日本胸部疾患学会雑誌
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25 巻, 3 号
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  • 久世 文幸
    1987 年 25 巻 3 号 p. 267-268
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 岡安 大仁, 吾郷 晋浩
    1987 年 25 巻 3 号 p. 269-311
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 栂 博久, 大谷 信夫, 黄 正寿, 高瀬 恵一郎, 福永 寿晴, 前川 裕, 桜井 滋, 松田 正史
    1987 年 25 巻 3 号 p. 312-319
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    努力呼出時口腔部で気流阻止を行い, その時の口腔内圧曲線から気道のつぶれやすさを測定する方法を考案した (黄ら). X線写真や気管支鏡所見から気管気管支のつぶれやすさがよくわかる例と慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 例にこの方法を適用し, choke point より下流の気道コンプライアンス (Cb) を計算して比較した. 気管が硬く狭窄している tracheobronchopathia osteochondroplastica 例では, 60%肺活量位 (FVC) でCbは0と計算され, 中枢気道がほとんどつぶれていないことが示された. tracheobronchomegaly 例では気管支鏡上気管は径が大きく咳や軽度の努力呼出で容易につぶれた. 本例のCbは40%FVCで1.45ml/cmH2Oと正常よりも大きかった. COPDでは (n=3), 50%FVCでCbは2.0~2.5ml/cmH2Oと正常 (50%で1.0ml/cmH2O) よりも有意に高値であり, 気道がつぶれやすいと考えられた. 本法はX線や内視鏡所見から予想された中枢気道のつぶれやすさをよく反映しており, 非侵襲的な検査法として有用である.
  • 戸島 洋一, 国友 史雄, 沖田 伸也, 巽 浩一郎, 木村 弘, 栗山 喬之, 渡辺 昌平, 本田 良行
    1987 年 25 巻 3 号 p. 320-327
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    高CO2血症を呈する慢性呼吸不全12名を含む19名の患者に炭酸脱水酵素阻害剤である acetazolamide (Diamox ®) を投与し, その前後 (平均11.6日後) における血液ガス, 低酸素・CO2換気応答を検討した. また著明な睡眠時呼吸障害を認めた8例で前後の Sleep study を施行した. 高CO2血症の存在した12例中9例で血液ガスが改善した. 安静時換気パラメーターでVT/TI, VI, 低酸素化学感受性 (ΔVI/ΔSaO2), CO2化学感受性(ΔP.2/ΔPCO2) で有意な増加がみられた. Sleep study では無呼吸 index, 無呼吸の合計時間, NREM期におけるSaO2最低値に改善がみられた. acetazolamide は代謝性アシドーシスを介して呼吸刺激作用をもつため, アルカリ血症に傾いている呼吸不全症例で血液ガスの改善, 睡眠時呼吸障害症例で無呼吸・SaO2低下の改善をひきおこし, 症例により有用であると思われた.
  • 血液ガス及び心電図所見との関連について
    横山 彰仁, 沢崎 茂樹, 朝日 寿実, 由井 米光, 水島 豊, 山下 直宏, 矢野 三郎
    1987 年 25 巻 3 号 p. 328-333
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    近年右室負荷を非侵襲的かつ簡便に検出できる検査法として, 心筋血流量を反映するタリウム-201心筋シンチグラフィーが高く評価されている. 今回我々は, 慢性肺疾患21例にシンチを施行し, 本法で検出される右室負荷と, 1) 心電図, 2) 血ガス所見との関連を検討した. 1) 右室描出に対し, PII≧0.25mV, QRS電気軸≧90°, RV5(V6)≦0.5mV, R/SV5(V6)≦1.0, 移行帯の左方偏位, V1qR, 明らかなSIが特異的な所見であり, 合致する基準の増加に伴いTAR値が低下する傾向を認めた. 2) 右室描出陽性群は陰性群に比べ有意にPaO2が低く, PaCO2が高く, AaDO2が開大していた. PaO2≦70TorrあるいはPaCO2≧45Torrを示す例は全例描出が認められ, TAR値とPaO2, PaCO2値は各々有意な相関, 逆相関関係を認めた. これらの結果より, PaO2, PaCO2はともに右室負荷と密接に関連していることが示唆された.
  • 斉藤 達也, 小林 英夫, 菅間 康夫, 玉城 繁, 北村 諭, 大原 務, 福島 鼎, 川井 俊郎, 斉藤 建, 檀原 高, 吉良 枝郎
    1987 年 25 巻 3 号 p. 334-340
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    非含気性の病変が胸壁と接触面を形成すれば, その接触面は acoustic window となり, 胸部疾患に対する経胸壁的な超音波断層法の応用が可能となる. 本法を駆使しうれば, X線学的アプローチではその詳細を分析しえない肺内外病変及びその周囲臓器との関連を描出しうる. 縦隔腫瘍は, この種の病変の代表例である. 本報は, 縦隔腫瘍31例を対象とした超音波断層像と超音波ガイド下吸引生検の成績についての報告である. 超音波断層法により, 縦隔腫瘍の手術標本での出血, 壊死, 石灰化及び嚢胞などの肉眼的病変とほぼ対応する断層像を入手しえた. しかし, 超音波断層像の所見のみから縦隔腫瘍の病理組織学的診断を下すことは, 嚢胞型奇形腫は別として困難な症例が多かった. 超音波ガイド下吸引生検により, 22例 (71%) で診断に有用な病理学的情報が得られた. 特に発症頻度が高くかつ多彩な病理像を呈す上・前縦隔腫瘍では, 診断的意義が高かった. 合併症は, 報告されているX線透視下やCTガイド下の針生検などに比し少ない. 本法は縦隔腫瘍に対する有力な診断的方法と評価しうる.
  • 滝口 裕一, 橋爪 一光, 篠崎 克己, 安田 順一, 半澤 儁, 門山 周文, 岡本 一也
    1987 年 25 巻 3 号 p. 341-349
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性肺胞内出血 (以下DPH) の3例を提示し, DPHにおける気管支肺胞洗浄法 (以下BAL) の診断的意義について検討した. 3症例ともBAL, TBLBにより診断後, ステロイドのパルス療法を行ない, 2例は著明に肺病変の改善を認めたが, 1例は血漿交換を併用するも効果なく死亡した. 3症例のBALF中赤血球濃度はそれぞれ, 208, 134, 30×103/mm3, ヘモグロビン濃度はそれぞれ, 0.62, 0.40, 0.20g/dlであり, 対照症例の平均赤血球濃度, 1.7±1.7×103/mm3, 平均ヘモグロビン濃度, 0.026±0.019g/dlに比べ著しく高値であり, これはBALFの肉眼的観察でもはっきりと鑑別できるものであった. また, DPH症例のBALF中より, 担鉄マクロファージを高率に証明した. 重症の呼吸不全患者においても, BALはTBLBよりも比較的安全に施行する事ができ, DPHが疑われる患者に第一に考慮されるべき検査法と思われた.
  • 宇佐美 郁治, 加藤 政仁, 黒木 秀明, 林 嘉光, 花木 英和, 武内 俊彦
    1987 年 25 巻 3 号 p. 350-355
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    無気肺を伴った肺癌に対する超音波断層法の有用性につき検討した. 胸部X線, CTでは無気肺と腫瘤の識別は困難である. 無気肺影内部の腫瘍の大きさ, 腫瘤の内部の壊死巣の検出に本法は通常のX線検査と比較し有用であった. またこの様な症例を経過観察する場合に, 化学療法, 放射線療法などの効果判定に有用であった. しかし無気肺の胸壁に接する面積が小さいときは, sonic window が十分でなく, 内部の一部しか観察できないこともあり, 従来の検査法に本法を加え総合的に判断することが重要と思われる.
  • 杉山 幸比古, 工藤 翔二, 徳永 勝士, 前田 平生, 高久 史麿
    1987 年 25 巻 3 号 p. 356-359
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性汎細気管支炎 (以下DPB) は, 体質性素因に基づいて発症する可能性が考えられている. 著者らは既に, HLA-Class I抗原の検討で, DPB患者はBw54を有意に高率に持つ事を報告したが, 今回はさらにHLA-DR抗原および補体系多型について検討を行った. その結果HLA-DRではDR1または4を持つ例の増加がみられたが, 特定のDR抗原との有意の相関はなかった. また, 補体系多型の検討では, C4B*5の有意の上昇がみられたが, C4B*5はBw54を含む日本人特有の extended haplotype を形成する事よりBw54との相関のあるDPB患者では, 当然増加する事が考えられる. 以上よりDPBはDR抗原との関連はうすくBw54またはBw54を含む haplotype と相関を有する疾患である事が示唆された.
  • 奥村 典仁, 寺町 政美, 岡田 賢二, 伊東 政敏, 井上 律子, 小林 君美
    1987 年 25 巻 3 号 p. 360-364
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    患者は63歳女性で, 右下肺野の異常陰影にて当院を受診した. 肺癌の診断で右下葉切除術を施行した. 組織学的検索にて, 腫瘍は腺癌であり, 同時に腫瘍内および局所リンパ節内に, 壊死巣のない類上皮細胞性肉芽腫を伴っていることが判明した. 臨床経過および検査所見より, 全身性サルコイドーシスを支持する根拠は認められず, 肺癌に伴った原発腫瘍内および局所リンパ節内のサルコイド様反応であると判断した. 腫瘍内および局所リンパ節内に同時にサルコイド様反応を認めた肺癌症例は, 内外共にいまだ報告がないように思われる.
  • 中野 義隆, 高松 健次, 宮本 修
    1987 年 25 巻 3 号 p. 365-370
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    オウム病は, Chlamydia psittaci を病原体とする呼吸器感染症であるが, 重症例では呼吸不全を呈しさらに心, 腎, 膵など肺以外の諸臓器の障害を伴うことがあり死亡例も報告されている. 著者らは重症呼吸不全, DICを伴いさらに筋炎合併の可能性も考えられた劇症オウム病の1例を経験し救命しえたので報告する. 症例は52歳の女性で発熱, 四肢脱力及び構語障害を主訴に入院した. 胸部レ線上, 両側広汎な肺炎像を呈しPaO2 40.6torrと著明な低酸素血症を認め, さらに経過中にDICも併発した. また当初より四肢筋力の著明な低下や構語障害が存在したほか, CPK, アルドラーゼ及びミオグロビンなど筋由来物質の血中濃度上昇をみたことより筋炎合併の可能性も極めて強いと考えられた. 人工呼吸管理のもとにミノサイクリンを主体とする化学療法をおこなった結果, 臨床症状や胸部レ線像の改善をみた. DICに対してはヘパリン, FOYが奏効した. 感染源として入院1ヵ月前より飼育し, 患者の発症と前後して死亡したインコが考えられた. なお経過中に結核性胸膜炎を発症したが, RFP, INH及びSMの3者治療にて改善した.
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