茶業研究報告
Online ISSN : 1883-941X
Print ISSN : 0366-6190
ISSN-L : 0366-6190
2000 巻, 88 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 小杉 由紀夫
    2000 年2000 巻88 号 p. 1-8
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    チャノミドリヒメヨコバイの加害がチャ新芽の葉脈褐変の発生に及ぼす影響及び葉脈褐変の発生程度と新芽の生育との関係について調査を行った。
    中齢幼虫あるいは雌成虫の1日間の加害で,葉脈褐変が発生し,4日間ですべての新芽に葉脈褐変が発生した。発生率は幼虫に比べ成虫で低かった。葉位別の葉脈褐変の発生は,成虫,幼虫とも上位葉から起こり,次第に下位葉に移行した。中肋での褐色刺痕は,幼虫,成虫とも加害1日後から見られたが,先端葉に比べ第2,3葉での発生率が高く,加害4日後の発生率は成虫の方が高かった。枯死葉の発生率は幼虫の加害による場合が成虫に比べ高かった。葉脈褐変の発生芽率は摘芽重との間には相関関係はなかったが,摘芽長との間には負の相関関係があった。
  • 中野 敬之, 松尾 喜義
    2000 年2000 巻88 号 p. 9-24
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    南北方向に定植され,弧状樹形に仕立てられた茶園では,凍霜害が茶株面の東側に集中する特性がある。本研究では,茶株面の東・西側における茶芽の耐凍性,低温処理および融解方法の違いが,新芽の損傷芽率や枯死芽率に及ぼす影響について,さらに,低温時における茶株面の葉温分布について調査した。低温処理試験結果と茶株面葉温の観測結果を照らし合わせて,その原因について検討した結果.
    1.茶芽の凍結による被害に最も大きな影響を及ぼした要因は生育ステージであり,生育が進むにつれて損傷芽率と枯死芽率が増加した。一部で異なる結果も得られたが,茶株面の東側における茶芽の耐凍性は,総じて西側よりも僅かに低い傾向が伺えた。
    2.茶芽の損傷芽率と枯死芽率は,処理温度が低いほど,また処理時間が長いほど増加した。特に僅か1℃の処理温度差によって枯死芽率や損傷芽率が大きく異なった。
    3.AMeDASの牧の原観測点における過去の気象データを集計すると,春先の低温時は西高東低の気圧配置が多く,西からの微風条件下がほとんどであった。
    4.茶株面の葉温は風向の反対側で低下する現象がみられた。すなわち,最も多い西風の微風条件では,茶株面の東側は西側よりも低く推移し,顕著な場合,両者間で2℃以上の差がみられた。
    以上の結果より,南北方向に定植された弧状樹形の茶園において,茶株面の東側が凍霜害が集中しやすい現象は,茶株面の東側が低温になりやすいことが主因であるが,東側の耐凍性が低いことも影響していると考えられた。
  • 竹尾 忠一, 木村 嘉孝, 中嶋 年明, 川村 太巳夫
    2000 年2000 巻88 号 p. 25-30
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    遠赤外線加熱と直火加熱を併用すると,火入れの熱源が遠赤外線ヒーターの輻射熱と火入れ機釜面からの伝導熱に2分され,その分だけ釜面温度が低く設定されるので,茶が釜面接触時に過度に加熱されことが防がれるのに対して,直火火入れ処理では茶の加熱が釜面からの熱だけとなり,釜面温度が高く設定されるのため,一部の茶が釜面で過度に加熱されて焦げ,茶の焙じ香に量的差が生じ,これが同じ火入れ温度でも前者の香味は温和に感じられ,後者には火香が強く感じられる要因と成ったものと考えられる。しかし両火入れ処理とも処理中ほぼ同じ茶温に調節されているので,茶全体に加わる総熱量には差が殆ど無いことから,含有量の大きい水分,ビタミンC,カテキンには定量的に有意な差が現れなかったものと考えられる。
    火入れ作業工程での得失として,火入れの際には遠赤外線ヒーター加熱と直火加熱を併用することにより,火入れの際の排出茶温の調節が直火火入れよりも容易となり,それだけ作業性が高められた。また遠赤外線火入れと直火火入れとの間での,所要熱経費の差は僅かであった。
    本試験で香気成分分析に御協力頂いたお茶の水女子大学大学院生関和陽子氏,また茶の審査に協力頂いた川村翠香園関係の茶商の皆様,お茶の水女子大学,大妻女子大学学生の皆様,元農水省野菜茶試技官原利男・中田典男両氏に厚く感謝いたします。
  • 志和 将一, 吉澤 喜代雄, 伊東 正智
    2000 年2000 巻88 号 p. 31-38
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶園土壌における被覆肥料の溶出特性と茶樹の吸収利用について明らかにするため,15Nで標識した被覆尿素120日タイプおよび40日タイプの2種を用いて時期別に被覆尿素の溶出率および茶樹の吸収量を調査した。被覆尿素120日タイプは8月下旬に,40日タイプは2月下旬に施用した。茶樹は'やぶきた'2年生苗を1/2000aワグネルポットに定植し,露地に地際部まで埋設して5ヶ月間均整栽培したものを供試した。
    被覆尿素120日タイプは施肥当年の11月までに70%の窒素が溶出し,翌年8月までの1年間溶出が続いた。茶樹の吸収利用率は11月で20%と低かったが,その後も利用率は徐々に増加し翌年の8月の時点でも吸収が認められた。一方,被覆尿素40日タイプは5月の一番茶摘採期までに 50%の窒素が溶出し,7月の二番茶摘採期までの100日間溶出が続いた。茶樹の吸収利用率は一番茶摘採期で9%と低かったが,その後二番茶摘採期までの間で著しい吸収が認められ利用率が高まった。しかし,それ以降の吸収は認められなかった。
    このように,被覆尿素は長期間の肥効を持続できるため,秋肥および夏肥の施肥回数,施肥量の削減が可能であると考えられた。しかし,被覆尿素は低地温期の肥効の確保が難しく,また,春肥窒素における一番茶芽への寄与が大きくその分配量も多いことから,被覆尿素の施用にあたっては春期に速効性のある窒素肥料との併用が必要であると考えられた。また,被覆尿素は根の肥やけが少ないため,うね間の根量が増加し肥効率が向上する可能性が示唆された。
  • 辻 正樹
    2000 年2000 巻88 号 p. 39-44
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    自然仕立て茶園におけるてん茶原葉の品質評価法を確立するため,遮光下の自然仕立て茶樹で新芽の葉厚を測定し,その特性を調べた。さらに,新芽の葉重や葉面積も同時に測定し,適切な葉厚測定位置を検討した。
    1) 新芽の葉厚測定部位は,側脈間の間隔が大きい葉身中央部付近が適切と考えられた。
    2) 新芽の葉位別葉厚は第1葉(最上位葉)が最も薄く,下位葉になるほど厚くなった。
    3) 第1葉から第3葉までの同一葉位では,新芽着生位置や枝条の生育程度などによる葉厚の差は小さく,ほほ同様であった。
    4) 葉位別葉重や葉面積を測定した結果,てん茶荒茶は第3葉を中心として構成されていた。
    5) 以上の結果,自然仕立ててん茶園の葉厚特性値は,第3葉で測定するのが最適と考えられた。
  • 木幡 勝則, 山下 陽市, 堀江 秀樹, 山内 雄二
    2000 年2000 巻88 号 p. 45-48
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    クロロフィルのフェオフィチンへの変化率測定に関して,従来法,改良法及び個別定量法の3法について比較検討し,各方法の特徴を明らかにした。従来法は精度にやや難があるものの,簡便で経費がかからないのが特徴である。個別定量法は精度,再現性及び応用に非常に優れているが,高額機器及び比較的高価な標準試料を使用しなければならないのが欠点である。改良法は応用の点で劣るが,総じて優れており,広く普及を図るという観点からは最良の方法である。
  • 坂本 彬, 杉山 弘成, 中川 致之, 富田 勲, 此本 晴夫, 王 効挙, 加藤 忠司
    2000 年2000 巻88 号 p. 49-55
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    煎茶に含まれる硝酸態窒素の含有量の実態を知るために,適切な分析法の検討を行った。その結果,イオンクロマトグラフ法が高精度でかつ簡便であり,分析に適していた。
    市販の煎茶をイオンクロマトグラフ法で分析したところ,煎茶には6.2から22.0ppm,平均約13ppmの硝酸態窒素が含まれていた。また,我々が飲用している条件に近い方法で茶浸出液を調製し,硝酸態窒素量を測定した結果,0.1から0.4ppm,平均0.3ppmの濃度であった。この値は飲料水の亜硝酸・硝酸態窒素の許容濃度である10ppmよりはるかに低かった。
    これらの結果から,茶を飲用すること,あるいは茶葉を食することによる硝酸態窒素の摂取に関しては,心配する必要がないとの結論を得た。
    また,このイオンクロマトグラフ法を,野菜類の硝酸態窒素の含有量測定に適用することも可能であることが判明した。
  • ポットの深さとコンテナの置床方法が挿し木苗の生育に及ぼす影響
    中村 順行
    2000 年2000 巻88 号 p. 57-65
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    コンテナを用いたペーパーポット育苗時における,ポットの深さやコンテナの置床位置及び地表面とコンテナ間の環境条件がポット1年生苗の根群に及ぼす影響を中心に検討した。
    1)コンテナを地表面から20cm離すごとにより,ポットの深さや苗の大きさに関わらず,根はポット内に保持された。
    2)内径6cm,深さ15cmのポットを用いた1年生苗では,コンテナを地表面から3cm以上離せばポット内に根を保持できたが,地表面上や挿し床に埋設すれば,ポットの底面以下に根は伸育した。
    3)コンテナと地表面との空間が高湿度・暗条件化すると根はポットの底面以下に伸育する割合が高まった。
    本試験を遂行するにあたり,根の調査にご協力いただいた豊田淑子氏に深く感謝申し上げます。
  • 河合 章
    2000 年2000 巻88 号 p. 67-77
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1.野菜・茶業試験場内の圃場に植栽された39品種・系統を用いて,カンザワハダニの寄生におけるチャの品種間差を3年間調べた。
    2.最大密度の発生日は品種・系統により異なるため,1回の調査では寄生における品種・系統間差を正しく示せない。しかし,各品種・系統での最大密度の比較により寄生における品種・系統間差を示すことができる。
    3.年次間の各品種・系統の最大密度の間には高い正の相関が見られ,圃場での寄生における品種・系統間差は安定している。
    4.カンザワハダニの寄生における品種・系統間差は大きい。寄生指数は'やぶきた'で最も高く,'やぶきた'の自然交雑実生品種も高い。日本在来種の寄生指数は高く,中国導入種,アッサム系の品種・系統は寄生指数が低い。
    5.飼育試験での,成虫生存率と寄生指数との間には一定の傾向は認められないが,産卵数と寄生指数との間には高い正の相関が認められ,産卵数の違いが寄生における品種・系統間差に大きく影響しているものと考えられる。
  • 堀江 秀樹, 山崎 祐作, 山下 陽市, 山内 雄二, 木幡 勝則
    2000 年2000 巻88 号 p. 79-85
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 堀江 秀樹
    2000 年2000 巻88 号 p. 87-93
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
  • 2000 年2000 巻88 号 p. 95-98
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
feedback
Top