茶業研究報告
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1982 巻, 56 号
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  • 青木 智, 内田 浩輔
    1982 年1982 巻56 号 p. 1-6
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    二番茶芽の生育に対する越冬葉量の影響を調べる目的で,一年生苗と成木の一番茶期葉を1~3枚残し,越冬葉を全量摘除する区,半量摘除する区および無処理区の3種類に分けて,その後の乾物重とTAC量の変化を追跡した。
    やぶきた1年生苗の場合には一心三葉期(4月18日)に摘心した後に,越冬葉の摘除処理を行った。成木の場合には5月11日に一番茶期葉が1枚程度残るように機械摘みし,翌日に越冬葉の摘除処理を行った。
    1年生苗の場合,越冬葉を除いた全乾物重は無処理区で最も大きく増加し,全量摘除区で最も劣った。この差異は新芽(一番茶期葉と二番茶新芽)と枝で明確にみられた。
    成木の場合の新芽乾物重(20cm×20cm枠摘み)と百芽重は,無処理区>半量摘除区>全量摘除区の順に大きかった。芽数には処理間差はみられなかった。
    1年生苗のTAC(mg)変化をみると,新芽と枝では経時的に増加し,その程度は無処理区で最も大きく,全量摘除区で最も劣った。母茎と根のTACは各処理区とも減少したが,全量摘除区が最も大きく低下していた。しかし,無処理区と半量摘除区では明確な差はみられなかった。
    以上の結果から,1年生苗,成木ともに越冬葉の多少により二番茶新芽の生育が左右されることが分かった。この原因について二,三の考察を行った。また,地下部TACの消費量は葉量の多少とは明確な関係を示さず,新芽生育に有効に利用されない場合のあることが示唆された。
    本論文の作製に当たり,貴重な助言を頂いた本試験場茶樹第1研究室室長 鳥屋尾忠之博士に感謝いたします。
  • 山下 正隆, 田中 勝夫, 関谷 直正
    1982 年1982 巻56 号 p. 7-15
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    一番茶摘採後に残存する新葉の多少が夏期の乾物生産,新芽生産および樹体内炭水化物の消長に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹形を整えた3年生樹を用いて一番茶摘採期から三番茶摘採後にわたって調査した。
    (1) 二番茶萌芽期ごろまでの乾物重の増加については,地上部の処理間差は明らかでなかったが,地下部は残存新葉の多い区ほど少なかった。
    (2) 二番茶萌芽期以後における乾物重の増加は,残存新葉の多い区ほど多く,地上部より地下部において差異が大きかった。
    (3) 樹体の炭水化物含有率は,二番茶萌芽期までは残存新葉の多い区ほど低かったが,二番茶摘採期以降は残存新葉の少ない区ほど低くなった。
    (4) 樹体の炭水化物含有量は,二番茶萌芽期には残存新葉のほとんどない新葉摘除区が最も多くなったが,二番茶摘採期以降は残存新葉の少ない区ほど少なくなり,その差は大きく開いた。
    (5) 二番茶の萌芽期から摘採期にかけて,いずれの処理区も,含有率および含有量は急激に減少したが,新葉摘除区の減少は最も著しかった。
    (6) 二番茶の生産に関して,深摘み区および浅摘み区は,新葉摘除区に比べ葉の貯蔵炭水化物への依存度が大きかったのに対し,新葉摘除区では両区に比べ幹および地下部の貯蔵炭水化物への依存度が大きかった。
    (7) 二番茶収量は,新葉摘除区が最も少なかったが,ふところ芽などを含めた全新芽重は逆に最も重かった。
    三番茶収量は,残存新葉の最も多い浅摘み区が最も少なかった。
  • 山下 正隆, 田中 勝夫, 関谷 直正
    1982 年1982 巻56 号 p. 16-23
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    一番茶摘採後に残存する新葉の多少が夏期の窒素吸収,樹体内窒素含量の変化および新芽成分に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹型を整えた3年生茶樹を用いて,一番茶摘採期から三番茶摘採後にわたって調査した。
    (1) 樹体内窒素含有率は,地下部ではほとんど処理間差はみられなかったが,地上部では残存新葉の多い区ほど高く推移した。
    (2) 二番茶の萌芽期から摘採期にかけての葉における窒素の含有率および含有量は,残存新葉のほとんどない新葉摘除区は急激に低下したが,新葉を残した深摘み区および浅摘み区ではほぼ横ばいで推移した。
    (3) 新葉摘除区の葉を除く全ての器官の窒素含有率は,一番茶摘採期から二番茶萌芽期にかけて最も高かったが,二番茶摘採期には逆に最も低くなった。含有量については,一番茶摘採期から二番茶萌芽期にかけて枝,幹,太中根で最も多かったが,二番茶摘採期には最も少なくなった。
    (4) 全期間の窒素吸収量については,処理間差は明らかでないが,新葉摘除区がわずかに劣る傾向がみられた。
    各期間内の吸収量については,処理間に明らかな差異はみられなかった。
    (5) 新芽成分に及ぼす影響については,二番茶の全アミノ酸含量は残存新葉の多い区ほど多かったが,全窒素含有率は逆に残存新葉の少ない区ほど高い傾向がみられた。三番茶では新葉残存量との間に一定の傾向はみられなかった。
  • 長谷川 宏司, 池田 栄美子, 是枝 正弘, 関谷 直正
    1982 年1982 巻56 号 p. 24-32
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    新芽及び新梢を年間を通してほぼ毎月1回採取し,60%メタノールで抽出し,エチルエーテルで分画し,中性及び酸性分画を得た。これらをそれぞれ,シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで分離精製した後,レタス胚軸伸長テストで各溶出区の活性を測定した結果,中性及び酸性分画で少くとも2種類ずつ生長抑制区が得られ,そのうち,中性,酸性の両分画ともメタノール10~50%溶出区は新芽または新梢1本当りでも1g生重量当りでも茶樹の生長,生長停止,休眠,休眠打破と密接な平行的変動を示した。残りの溶出区は本数当りのみ強い相関性を示した。また,休眠期においては,まず若い新梢で生長抑制物質の増量がみられ,次いでその下の古い新梢で増量するといった傾向がみられ,生長抑制物質が新芽及び若い新梢で合成され,それが下方へ移動するといった可能性が考えられる。また,新芽が生長する場合,その母枝に含まれる生長抑制物質の減少がみられたが,最下部(一番茶新梢)では殆んど減少しなかった。
  • 此本 晴夫, 木村 政美
    1982 年1982 巻56 号 p. 33-44
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1 1976年3月に樹姿を異にする3品種(中間型のやまかい,直立型のやぶきた,開張型のかなやみどり)を供試し,2年生苗を単条(1,8m×0.3m)に定植し,早期成園化を図る仕立て法について検討した。
    2 取り上げた要因と水準は,(1)品種(上記の3品種),(2)定植時のせん枝位置(地上15cm,20cm,25cm),(3)2年目のせん枝位置(定植時のせん枝位置より5cm,10cm,15cm)で,直交表127に割りつけて試験を行った。
    3 生育調査の結果,直立型のやぶきたは樹高の伸びがよく,株張りの拡がりは定植後3年目まではかなやみどりより遅いが,その後は,いずれの品種とも同程度であった。開張型のかなやみどりは,樹高の伸びは遅いが株張りの拡がりは早い。特に,定植後3年目までの拡がりが大きい。やまかいはやぶきたとかなやみどりの間にあるが,やぶきたに近い生育をする。
    4 10a当たり収量は,いずれの品種も株張りとの相関が高い。早期成園化を図るには,樹高と株張りのバランスを保ちつつ,早期に株張りを拡げる必要がある。
    5 せん枝位置を高くすると樹高も株張りも大きくなる。品種によもて,それらの比率は異なる。
    6 樹形の目安としての株張り/樹高の値を求めてみた。直立型のやぶきたは,仕立ての段階では小さくなり易く,開張型のかなやみどりは大きくなり易い。せん枝位置を高くすると,樹高や株張りは大きくなるが,株張り/樹高の値は小さくなる。
    7 やぶきたのような直立型の品種は,株張り/樹高の値は小さいので,その値をできるだけ大きく保ちつつ株張りの拡大を図るのがよい。定植時のせん枝位置を高さ15~20cmとし,2年目のせん枝位置は,定植時のせん枝位置から10cm程度上げたところが適当である。
    かなやみどりのような開張型の品種は,株張り/樹高の値が大きいので,樹高は高めにして,株張りの増大を図るのがよい。定植時のせん枝位置を高さ20~25cmとし,2年目のせん枝位置は,定植時のせん枝位置から10~15cm上げたところが適当である。
    中間型のやまかいは,定植時のせん枝の位置を高さ20cm程度とし,2年目のせん枝位置は,定植時のせん枝の位置から10cm程度上げたところが適当と思われる。
    最後に,この試験を実施するに当たり,いろいろと御教示いただいた農業技術研究所物理統計部堀江正樹調査科長,試験設計研究室大塚薙雄室長,とりまとめに当たって,懇切なるご指導を賜った農林水産省茶業試験場中山仰栽培部長,茶樹第三研究室青野英也室長,また,試験に協力いただいた当場高林多門主幹高橋宇正技師,倉貫幸一技師,中部農業改良普及所谷博司技師に厚くお礼申し上げる次第である。
  • 堀川 知廣
    1982 年1982 巻56 号 p. 45-56
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    P.longiseta SPEG,によるチャ輪斑病の防除薬剤散布時期を水平拡散法,平板希釈法および,ほ場における防除効果で調査した。ほ場試験では大部分人工接種した茶園を用いて行なった。
    水平拡散法,平板希釈法ではポリオキシン,オキシカルボキシン,EDDP,フェナジンオキシドは効果不十分であった。チオファネートメチル,クロロタロニル,ジチアノン,カプタホル,ベノミル,キノメチオネート,ミルネブ,イソプロチオラン,イプロジオン,ジクロフルアニド各剤は効果が認められたため,ほ場試験で実際の効果を再調査した。銅水和剤は効果を認められなかったが、ほ場で再調査を実施した。
    ほ場において摘採直後に散布した場合,効果の高かった薬剤はチオファネートメチル水和剤1500~10000倍,クロロタロニル水和剤600~800倍,カプタホル水和剤2000~5000倍,ベノミル水和剤2000~3000倍,チオファネートメチル・有機銅水和剤600~800倍,ベノミル・クロロタロニル水和剤500~700倍,ジクAフルアンド水和剤600~800倍,フルオルイミド水和剤800~1000倍,カスガマイシン,塩基性塩化銅水和剤500~800剤,キャプタン水和剤600倍,グァザチン液剤1000~2000倍,カスガマイシン液剤1000倍であった。アニラジン水和剤800倍,トリァジメホン水和剤1000倍,石灰硫黄合剤50倍,バリダマイシン液剤1000倍,イプロジオン水和剤1000倍,ジチァノン水和剤1000倍,ポリカーバメート水和剤1000倍,キノメチオネート水和剤4000倍,ミルネブ水和剤1000倍,イソプロチオラン乳剤1000倍,石灰乳(水1lに対し生石灰6gの割合で溶かしたもの),塩基性塩化銅水和剤500倍,塩基性硫酸銅水和剤200倍,6-6式ボルドー液は効果が不十分又は効果が認められなかった。
    チオファネートメチル水和剤は2000倍液を用いた場合摘採後3日以内,5000倍液では摘採後1日以内の散布で実用的効果が認められた。防除効果は摘採後早く散布すればする程高かった。ベノミル水和剤2000~3000倍もチオファネートメチル剤と同等の効果があると考えられた。
    クロロタロニル水和剤600~800倍,カプタホル水和剤2000倍は摘採後1日以上経ると効果が著しく低下するため,摘採直後の散布が必要であった。カプタホル剤はクロロタロニル剤よりやや効果が高かった。
  • 津志田 藤二郎, 竹尾 忠一
    1982 年1982 巻56 号 p. 57-64
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶浸出液を各温度に保温し,そのアスコルビン酸量を経時的に定量し,分解量を測定したところ,100℃では60分でほとんど分解されたが,21℃(室温)では2時間でもわずかに1%程度が減少しただけであることが明らかになった。また浸出液を50℃に静置すると,8点の平均で約10.3%のアスコルビン酸が減少し,70℃では47.9%が減少した。蒸留水に溶解したアスコルビン酸は50℃60分で10.3%,70℃60分で47.9%減少した。このことから茶浸出液のアスコルビン酸は分解しにくいことがわかった。50℃から80℃におけるアスコルビン酸の分解量をアレニウス式に代入し活性化エネルギーを算出したところ,8点の平均値で14.71kcal/モルとなった。
    茶浸出液中のアスコルビン酸の安定化因子は,一煎目に多く,三煎目には少ないことが明らかになった。しかし三煎目にシアン化ナトリウムを添加ナると,一煎目以上にアスコルビン酸が安定化した。次に安定化因子を検索したところ,安定化作用は酢酸エチルで抽出され,ポリクラールATに吸着するポリフェノール類,50%エタノールで沈殿するペクチンなどの高分子化合物,アセトンで沈殿する水溶性の強いフラボノイドの画分に検出され,複合的なものであることが明らかになった。
    モデル実験的にカテキン類,テァニン,カフェインのアスコルビン酸の安定化について検討したところ,エピカテキンガレート,エピガロカテキンガレートにその作用が認められた。またその他のものとしてはクエン酸とペクチンにも安定化作用が認められ,リンゴ酸,フマル酸,ショ糖,ブドウ糖,果糖などには安定化作用が認められなかった。一方金属イオンを茶浸出液に添加したところ,鉄イオン,銅イオンに著しいアスコルビン酸の分解促進作用が認められた。アスコルビン酸水溶液にシァン化ナトリウム,エチレンジアミンテトラァセテートなどを添加し微量の金属イオンを除去すると,アスコルビン酸は非常に安定化し,茶浸出液よりもむしろ安定になった。このことから茶浸出液においてアスコルビン酸が安定である原因は,ポリフェノール類などを始め,銅や鉄などと相互作用を持っ成分がかなり大量に存在するためであると推定された。
    終りに,本実験を行なうに際し種々御助言いただぎました果樹試興津支場荒木忠治氏,および当研究室西條了康氏に深く感謝いたします。
  • 阿南 豊正, 高柳 博次, 池ケ谷 賢次郎, 中川 致之
    1982 年1982 巻56 号 p. 65-68
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    緑茶貯蔵中の脂質含量:の変化を明らかにするため,貯蔵条件の異なる4種類の試料,すなわち荒茶を-70℃で18ヵ月貯蔵したもの(試料A,対照区),25℃で3ヵ月貯蔵後-70℃で15ヵ月貯蔵したもの(試料B),25℃で6ヵ月貯蔵後一70℃で12ヵ月貯蔵したもの(試料C),25℃で18ヵ月貯蔵したもの(試料D)の脂質を定量し,次のような結果を得た。
    1. 各試料について官能検査を行った結果,試料Aは新茶とあまり差がなかった。一方,試料Cおよび試料Dは変質程度が大きく飲用不適と判定された。
    2. 試料Bは試料A(対照区)に比べて全脂質含量で約10%減少し,試料Cは約20,0fib少した。一方,試料Dは試料Cよりほんのわずか減少する程度であった。
    3. 各脂質画分別にみた場合,25℃での貯蔵期間の増加につれて減少傾向が比較的はっきりしているものは糖脂質であり,中性脂質とリン脂質は減少傾向が小さかマた。又,個々の脂質別では,減少傾向が比較的大きかったものはMGDG,DGDG,SQDG,PCであった。
    終わりに,本実験を行うにあたり,御指導を頂いた当試験場古谷弘三前場長,坂本裕製茶部長ならびに官能検査をお願いした製茶第3研究室の方々に深く感謝致します。
  • 内田 浩輔, 青木 智
    1982 年1982 巻56 号 p. 69-70
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    Time course of the defoliation of old leaves and its varietal differences (Yabukita, Yutaka-midori and Benihomare) in frame formed tea plants were examined from April to October.
    Each variety showed one or two peaks of the defoliation from April to June.
    The time of the start of the defoliation was earlier in Yabukita and Yutakamidori than in Benihomare (late variety).
    The amount of the defoliation was the least in Yutakamidori and the most in Benihomare.
    Differences in the defoliation between the frame formed plants and the natural shape framed plants were discussed.
  • 1982 年1982 巻56 号 p. 79-91
    発行日: 1982/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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