茶業研究報告
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2012 巻, 114 号
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総説
報文
短報
技術レポート
  • 富濵 毅, 田中 敏弘, 堀口 大輔, 堀口 俊, 堀口 泰久, 加藤 正明
    2012 年 2012 巻 114 号 p. 114_45-114_56
    発行日: 2012/12/31
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    茶において散水氷結法は有効な防霜技術であるが,防霜用水の確保が困難となっている。最近,茶園に散水された水が氷結後に凍霜害が発生しない温度域で葉温を制御する節水型防霜制御「0℃制御」が開発された。本報告では,本制御を鹿児島県曽於地区で慣行となっている交互散水方式に応用した0℃交互制御の実証と普及について紹介する。実証を行った2011年春期は降霜日が連続したが,実証茶園では0℃交互制御により氷結後の葉温は-1℃以下に下がることはなく,実証期間中に霜害はみられなかった。また,0℃交互制御による使用水量は,慣行の均等交互散水方式より57%削減され,0℃交互制御の節水効果は高かった。0℃交互制御の使用に当たっては,特にほ場内の温度較差がある場合,温度センサーの感度と設置位置が重要であった。0℃交互制御は十分な防霜効果があり,節水効果が非常に高いことから,多くの茶農家が0℃交互制御を散水制御機に導入した。我々は0℃交互制御の使用方法を茶農家に指導し,2011年の秋冬期防霜から使用が開始され,2012年の春期は水不足および霜害は発生しなかった。
  • 小澤 朗人, 佐々木 力也
    2012 年 2012 巻 114 号 p. 114_57-114_63
    発行日: 2012/12/31
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    E幾何異性体の混入率を下げたナガチャコガネの改良フェロモン剤の誘引効率を評価するとともに,コガネムシ用の2種類のトラップの誘引効率について比較した。E幾何異性体の混入率を1%前後にした改良製剤は,同3%前後の既存製剤に比べて平均2.4倍,最大5.0倍の誘引力を示し,モニタリング用のフェロモンルアーとしては十分な誘引力が認められた。しかし,総誘殺数は予察灯よりは少なく,誘殺ピークの時期は予察灯より早まって消長パターンは予察灯のそれとは異なった。形状の異なるトラップ2種類とフェロモンのルアー2種類を組み合わせて比較した結果,トラップの違いは誘殺数に有意な影響を与えなかったが,改良製剤とニューウィンズパック®のトラップセットによる誘殺数がもっとも多く,改良製剤とニューウィンズパック®のトラップセットは,ナガチャコガネのモニタリング用フェロモントラップとしての実用性は高いと判断された。
  • 水上 裕造
    2012 年 2012 巻 114 号 p. 114_65-114_72
    発行日: 2012/12/31
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    ほうじ茶のヘッドスペースと浸出液の香りに関与する成分を明らかにした。ヘッドスペースの香りは2-ethyl-3,5-dimethyl pyrazineの影響を強く受ける。一方で,浸出液の香りには,その成分に加え2-acetyl-2-thiazoline, β-damascenone,4- hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanoneの4成分の影響を強く受けることがわかった。FDfの指数および香りの性質からアロマプロファイルを作成したところ,ほうじ茶のヘッドスペースおよび浸出液の香りは,香ばしい匂い,甘い匂い,グリーンの匂いが強いことが明らかになった。
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