茶業研究報告
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1962 巻, 19 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 太田 勇夫, 中川 致之
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 1-6
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
  • 松本 武夫, 淵之上 康元, 米丸 忠, 田中 万吉
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 6-9
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    "Oku-Musahi" is a new variety for green tea. This was developed by the Tea Breeding Laboratory, M. A. F.-designated, Saitama-Ken Tea Exp. Stat., and the registration of this variety was made in 1962. "Oku-Musashi" was selected from the hybrids between "Saya-mamidori" and "Yamatomidori".
    The superior points of this variety are as follows;
    1. It grows vigorusly, and produces high yield and, especially, is cold resistant. It is, adapted to the northern zone of green tea production in Japan as Saitama Ken.
    2. It grows leaves of superior qualities for green tea. And, therefore, the tea has good characters, especiaially, in aroma and taste.
    3. "Oku-Musashi" is a late variety, that is, the plucking time is a few days later than "Sayamamidori" and 7 to 10 days later than "Yabukita, " both are main varietys cultivated in Saitama district. Therefore, the tea growers can control the labour of tea leaf plucking.
  • 三ッ井 稔, 原田 重雄
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 10-14
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    昭和34年から37年の間にインド種6種類の実生苗または栄養系苗を供試して,8,11および14時間の日長処理を行なった。
    茎葉の生育は8~11時間よりも14時間日長下においてすぐれる傾向が認められた。この性質は中国種の日長感受性と似ている。なお日長効果は葉数よりも茎長において現われやすい傾向があった。
  • 讃井 元, 安間 舜, 松下 繁
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 14-20
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 茶樹の育種年限短縮に関する研究の一環として,つぎ木を利用して交配年限の短縮,繁殖の能率化をはかりたいと考え,本研究に着手した。
    2. 従来実用性を認められなかった茶樹のつぎ木は,つぎ穂の乾燥防止が成否を左右することを知り,ポリエチレン袋で被覆して高湿度を保ち,さらに平屋根式日おおいを施こすならば,普通の切りつぎにより十分成功することを確認した。
    3. つぎ木時期は春先きが最適で,つぎ穂は前年秋芽の枝条先端の未硬化緑色部位を2葉2節とし,葉は葉脚から1cm内外で切り落としたものを用いる。
    4. 切りつぎの場合,樹齢5~2年直径1cm内外の台木が活着良好であるが,活着後の生育は樹齢の進んだ台木のほうがおう盛である。
    5. つぎ木後の生育はさし木とは格段の差異があり,定植幼木をりょうがし,また開花はつぎ木当年あるいは2年目から始まるので,交配年限の短縮はもとより繁殖の能率化にも利用できる。この場合台木は5~2年生が適当である。
    6. つぎ木の親和性の品種間差異は認められるが実験例少なく,今後詳しく精査しなければならない。台木の穂木に及ぼす形態的,生理的,化学的影響も今後に残された重要問題である。
    7. 台木に成木を用いる場合には切りつぎよりも皮下つぎが適合し,能率的である。成木台つき木の生育はすこぶるおう盛で,つぎ木6ヵ月で定植3年目の園相となり,台木からの不定芽発生の問題もあるが,育種操作上選抜過程の性能調査に利用できることを認めた。
  • 刑部 勝
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 21-34
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶園におけるカンザワハダニの休眠について調査し,それと並行して休眠の誘発と覚醒に及ぼす温度と日長時間につい七検討した。結果を要約するど次のごとくである。
    越冬期のダニは10月中下旬~11月上旬ごろから体が朱色となり,2月中下旬~3月上旬ごろまで続く。しかし3月上旬以後は赤~暗赤色に変わって産卵を始める。
    雌成ダニは体が朱色の間は適温を与えても全然産卵しない。産卵を始めるのは体が朱色から朱赤色または赤色に変わって後である。
    茶園におけるカンザワハダニは雌成態で休眠越冬する。そのときの体色は朱色である。
    休眠の始期は10月中下旬~11月上旬ごろで,終期は1月下旬~2月上旬ごろである。しかし鹿児島県などの西南暖地は例外で,始期は他の地方と同じであるが,終期は12月中下旬~1月上旬で他の地方より早い。
    カンザワハダニの休眠は静岡県金谷町では12月が最も深い。
    カンザワハダニは温度20℃以下,8時間照明で,暗黒の16時間を3~5℃の低温で経過すると休眠する。
    休眠覚醒は高温のときほど早い。温度25℃では16時間照明が休眠覚醒に最適である。
  • 静岡県牧之原台地における栽培試験について
    河合 惣吾, 石垣 幸三, 池ケ谷 賢次郎, 高柳 博次
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 35-52
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    著者らは静岡県牧之原において,黒ボクおよび赤黄色土の2地帯に試験地を設け,各要素の欠除区,窒素およびリン酸の多量区,あるいは改善区等13の試験区によって,昭和33年から35年まで3カ年にわたって茶樹の栽培試験を行ない両土壌の生産力を比較した。
    その結果を要約すると次のとおりである。
    1. 収量では,欠除区においては無肥料区と-N区が著しく劣り,リン酸はいずれも3年目に,カリは黒ボクでは2年目に,赤黄色土では3年目にそれぞれ欠除の効果が現われた。また.両土壌を比較すると,全般的に赤黄色土のほうが収量が多く,茶期ではいずれも一番茶>二番茶>三番茶,年度では,33年=34年>35年の順であった。改善区の効果はいずれも3年目に現われ,N・P・K・敷草各多量区(心土耕)>N・P・K・敷草各多量区>四要素・敷草区>四要素区の順であったが,心土耕区は初年度においてはかえって生育が劣ったが,3年目に効果が認められた。
    2. 茶葉の化学成分では,窒素の施用量によってT-N含量が影響されることが認められた。その他の成分については新葉では影響はなかったが,-K区および-Mg区の古葉におけるそれぞれの欠除成分が減少した。また,タンニン含量は無肥料区と-N区のものが増加し,また,わずかに赤黄色土のほうが多い傾向が認められた。
    3. 跡地土壌の変化を調べた結果,-N区ではいずれの土壌においてもpHが高くて置換酸度(y1)が低く,また置換性塩基含量が多いが,逆に窒素多量区においては,pHが低く置換酸度(y1)が高く置換性塩基含量が少なかった。置換性塩基のうちカリの溶脱は黒ボクのほうが多い傾向が認められた。また,敷草はいずれも塩基溶脱を軽減することが認められた。心土耕の土壌はII層の硬度が低く,気相が大で,根の状態も良好で下層にまで多く分布し,心土耕の効果が認められた。
    以上の結果から・茶園土壌の生産力は窒素が最も大きく支配することが認められた。
    さらに,両土壌を比較するど赤黄色土のほうが収量が多く,また,施肥(窒素)あるいは改善処理に対する感応性が大で,生産力が高いように見うけられる。しかし,栽培条件が異なるので結論は今後の試験の結果にゆずりたい。
  • 断面形態と一般理化学的性質
    河合 惣吾, 森田 昇
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 53-73
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    九州地方の茶園土壌の性状を明らかにずるために,同地方の代表的茶園について現地調査を行ない,さらに採取した試料について一般理化学的性質を調べた。これらの結果を要約すると次のとおりである。
    福岡県黒木の茶園土壌
    (1) 洪積層に由来する赤かっ色の鉱質土壌である。
    (2) 全層を通じ腐植に乏しく,細粒質で重粘,ち密である。一般に固相が多く孔げきが少なく,有効水分保持力が小さい。
    (3) 置換性塩基に乏しく,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに低く,強酸性である。置換容量もやや小さく,20me以下のものが多い。
    (4) リン酸吸収係数はいずれも1500以下で,吸収力弱く,有効態リン酸も少ない。
    (5) アルミニウムの溶出量は,他の土壌に比して少なく,N塩化カリに溶出する置換性,N/2酢酸,酢酸-酢酸ソーダに溶出する活性ともにほぼ等量である。
    福岡県和泉の茶園土壌
    (1) 洪積層に由来する黒かっ色の腐植質土壌である。
    (2) 表層は腐植にすこぶる富み,中粒質で粗しょうであるが,下層は細粒質で重粘,ち密である。一般に表層では孔げきが多く,有効水分保持力がやや大きいが,下層では孔げきが少なく,有効水分保持力が小さい。
    (3) 置換性塩基に乏しく,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに低く,強酸性である。置換容量はやや大きく,20me前後である。
    (4) リン酸吸収係数は表層で2000程度で,吸収力が強いが,下層では係数が1200~1300で吸収力弱く,有効態リン酸はいずれも少ない。
    (5) アルミニウムの溶出量は,表層の腐植層においてやや多く,しかも置換性のアルミニウムに比し活性のアルミニウムが多い。
    佐賀県嬉野の茶園土壌
    (1) 第三紀層に由来する黄かっ色の鉱質土壌である。
    (2) 一般に腐植に富むが,細粒質で重粘,ち密である。特に下層において著しい。有効水分保持力は一般に小さい。
    (3) 置換性塩基に乏しく,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに低く,強酸性である。置換容量は表層では大きく,24~28meであるが,下層ではいずれも20me以下である。
    (4) リン酸吸収係数はいずれも1000前後で,吸収力弱く,有効態リン酸は表層に多く,下層には少ない。
    (5) アルミニウムの溶出量は,下層においてやや多く,しかも置換性のアルミニウムが多い。
    熊本県小峰原の茶園土壌
    (1) 火山灰に由来する黒色の腐植質土壌である。
    (2) 表層の腐植層はかなり厚く,中粒~細粒質で粗しょうである。腐植層下は重粘,ち密となっている。一般に固相が少なく孔げきが多く,かつ気相に比し液相が多く有効水分保持力も大きい。
    (3) 置換性塩基に乏しく,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに低く,強酸性である。置換容量は表層において特に大きく25me前後である。
    (4) リン酸吸収係数は3000前後を示すものが多く,吸収力はきわめて強い。有効態リン酸はいずれも少ない。
    (5) アルミニウムは溶出されやすく,かつ活性のアルミニウムが著しく多い。
    鹿児島県枕崎の茶園土壌
    (1) ガラス質火山灰(シラス)に由来する灰かっ色の土壌である。
    (2) 一般に腐植を含む表層は,粗粒質で粗しょうであるが,下層のシラス層はち密である。固相は比較的多いが,有効水分保持力はきわめて小さい
    (3) 置換性塩基はやや多く,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともにやや高く,弱酸性である。置換容量は10me前後であるが,シラス層ではきわめて小さい。
    (4) リン酸吸収係数は1000前後を示すものが多く,吸収力は弱い。有効態リン酸は他の火山灰土壌に比して多い。
    (5) アルミニウムの溶出量は,一般に少ないが,他の火山灰土壌と同様に活性のアルミニウムが多い。
    鹿児島県知覧の茶園土壌
    (1) 下層に黒ニガ,赤ホヤなどの火山灰層を有する黒かっ色の腐植質土壌である。
    (2) 表層は腐植に富み細粒質で,粗しょうであるが,下層は一般に中粒質で,ややち密である。水分保持力は一般に小さいが,下層に向かいやや増加している。
    (3) 置換性塩基は表層に少なく,下層に向かい増加しており,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに下層に向かって高く,酸性も同傾向で,下層では弱酸性である。置換容量は腐植層では25me前後で大きいが,その他では10me前後で小さい。
    (4) リン酸吸収係数は一般に大きいが,黒ニガ層では3000前後できわめて大きく,吸収力が強い。有効態リン酸はいずれも少ない。
    (5) アルミニウムの溶出量は,他の火山灰土壌と同様に活性のアルミニウムが多い。
    宮崎県都城の茶園土壌
    (1) 下層に明橙かっ色の火山砂礫層(コラ層)を有する腐植質土壌である。
    (2) 表層は腐植にすこぶる富み中粒質で,きわめて粗しょうであるが,下層は粗粒質で同じく粗しょうである。孔げきが多く水分保持力が大きい。
    (3) 置換性塩基が多く,置換性塩基飽和度,置換性石灰飽和度ともに高く,弱酸性である。置換容量は20me以下のものが多い。
  • 農薬散布と洗浄ならびに品質の関係ついて
    岡田 文雄, 木伏 秀夫, 玉木 佳男
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 74-80
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1959~1960年において農業薬剤の散布と生葉洗浄の効果について試験し,茶に対する薬剤の残留量ならびに品質への影響を調査した。供試薬剤はアンチピリクリンT-146および同じくT-1421,石灰イオウ合剤ならびにメチルパラチオン乳剤である。品質との関係はいずれも普通審査によって検討したが,残留量の測定はアンチピリクリンとメチルパラチオンの2薬剤についてのみ行なった。その結果は大要次のごとくである。
    1. アンチピリクリンの残留量は非常に少なく,T-1421については散布当日摘採区に2.8ppmが認められたが,生葉水洗によってこの50%が減少した。なお,品質においては洗浄の有無による差は明らかでなかった。
    2. 石灰イオウ合剤の場合は試験した範囲では,いずれの洗浄剤の場合も茶に薬臭が残り洗浄の効果は十分に得られなかった。
    3. メチルパラチオンはAverell-Norris法を改良し,回収率100%,誤差3%で茶葉中のメチルパラチオンを定量した。
    その結果,摘採当日散布区では洗浄によって38.4~67.2%が減少していたが,摘採2日前散布区では洗浄によってもほとんど滅少していなかった。また洗浄剤による洗浄効果はライポンF>カセイソーダ>水>塩酸の順であった。なお品質との関係ははっきりじた傾向がみられなかった.
  • 桑原 穆夫, 久保田 濃, 竹尾 忠一, 中野 不二雄
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 81-89
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The influences of the pre-drying conditions on the leaf temperature, the drying velocity, the oxidase activity in tea leaves and the qualities of black tea were investigated in the comparison between the tray-drying and the through-flow-drying method.
    The experimental conditions were as follows : The range of the drying temperature was 60°C-120°C and of the air current 800-2400 kg/m2 ◊hr.
    The through-flow-drying was superior to the tray-drying for promoting the drying rate, checking the fermentation in a short time and keeping the qualities of black tea.
    At the end of pre-drying, the leaf temperature rose to 37°C-65°C. and the oxidase reduced about 40% activity of the fermentation leaves.
  • 竹尾 忠一, 上島 雄次郎
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 90-95
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    ポリリン酸塩の紅茶の可溶成分の浸出量に及ぼす影響と,浸出液中の金属イオンに対する封鎖効果を検討した。
    1. ポリリン酸塩,4種の0.1~0.2%溶液のpHは6.8~9.6の範囲にあって,この溶液を用いた紅茶浸出液のpHは5.1~7.5の間にあった。
    2. ポリリン酸添加区の浸出液の水色濃度は,添加濃度の高いものほど濃くなり,浸出液中に溶存するタンニン,可溶分の量も増加していた。また,添加区の浸出液は無添加区に比較してクリームダウンが起こりにくかった。
    3. ポリリン酸塩を添加した場合の紅茶の滋味は,0.1%溶液区では対照区とほとんど差を認めなかったが,0.2%溶液区では異味を感ずるようになった。
    4. Fe塩の溶存する水にポリリン酸塩を添加し,茶のタンニンに対するFe塩の反応をみたが,この場合,添加,無添加区ともタンニンに対するFe反応には差が認められなかった。
    5. ポリリン酸塩のCaイオンに対する封鎖効果は顕著で,硬水で茶を浸出する場合,ポリリン酸塩添加区は無添加区に比較して浸出液の白濁も防止され,溶存するタンニン量の減少が効果的に防がれた。
    なお,この試験を行なうに当たり,種々御教示をいただいた,製茶第一研究室長,桑原穆夫技官および審査に御協力いただいた製茶第一研究室員の各位に深く謝意を表する。
    また,試験用の試薬を提供していただいた,田辺製薬KKおよび千代田化学工業所KKに厚く感謝する。
  • 戸井 文一, 前田 清一, 佐々木 裕, 鎌田 光雄, 小池 松平, 赤堀 博
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 96-99
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    緑茶製造工程甲にアルギニングルタメートを添加し緑茶の品質および栄養価の向上につとめた。その結果生葉に対しアルギニングルタメート0.3~0.5%を緑茶製造工程中のいずれの工程において添加しても原料生葉の産地,栽培方法,摘採時期にかかわらず上級緑茶にほぼ匹敵する風味を有するものが得られた。
  • 前田 清一, 佐々木 裕, 鎌田 光雄, 賀陽 武子, 赤堀 博
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 100-103
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    静岡県から代表的な茶生産地20地区を選び出し,そこで生産された一・二・三番茶のテアニン,グルタミン酸,全窒素およびタンニン含有量について検討し,その結果次の事柄が判明した。
    1. 良質茶ほどテアニン,グルタミン酸,全窒素含有量が多く,茶の品質とこれら成分とは密接な関係のあることを見いだした。
    2. グルタミン酸,全窒素は摘採時期がおそいほど減少した。
    3. テアニン含有量は各地区により非常に差が認められた。また摘採時期がおそいほど減少するが,その減少率は非常に高かった。
    4. タンニン含有量は摘採時期のおそいほど増加した。
    終わりに臨み試料を提供された静岡県茶生産農業協同組合連合会鈴木参事,また種々御協力下された丸和産業株式会社小池社長に厚く謝意を表します。
  • 岩浅 潔, 鳥井 秀一
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 104-108
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    As a substitute for the Löwenthal method for the determination of tea tannin, a colorimetric method using Mitchell's ferrous tartrate reagent was investigated.
    The reagent consisted of FeSO4 . 7H2O (100 mg.) and Rochelle salt (500 mg.) in 100 ml. of water. Tea tannin and ferrous tartrate produced a reddish violet color, having a maximum absorption at 540 mμ, which was most intensive in the buffer solution of pH 7.5. The absorbance of the colored solution was kept constant for 4 hours, and a slight decrease in absorbance was observed with the temperature rise of 20◊. Since the individual catechins gave different coloration and intensity with ferrous tartrate, the amount of tea tannin adopted was calculated by the Löwenthal method.
    The recommended procedure is as follows: The sample solution containing tea tannin is prepared by extracting powdered tea (100 mg.) with water (100 ml.) in a boiling water bath for 30 minutes and filtering. Five ml. of the sample solution and the same quantity of the reagent are transferred into a 25-ml. volumetric flask and filled to the mark with Sörensen's phosphate buffer (pH 7.5). Then the absorbance is measured at 540 mμ against a blank solution substituting water for the reagent, and the amount of tea tannin is determined from the calibration curve.
    The variation coefficient of the determination was about 2 %.
    By the continuous variation method, it seemed that an Fe reacted with one molecule of gallic acid, two of (-)-epigallocatechin, and three of (-)-epicatechin respectively.
  • 太田 勇夫, 鳥井 秀一
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 109-112
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶の硝酸態窒素の定量法を検討して,つぎの方法を設定した。
    茶粉末2gに熱湯150mlを加え,三角フラスコで1時間浸出し,200mlに定容する。ロ液150mlに塩基性酢酸鉛を加え,さらにアンモニア水で.pHを約9とし200mlに定容する。このロ液100mlをとり,リン酸水素ニナトリウムを加えて過剰の鉛を除きロ過,約25mlに濃縮し,これにアンバーライトIR-120(強酸性イオン交換樹脂)5gを加え,時々振とうしながら1~2時間放置する。ロ液を50ml共栓三角フラスコにとり,アンモニア水5mlを加え,さらに1%塩化マンガン溶液0.5mlと亜鉛粉末0.2gを加え,マグネチックスターラーで約20分間かく拌し,ロ過する。ロ液に濃塩酸を滴下(15~20滴)してpHを1~3とし,Griess-Romijn試薬0.3gを加え,35℃の温浴に10分間保ち,発色させ50mlに定容する。1時間後呈色液の522mμの吸光度を測り,ブランク値を差し引いて,検量曲線x=93,6y-0.57からNO3-の濃度(μg)を求める。
    この方法による回収率は平均値98.4%,測定の精度は変異係数で,浸出液4.03%,茶粉末5.45%であった。
  • 茶花粉からショ糖の分離について
    坂本 裕
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 113-114
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    以上の結果から判断して,今回茶花粉から得られた結晶性物質は明らかにショ糖であることが確認された。
  • ペーパークロマトグラフィーによるポリフェノールおよびカフェインの検索について
    坂本 裕
    1962 年 1962 巻 19 号 p. 115-117
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    サザンカおよびツバキのポリフェノールのクロマトグラムから考えて,茶葉のポリフェノールの特徴であるカテキン類のうち,共通に存在するのはl-エピカテキンおよび没食子酸のみであって,その他のカテキン類,特にエステル型の存在は認められない,さらにサザンカとッバキのポリフェノールの構成はきわめて似ているものの,茶葉のそれとはかなり異なっている。フラボ'ノイドはサザンカについてのみ同定を行なったが,茶葉とほぼ似た構成をもっていることが判明した。またカフェインは従来は茶のみに存在していて,'ツバキ,サザンカには存在しないように考えられていたが,今回の研究で両者ともにカフェインが存在することを確認した。
  • 1962 年 1962 巻 19 号 p. 118-125
    発行日: 1962/11/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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