南北方向に定植され,弧状樹形に仕立てられた茶園では,凍霜害が茶株面の東側に集中する特性がある。本研究では,茶株面の東・西側における茶芽の耐凍性,低温処理および融解方法の違いが,新芽の損傷芽率や枯死芽率に及ぼす影響について,さらに,低温時における茶株面の葉温分布について調査した。低温処理試験結果と茶株面葉温の観測結果を照らし合わせて,その原因について検討した結果.
1.茶芽の凍結による被害に最も大きな影響を及ぼした要因は生育ステージであり,生育が進むにつれて損傷芽率と枯死芽率が増加した。一部で異なる結果も得られたが,茶株面の東側における茶芽の耐凍性は,総じて西側よりも僅かに低い傾向が伺えた。
2.茶芽の損傷芽率と枯死芽率は,処理温度が低いほど,また処理時間が長いほど増加した。特に僅か1℃の処理温度差によって枯死芽率や損傷芽率が大きく異なった。
3.AMeDASの牧の原観測点における過去の気象データを集計すると,春先の低温時は西高東低の気圧配置が多く,西からの微風条件下がほとんどであった。
4.茶株面の葉温は風向の反対側で低下する現象がみられた。すなわち,最も多い西風の微風条件では,茶株面の東側は西側よりも低く推移し,顕著な場合,両者間で2℃以上の差がみられた。
以上の結果より,南北方向に定植された弧状樹形の茶園において,茶株面の東側が凍霜害が集中しやすい現象は,茶株面の東側が低温になりやすいことが主因であるが,東側の耐凍性が低いことも影響していると考えられた。
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