一番茶期に,やぶきた成木園で茶園の一部をしゃ光し(黒色かんれいしゃ4層,しゃ光率約99%),露天区との間でカテキン類,窒素成分の生産量(包葉以上の新芽に生成,蓄積した量)と含量(乾物当たりの含有率)の変動を比較した。
1.乾物の生成量は,露天区,しゃ光区ともにほぼ直線的に増加したが,しゃ光区では増加の勾配がゆるやかになった(Fig.1,Table1)。
2.(-)-エピカテキン,(-)-エピカテキンガレート,(-)-エピガロカテキン,(-)-エピガロカテキンガレートの生成量は,露天区では全て増加したが,しゃ光により(-)-エピカテキンは最も強く抑制されマイナス生成となり,次いで(-)-エピガロカテキンが抑制され,(-)-エピカテキンガレートが続いた。(-)-エピガロカテキンガレートは4成分の中では最も弱い抑制となった(Fig.3,Table1)。含量では,(-)-エピカテキン,(-)-エピガロカテキンがしゃ光区で露天区より低下し,(-)-エピカテキンガレート,(-)-ガロカテキンガレートはしゃ光区,露天区ともにほぼ同じ値となった。
3.全窒素,カフェインの生成量は,しゃ光区,露天区ともに同じ程度の増加を示し,しゃ光による影響は認められなかった。また,可溶性窒素は,両区とも増加はなく,しゃ光の影響もなかった(Figs.4,5,6,Table1)。その結果,これらの成分はしゃ光区の方が露天区より高くなった。即ち,しゃ光による生成の促進などによる蓄積量の増加でなく,乾物重の減少による含量の増加であることが明らかとなった。
4.シキミ酸一G-14Cのカテキン類への取り込み率は,しゃ光した新芽では露天芽より低下したが,この現象はしゃ光1日目の茶芽から観察された。
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