茶業研究報告
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1991 巻, 73 号
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  • 定植4年目の一・二番茶収量(第I群)
    鳥丸 萩夫, 渕之上 康元
    1991 年1991 巻73 号 p. 1-15
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    前報に引続き,わが国の緑茶用主要13品種を供試して(試験1:2年生苗定植5品種,試験2:1年生苗定植9品種),鹿児島県姶良郡溝辺町で実施中の地方適応性試験の定植4年目の一,二番茶收量について以下の知見を得た
    11990年は供試品種の萠芽期から摘採期までに数回の降霜日が推定された。
    2霜害程度の品種間差では,比較的萠芽の早かった'ゆたかみどり'と'あさつゆ'の被害がとくに目立ち,`やまかい',`あさひ',`うじひかり'なども他品種よりも被害が大きかった。
    3一番茶の摘採期は,`やぶきた'に対する早晩差では,各品種とも全国平均と大差がみられなかったが,'ゆたかみどり'のみは5日遅かった(但し'あさつゆ'と'さみどり,は生存株率が他の品種よりも劣っていたので調査より除外した)。
    4一区当たり收量の品種間差では,試験1では'かなやみどり'が顕著に他の品種よりも勝ったが,逆に'ゆたかみどり'は一番茶で顕著に劣った。
    又,試験2では一番茶は'さやまかhり',`ここう',`やぶきた',`おくみどり'などが優れこれらはいずれも'やぶきた'並みの多收であったが,二番茶では'さやまかおり'と'やぶきた'が他の品種よりも顕著に勝っていた。しかし一方'こまかげ'と'うじひかり'の2品種は一,二番茶とも他の7品種より寡收であった(但し3同様'あさつゆ'と'さみどり'は調査より除外)。
    5試験1の'ゆたかみどり'の一番茶減收の原因は明らかに霜害によるものであり,わく摘み調査では開葉数の多い芽の割合が他の品種よりも顕著
    に少なかった。
    6試験2の一番茶で同様に多收を示した'さやまかおり',`やぶきだ,`ここう',`おくみどり'の4品種間で開葉数による芽の種類別構成割合(わく摘み内の)が著しく異なっていたが,このことは今後品種の收量構成要素を分析していく上で興味ある知見と思われた。
    7本成績を他府県の試験研究桟関の成績と比較すれぼ'ゆたかみどり'の晩霜害による一番茶の摘採期の遅れと減收を除く他の品種の收量多寡の傾向はあまり変らなかった。
  • 永田 忠博, 酒井 愼介
    1991 年1991 巻73 号 p. 17-22
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    冬期から一番茶収穫期の茶樹体内の水の動態を明らかにするため,核磁気共鳴法により茶葉内の水の緩和時間を測定した。得られた結果は,下記の通りであった。
    5月上旬の一番茶収穫期では,自由水の比率の日内変動が水分含量の日内変動よりも大きかった。また自由水の比率は,心>新葉>越冬葉であり,活発な生理的活動を行っている部位に活性の水が多いことを示した。越冬葉の自由水は昼低下し,夜には増加したが,心では朝,自由水が多く,夜低かった。
    葉内水の運動性の季節的変動は,3月上旬から5月上旬にかけて芽は水分含量,自由水の比率ともに上昇している。
    これに対して越冬葉は,12月から3月まで水分含量,自由水の比率ともにほとんど変化しないが,5月には自由水の比率は大きく低下した。
    自由水の比率の変動は,葉の生理的役割,樹体内水分保持などと密接な関係があると考察された。
  • 1991 年1991 巻73 号 p. 23-29
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    ベルトコンベア式マイクロ波加熱装置(最大出力・4.8kW,2450±30MHz)の多用途利用を図るため,荒茶製造工程のうち,蒸熱処理の代替としてマイクロ波加熱の適用について検討した。
    1.マイクロ波加熱によるブランチングは,生葉の乾燥を伴うため,全般に処理葉は粗揉以降の工程においてやや揉みにくくなり,製品がやや締り不足で,香味もやや淡白になる傾向はあるが,色沢,水色とも良好であった。
    2.マイクロ波出力4.8kW,照射時間48~75秒,ブランチング茶葉の重量減が25~40%の範囲に入るように処理されたブランチング葉で製造された荒茶は,蒸熱法の荒茶とほぼ同等の評価が得られ,この条件で蒸熱法の代替が可能と考えられた。この時の主要アミノ酸,カフェイン,タンニン,アスコルビン酸含量や主要香気成分含量も蒸熱法によ・る荒茶とほぼ同等の値を示した。
    一方、出力が低すぎたり,照射時間が短かすぎると青臭や萎凋香が認められ,また,出力が高くても照射時間が長すぎると過度の乾燥を生じ,製品の品質低下の原因となった。
    本研究の実施に当たり種々の御協力いただいた中部電力株式会社に深く感謝申し上げます。
  • 田中 敏弘, 岩倉 勉, 山中 浩文, 嶽崎 亮, 野中 寿之
    1991 年1991 巻73 号 p. 31-38
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    (1)秋~春季の整枝量は,再整枝まで含めても'ゆたかみどり'では慣行の10月下旬整枝より早いと少なく,遅いと多くなったが,'やぶきた'では判然としなかった。
    (2)一番茶の摘採期は,'ゆたかみどり'では,10月上旬以降整枝時期が早いほど早まり,'やぶきた'では春季に凍霜害のない場合,整枝時期が早いほど早まった。この整枝時期が摘採期の早晩に及ぼす影響は'ゆたかみどり'が'やぶきた'に比べ大きかった。
    (3)一番茶の芽数は,整枝時期が遅くなるほど少なくなった。この傾向は'ゆたかみどり'が'やぶきた'に比べ顕著であった。
    (4)一番茶の収量は,10月下旬整枝に比べ,'ゆたかみどり'では,10月上~中旬整枝で多く,'やぶきた'では,9月下旬~10月中旬と3月中旬~下旬の整枝で多かった。
    (5)一番茶の品質は'ゆたかみどり'では,10月上~中旬整枝は,10月下旬整枝と同等であり,春整枝はかなり劣った。'やぶきた'では整枝時期の早いものが優れるようであり,秋整枝に比べ,3月の春整枝では劣った。
    (6)南九州では'ゆたかみどり,やぶきた'とも冬整枝は秋整枝よりは一番茶の荒茶品質で劣るものの,春整枝よりはすぐれた。
    以上のように,整枝時期を慣行の10月下旬よりやや早めて10月上旬~中旬に実施することが,荒茶の収量及び品質に好影響を与えるものと判断される。なお,この時期の平均気温20℃であった。
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