茶業研究報告
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1981 巻, 54 号
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  • 関谷 直正, 山下 正隆, 田中 勝夫
    1981 年1981 巻54 号 p. 1-10
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    肥培の良否および秋肥の施用時期,量が炭水化物の蓄積に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹型を整えた2年生~3年生茶樹を用いて,10月下旬から5月中旬にわたって調査した。
    1.炭水化物の含有率は,概して秋冬期における樹体の窒素濃度の高い処理区は低く,窒素濃度の低い処理区は高い傾向がみられた。しかし,晩期標準量区は12月中旬以降においては標準区に比べて窒素濃度が高まったが,炭水化物の含有率も高く推移した。
    2.肥培の良否が炭水化物の蓄積に及ぼす影響については,含有率は肥培良区が最も低く,標準区と肥培不良区はほぼ同等であった。2~3月における総蓄積量は,標準区が最も多く,肥培良区,肥培不良区の順に少なかった。
    3.秋肥の施用法が炭水化物の蓄積に及ぼす影響については,含有率は無秋肥区が最も高く,次いで晩期半量区,晩期標準量区の順で,標準区が最も低かった。2~3月における総蓄積量は,無秋肥区,晩期半量区が多く,標準区は最も少なかった。
    4.炭水化物の含有率に及ぼす秋肥の施用法の影響は,地上部と地下部でかなり傾向を異にし,地上部では11月ごろから次第に差がつき,2月に最も差異が顕著となり,萌芽期以後は差異がみられなくなったが,地下部では2~3月には差異は小さくなり,逆に一番茶摘採後に差異が顕著となった。
    5.秋肥の施用法が一番茶収量に及ぼす影響については,無秋肥区が最も多く,次いで晩期半量区,晩期標準量区,標準区の順であり,2~3月における炭水化物の蓄積量の多少とほぼ一致した。
  • 関谷 直正, 山下 正隆, 田中 勝夫
    1981 年1981 巻54 号 p. 11-16
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    秋肥が晩期に施用された場合の窒素の吸収状況を明らかにするため,成木園に準じて樹型を整えた2~3年生茶樹を用い,10月下旬から3月下旬までの樹体内の窒素含有率および窒素吸収量を調査した。
    1.10月下旬に施用した晩期施肥両区の窒素含有率は,1カ月を経過した11月下旬では,9月上旬施肥の標準区に比べてやや低かったが,2カ月目の12月下旬以後は標準区に比べてやや高い傾向がみられた。
    2.晩期施肥両区の窒素含有量は,施肥1カ月後の11月下旬以降は,標準区と同等ないしやや多い傾向がみられた。
    3.窒素吸収量の時期的推移についてみると,1月下旬から2月下旬にかけて吸収が少なくなった以外は,10月中旬から3月下旬までほぼ平均して吸収が行われており,冬期間も秋期とほぼ同等の吸収をしていることが認められた。
  • 池ケ谷 賢次郎, 簗瀬 好充
    1981 年1981 巻54 号 p. 17-22
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    沖縄本島の茶園土壌は,粘板岩,国頭礫層,変成岩および海成沖積層に由来する赤黄色土であった。
    国頭礫層に由来する土壌地帯では,ガリエロージョンや土地崩かいがみられた。
    断面調査によれば,いずれも第2層のち密度が20以上を示していた。細根は第1層に多く,第2層に少なかった。
    国頭礫層に由来する茶園土壌の土性は,SiC~CLであった。沖積層ではLiC,粘板岩ではLiC~HC,変成岩ではSLであった。
    土壌の反応はいずれも強酸性を示した。ほとんどがpH(H2O)4.5以下で,2.9を示すものもあった。
    有機物含量はいずれの土壌も少なかった。
    粘板岩に由来する茶園土壌では,置換性マグネシウムが多かったが,他の土壌では少なかった。また,置換性カリウムは一般に多かった。
    リン酸吸収係数はいずれの土壌も小さく,有効態リン酸(トルオーグ法)は50mg%以上を示すものと,逆に不足しているものとがあった。
  • 池ケ谷 賢次郎, シバスブラマニアム S., ペレラ M.B.A., アヤドゥライ S.
    1981 年1981 巻54 号 p. 23-31
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    スリランカの茶園土壌は,プレカンブリアン紀の各種結晶片岩に由来する残積,崩積,沖積に由来するポドソリック赤黄色土であった。
    茶園土壌のpHは未耕地土壌より低かった。未耕地土壌は茶園土壌より腐植含量が多かった。また,腐植含量は茶園,未耕地とも下層ほど少なかった。
    置換性のカルシウムとマグネシウム含量は,茶園土壌で極めて少なく,未耕地では明らかに少なかった。
    ポドソリック赤黄色土と腐植質土壌の腐植酸の示差吸光曲線を求めた。
    ポドソリック赤黄色土の腐植酸は日本の赤黄色土腐植酸よりもフェノール性水酸基の反応が小さかった。腐植質土壌の腐植酸は250mpにフェノール性水酸基の大きなピークがみられた。
    スリランカ茶園土壌では,硝酸化成がアンモニア化成より明らかに強かった。
    牛ふん施用(N12kg/10a)によりNO3-Nの生成が増加した。紅茶屑,モミガラを施用すると無施用区よりNO3-Nが減少し,NH4-Nが増加した。
  • 香西 修治, 保科 次雄
    1981 年1981 巻54 号 p. 32-35
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶園土壌中の熱水可溶性ホウ素をアゾメチンH法で定量する方法を検討した。土壌の熱水抽出液に含まれている金属イオン,特に火山灰茶園土壌に多いアルミニウムの発色におよぼす影響は,マスキング液により完全に抑制できた。
    土壌から熱水に溶出する腐植は,アゾメチンHの発色には影響を与えないため,試料液の着色が腐植による場合は,着色による吸光度の増加分を減じることにより,正しい定量値を得る二とができた。
    着色物質の除去に活性炭を用いた場合は,使用量に比例してホウ素の損失が生じた。
    黒ボクに含まれる熱水可溶性ホウ素を完全に抽出するには,6分以上の煮沸時間が必要であった。
    アゾメチンH法によるホウ素定量の精度は,回収率99%,変動係数3.5%であった。
  • 池ケ谷 賢次郎, 渡部 育夫, 平峯 重郎
    1981 年1981 巻54 号 p. 36-39
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    土壌中における天日乾燥鶏ふんと火力乾燥鶏ふんの分解に伴うアンモニア化成率と硝酸化成率を調べるとともに,土壌中での遊離アミノ酸の消長について調べた。
    天日乾燥および火力乾燥鶏ふんのアンモニア化成率は,7日目においてそれぞれ51.3%,39.2%であった。
    これらのアンモニア化成率は,7日以上インキュベーションしても増加しなかった。また,硝酸化成率はきわめて低かった。
    天日乾燥および火力乾燥鶏ふん中の全遊離アミノ酸含量は,それぞれ40ppm,491.2ppmであった。土壌中での分解7日目には,天日および火力乾燥鶏ふんの全遊離アミノ酸はそれぞれ221.8PPm,217.7ppmであった。これらのうち主要アミノ酸は,グルタミン酸とセリンであった。
    おわりに,アミノ酸分析をして戴いた製茶部化学研究室の皆様に深く感謝します。
  • 西條 了康, 大沢 キミコ
    1981 年1981 巻54 号 p. 40-46
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    一番茶期に,やぶきた成木園で茶園の一部をしゃ光し(黒色かんれいしゃ4層,しゃ光率約99%),露天区との間でカテキン類,窒素成分の生産量(包葉以上の新芽に生成,蓄積した量)と含量(乾物当たりの含有率)の変動を比較した。
    1.乾物の生成量は,露天区,しゃ光区ともにほぼ直線的に増加したが,しゃ光区では増加の勾配がゆるやかになった(Fig.1,Table1)。
    2.(-)-エピカテキン,(-)-エピカテキンガレート,(-)-エピガロカテキン,(-)-エピガロカテキンガレートの生成量は,露天区では全て増加したが,しゃ光により(-)-エピカテキンは最も強く抑制されマイナス生成となり,次いで(-)-エピガロカテキンが抑制され,(-)-エピカテキンガレートが続いた。(-)-エピガロカテキンガレートは4成分の中では最も弱い抑制となった(Fig.3,Table1)。含量では,(-)-エピカテキン,(-)-エピガロカテキンがしゃ光区で露天区より低下し,(-)-エピカテキンガレート,(-)-ガロカテキンガレートはしゃ光区,露天区ともにほぼ同じ値となった。
    3.全窒素,カフェインの生成量は,しゃ光区,露天区ともに同じ程度の増加を示し,しゃ光による影響は認められなかった。また,可溶性窒素は,両区とも増加はなく,しゃ光の影響もなかった(Figs.4,5,6,Table1)。その結果,これらの成分はしゃ光区の方が露天区より高くなった。即ち,しゃ光による生成の促進などによる蓄積量の増加でなく,乾物重の減少による含量の増加であることが明らかとなった。
    4.シキミ酸一G-14Cのカテキン類への取り込み率は,しゃ光した新芽では露天芽より低下したが,この現象はしゃ光1日目の茶芽から観察された。
  • 和田 光正, 中田 典男, 本荘 吉男
    1981 年1981 巻54 号 p. 47-58
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    寒冷地,温暖地,暖地の3産地から茶期別に初期・中期・末期に分けてそれぞれ摘採したやぶきた無覆茶園の原料について,茶芽の形態と化学成分を調査検討した。
    1.茶芽の形態については,寒冷地と暖地のものが全般的に大きく,温暖地の茶芽が小さい傾向がみられた。第3葉の葉長,葉厚は葉幅の大きさによって左右される傾向がみられた。
    2.茶葉の水分含量は,一番茶では暖地のものが多い傾向を示したが,二番茶では産地間の差がみられなかった。また,全窒素含有量は産地の差が少なく,タンニン含有量では,一番茶は寒冷地のものがやや多い傾向がみられたが,二番茶になると暖地のものが若干多くなる傾向がみられた。全ペクチン,粗せんい,粗でんぷん,可溶分は産地間の差がなく,可溶性窒素,カフェン態窒素は全般的にみて暖地のものが高い傾向であった。また,アミノ酸含有量は,一番茶では暖地の原料が多いが,とくに主要アミノ酸の多いのが注目された。
    最後に,この試験のために試料の収集,調査に御協力頂いた埼玉県茶業試験場,静岡県茶業試験場,鹿児島県茶業試験場の方々,ならびアミノ酸の分析に御協力頂いた茶業試験場前化学研究室長・中川致之博士,また,とりまとめにおいて御助言頂いた枕崎支場製茶研究室・岡田室長に深甚なる謝意を表します。
  • 津志田 藤二郎, 竹尾 忠一
    1981 年1981 巻54 号 p. 59-65
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    キュウリの黄化子葉を用いたサイトカイニンの生物検定法を検討するとともに,その方法を用いて茶葉のサイトカイニン活性を測定し,次のような結果を得た。
    1.キュウリの黄化子葉を用いたサイトカイニンの生物検定法に対して,オーキシンとジベレリンはむしろ阻害作用を示したが,サイトカイニンの類似化合物であるアデニン,アデノシンなどは活性を示さなかった。また,シュークロースもこの生物検定法に影響を与えなかったが,リン酸は5×10-8Mで最もクロロフィルの合成量が多かった。この生物検定法の変動係数は6反復で6.3400であった。
    2.茶葉のサイトカイニンをメタノールで抽出し,常法どおり処理し,n-ブタノールに抽出され,ダウエッタス50Wに吸着される画分Aと,n-ブタノールでは抽出されず,.ダウエッタス1に吸着する画分Bに分けたところ,画分Aでの活性が非常に強かった。また,この画分の活性は銀イオンによって完全に沈澱した。
    3.画分Aをポリビニールピロリドンカラムクロマトグラフィーで分離したところ,三つの活性ピータが得られた。この中で最初の活性が最も大きく,ゼアチン,リボシルゼアチンと同じ位置に溶出された。また,ペーパークロマトグラフィーを行ったところ,ゼアチンとリボシルゼアチンに相当するRfの部位に活性が検出された。
    4.4月上旬の1年生苗を新芽,古葉上部(上から7葉まで),古葉下部,根に分け,その画分Aにおけるサイトカイニン活性からベンジルアデニン相当量を算出したところ,新芽で15,896μg/kg,古葉上部で1,413μg/kg,古葉下部で0.557ag/kg,根で1,788μkgであった。
    5.一番茶,三番茶の芽におけるサイトカイニンの変動を調査したところ,芽の生育に伴いその活性量が減少した。特に一番茶ではその減少が著しかった。また,三番茶は一番茶に比べサイトカイニンの活性量が全般的に少なかった。
  • 中村 公一, 後藤 正, 工藤 康正, 原 利男
    1981 年1981 巻54 号 p. 66-70
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    市販されている特殊処理鉄粉系および有機化合物系の脱酸素剤の品質保持効果を埼玉,静岡,京都,金谷の4場所において,共通の設計による茶の保存試験で調べた。
    その結果,この試験に使用した脱酸素剤による茶の品質保持効果が認められた。しかし,脱酸素剤は窒素ガス充てん包装よりわずかに品質保持が劣り,この傾向は保存期間の長くなるにしたがって明白に認められた。
    この試験を実施するに際し,ご指導をいただいた茶業試験場・坂本裕製茶部長,脱酸素剤を提供していただいた三菱ガス化学および東洋パルプ株式会社,ならびに官能検査に協力下さいました4場所の各位に厚くお礼申し上げます。
    なお,この報文のとりまとめは,原利男が担当したことを付記する。
  • 1981 年1981 巻54 号 p. 77-85
    発行日: 1981/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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