DPBにおけるエリスロマイシン (EM) の有効性の機序を検討する目的で, EMの好中球の活性酸素産生に及ぼす影響を in vitro で検討した. その結果, EMは, FMLP誘導性の化学発光を, 濃度依存性に抑制し, EM濃度25μg/mlでは, 45.3±5.6% (n=7)抑制した. その抑制作用の発現は速やかで, 5分で60分における抑制率の62.1%の抑制が認められた. その抑制活性は温度に依存し, 且つ, 可逆的であり, 37℃では認められるが, 0℃では認められず, 好中球の能動的な代謝に依存することが判明した. また, EMは, FMLP, OPZ, A23187誘導性の化学発光は著明に抑制するが, PMA誘導性の化学発光に対する抑制作用は軽微であり, EMは好中球のCa
2+依存性の過程を阻害することによりその薬理作用を現わす可能性が示唆された. これらの結果は, DPBにおける, EMの有効性が, その抗炎症作用に由来する可能性を支持するものと思われた.
抄録全体を表示