についても検討した。地震と台風が「同時」もしくは「時間差」で襲来することによる複合災害は2000年以降も複数あったことが指摘されている。東日本大震災以降、重要視されている「想定外をなくす」という見地から、メディアがこうした複合災害にどう向き合うべきかについて、災害の専門家による独自シミュレーションも交えながら検討した。複合災害が起こる可能性については、台風の被害が多い9月にも歴史的に大きな地震が起きていることなども適示し、台風が「同時」もしくは「時間差」で襲来した場合に被害がどう拡大するのかを吟味し、新たな対応策を検討しておく重要性など、どう備えるべきかについて論を進めた。大震災100年を機に、地球温暖化の影響や社会構造の変化なども踏まえながら、複合災害による被害をメディアとしてどう防いでいくのか、その役割と課題についても検討した。
  • 渡辺 健策
    2023 年 73 巻 9 号 p. 26-33
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/09/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    放送法4条が定めた放送の“政治的公平”をめぐる議論が国会などであらためて交わされる中、BPO放送倫理検証委員会で長く委員長をつとめた川端和治弁護士が今年5月、マスコミ倫理懇談会全国協議会「メディアと法」研究会で行った講演の概要をお伝えします。戦前のマスメディアが軍部に協力し正確な情報を伝えていなかったという反省から、放送局の不偏不党・自主自律を原則に、放送局の編集の自由を最大限尊重して制定された放送法。その後、“政治的公平”をはじめとする「番組編集準則」をめぐって、政府の見解はどのように変遷してきたのか。また、いま受け手に広がる「メディア不信」という新たな課題に、マスメディアはどう向き合い、真実を伝える言論機関として信頼を取り戻すにはどうしたらいいのか。BPOの元委員長が現役のジャーナリストたちに向けて発したメッセージとは…。
  • 柳 憲一郎, 宮崎 勝, 田高 礼子, 古宮 弘智
    2023 年 73 巻 9 号 p. 34-47
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/09/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は、2023年3月に行われたNHK放送文化研究所の「NHK文研フォーラム2023」の研究発表「文理融合で拓く研究の可能性」の採録である。NHK放送文化研究所(文研)とNHK放送技術研究所(技研)は、2年前から共同で行う「文理融合研究」に力を入れてきた。「文研フォーラム」では、新しい技術を社会実装する際に生じる、倫理や法律、社会に関するさまざまな課題について、文研と技研の4名の研究者が報告を行った。文理融合の位置づけについて整理したのち、技研の社会実装の際に生じる、技術以外のさまざまな課題や、公共メディアとの関係について議論を行い、最後に「文理融合が拓く研究の可能性」について展望した。
  • ラジオ・テレビ変革期における制作現場の実相
    亀村 朋子
    2023 年 73 巻 9 号 p. 48-51
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/09/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
feedback
Top