家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
6 巻, 3 号
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  • 西田 司一, 望月 公子, 塩田 俊朗
    1961 年 6 巻 3 号 p. 91-92
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    P32投与実験の成鶏精巣のHEIDENHAIN鉄へーマキトシリン•ライトグリーン染色標本において,所々に精細管基底膜疎性となり,甚しい時は一部欠損を来し,間質は拡大しその結合組織は疎となり大空隙を生じたものが認められた。かかる間質およびその附近の間質内に1~2個から10数個集団をなした形態的に精子頭部に酷似する糸状体を発見した。このものはFEULGEN反応陽性であり精子頭部と考えられるが,頭部構造は明らかでなく,尾部の認められる場合は極めて稀であつた。間質内および精細管基底膜欠損部には精子を含む種々の階程の精細胞が見られ,欠損部附近の精細管内の精上皮の配列は乱れ,間質内の精細胞核には屡々核溶解像が認められた。かかる現象はP32投与鶏対照鶏いずれにおいても,また材料採取方法について見るとbiopsy,autopsyのいずれにおいても認められた。
  • 第1報直腸検査法による観察,特に周期的変化の四型について
    本間 惣太, 須川章夫
    1961 年 6 巻 3 号 p. 93-96
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    i) 21頭の乳牛で卵巣の周期的変化について直腸検査法により観察した結果,18~25日の周期日数を示した卵巣周期104例の周期的変化に四型が区別されることを認めた。即ち
    I:基本型
    II:閉鎖性大形卵胞の出現する型
    III:黄体の中心腔液吸収不全を呈する型
    IV:II,IIIの混合型
    ii)卵巣周期104例中第1型19例,第II型61例,第III型8例,第IV型16例を認めた。
    iii)個体によつては第II型または第IV型を頻発する傾向のあるもの,および四型中の種々の型を発現するものがある。
    iv)周期日数は四型の間で大差ない。
    v)季節,年令,分娩回数,分娩後の経過日数が四型に如何なる関係を有するかは未だ明らかでない。
  • IV.就巣現象との関連について
    中条 誠一, 今井 清
    1961 年 6 巻 3 号 p. 97-99
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1.就巣期に入ると,前葉のGT含量は産卵•休産時に比べてかなりの減少をきたし,更に就巣期間の進行につれて前葉GT量は一層低下して行き,就巣14~16日目頃は就巣5日目に比べて著しいGT含量の落下が認められる。
    2.就巣中絶処理によつて離巣した鶏では前葉GT量のかなりの恢復が認められ,GT量の増加と離巣とは密接に関連していると思われる。
    3.就巣後期を除いては,前葉GT含量における変動は主としてcephaliclobeでのGT量の増減に負う所が大きいが,ただ就巣後期のみは,cephalicにおいてもcaudalにおいても著しいGT量の減少が認められ,これは極めて特徴的なことと言う事が出来る。
  • V.産卵鶏の前葉含量における日内変化について
    今井 清, 中条 誠一
    1961 年 6 巻 3 号 p. 100-102
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1. 白レグ産卵鶏前葉を1日の間で経時的に採取し,放卵時刻からの時間的経過によつて7実験群を設け,そのGT力価を検定した。雛検定法を使い,その力価の表現には睾丸重量増加率,前葉含量の評価には雛単位(C.U.)を夫々用いた。
    2. 検定の結果,産卵鶏の前葉GT含量には日内でかなりの変動がある事を確認した。この変動は,排卵前3~4時間頃を最高,排卵時直前頃を最低とした波である。更に,排卵前3~4時間の最高点から排卵直前時の最低点に至る迄は,短時間の間に急激なGT含量の落下があり,一方,最低点から最高点に至る迄は長時間の間に徐々に含量が高まつてくるものと認められる。
    3. この様な産卵鶏前葉GT含量にみられる1日の間での変動は,排卵に関連してひきおこされる現象である事を確かめ,更に排卵を誘起させるに必要なGTが前葉から一時的に大量に放出される時間について論議した。
  • 斎藤 千寿男
    1961 年 6 巻 3 号 p. 103-105
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 渡嘉 敷綏宝
    1961 年 6 巻 3 号 p. 106-108
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1.山羊2頭についてProgesterone(110mg)前処理後PMS(500~1,000IU)を応用して非繁殖期に人工的に発情及び排卵を誘起させる実験を行つた。PMS施用の翌日発情したので種付したところいずれも受胎し正常に分娩した。
    2.これらの山羊は分娩後秋の繁殖期に発情を現わし,種付したところ受胎,分娩を結果した。このことから非繁殖期における人工発情,妊娠分娩は次の繁殖期の発情を何ら妨げるものでないことが察知され,1年2回生産の可能性が認められる。
    3.人工発情による分娩後の泌乳量は前年の通常発情による分娩後の泌乳量に比較して若干低下しているが,その主なる原因は分娩後の盛乳期に妊娠したためと推測される。この場合約6ケ月にわたり日量1.4及び1.6kgの山羊乳が生産されることは人工発情のもたらした効用といえる。
    4.生産された仔山羊の発育は生後3ヵ月間観察した結果概ね良好である。
    以上のことからProgesteroneとPMSの応用によつて非繁殖期の繁殖が期待出来ることを知つた。併しPr-ogesterone6日間の連続注射は実用的でないので,その注射期間及び用量をPMSの用量と共に更に実験を継続して検討したい。終りに臨み御校閲を賜わつた東大星冬四郎教授,御助言を頂いた関東々山農試畜産部吉岡善三郎技官に深謝の意を表する。
    なお本実験は琉球種畜場松田平信,岡田潤治両氏の協力の下に行つたもので,併せて謝意を表する。
  • 堅田 彰, 八幡 林芳, 武田 功, 美済津 康民
    1961 年 6 巻 3 号 p. 109-110
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1. 供試したコリデール種雌緬羊は発情予定日の4日前より毎日プロゲステロンを10mgづつ注射して発情周期を調整した。
    2. 多排卵を誘起するために採卵用の緬羊は発情予定日の1日前に妊馬血清1500I.U.を注射し,各個体の卵巣に3個づつの排卵が認められた。
    3. 発情開始後74時間経過してから,採卵個体は外科的な手術を行いその輸卵管からリングル氏液の灌流法で採卵した。採取卵は約1.5時間室温に放置された後,被移植卵個体に外科的な方法により子宮角と輸卵管の移行部へ移植された。
    4. 採取卵数は2個で,いずれも16細胞期の受精卵であつた。
    5. 受精卵2個を移植された1頭の被移植卵羊は雌の単仔を正常分娩した。
    6. 移植受精卵によつてうまれた仔羊は正常の発育を示した。
  • 武田 晃
    1961 年 6 巻 3 号 p. 111-112
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 第1報山羊における試験
    安田 泰久, 保坂安 太郎
    1961 年 6 巻 3 号 p. 113-115
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    山羊を実験材料として,P.M.S.を74日間注射し,アンチホルモン生産を実験して,次の結果を得た。
    1) 毎週注射山羊(500i. u.毎週)血清中に58日以降アンチホルモンの生産が窺われた。
    2)アンチホルモンの生産は,P.M.S.では,注射方法の差よりも注射用量に影響される様で,その持続性はそれ程長くたい亀のと思われる.
    3)アンチホルモンの生産と黄体活性との関係は更に検討する必要があろう。
    4)下垂体のBasophile細胞の増加と血清r一Glob-ulinの増加がアンチホルモン生産山羊でみられたが,今後の検討を必要としよう。
    御指導戴いた東大小林隆教授,新谷昇治博士,岩大三浦定夫教授,大島寛一助教授,並びに日頃御鞭燵戴いている東大名与教授佐々木清綱博士に感謝の意を表します。
    又,使用したホルモンを提供された東芝製薬に対して感謝します。
  • その2 永久黄体除去に関する研究
    長坂 隆, 小野 元雄
    1961 年 6 巻 3 号 p. 116-118
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 発情黄体除去に関する研究 その1
    長坂 隆
    1961 年 6 巻 3 号 p. 119-120
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 本間 運隆, 加藤 俊三
    1961 年 6 巻 3 号 p. 121-122
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    Progressive changes in chemical composition of fowl's ova during the rapid phaseof growth were investigated. Drastic alterations in N/P ratio and in NaCl-Ac turbidity occurred as the ovum enlarged from 0.1 to 2. 0g in fresh weight, while the values of these two parameters kept unchanged during further enlargement until ovulation. The influence of higher N/P ratio of primordial yolk (Table 1) was too small to induce noticiable difference among the N/P ratio of inner, middle and outer layers of mature ovum, hence primordial yolk accounted for less than 0.4% of yolk solid in the mature ovum.
    It may be concluded that gross composition of egg yolk is rather uniform despite the fluctuations in plasma lipoproteins during egg laying period, of which we have reported in the previous paper.
  • 菅原 七郎, 福井 俊彦, 小高 順子, 梅津 元昌
    1961 年 6 巻 3 号 p. 123-126
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    子宮内が嫌気的か好気的であるかを知るためにラット子宮について発情期,発情休止期,卵巣剔出,プロヂェステロン処理の各条件下における酸素分圧を酸化還元指示薬(還元型メチレン青)法とミクロ電極法によつて測定した結果次の通りの成績が得られた。
    1) 指示薬法とミクロ電極法で得られた結果はほぼ同様な傾向を示した。
    発情期における,還元型メチレンブルーの酸化速度は3.3分と,他の条件時の値と比較して最も速い。このことは酸素分圧が発情期に最も高いことを示唆する。一方ミクロ電極法においても発情期の酸素分圧は平均51.3mmHgで最も高い値であつた。
    2) ラット子宮内の酸素分圧は卵巣の剔出によつて全くなくなる。しかし, progesterone処理によつて,又子宮内の酸素分圧が休止期の分圧とほぼ同じ位に依復する
    3) 発情期における酸素分圧は動脈血中(78mmHg)の約5/8であつて,動静脈差(44mmHg)と動脈子宮差28mmHgを比較してみると動脈子宮差は動静脈差よりも小さい。従つて,子宮内腔でのガス交換は非常に効率がよいと言える。
  • 今道 友則, 江藤 禎一
    1961 年 6 巻 3 号 p. 127-130
    発行日: 1961/02/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    Effects of sheep ICSH (LH) on the reproductive system of hypophysectomized immature male rats were studied. The assay method used was in accord to that recommended by Greep et al. (14). The animals were hypophysectomized at 23 days of age and the hormone solution was injected once daily, begining at 2 nd day postoperative, for a period of 4 days. They were autopsied 24 hours after the last injection. Sheep ICSH (LH) used was stated to containe traces of FSH and TSH and to be approximately 85% pure by electropholetic analysis. One mg of this material did not stimulate the follicular development in hypo-physectomized immature female rats (18).
    A 100% increase in the average weight of the ventral prostate gland above that of the hypophysectomi-zed control was obtained by a dose of 40γ of the hormone. A large dose of ICSH (2mg) effected about a 200% increase in the weight of the gland. For convenience in comparing of gonadotrophic activity between gonadotrophic substances, we devised the prostate unit. we define one prostate unit (Pr. U.) as the amount of the gonadotrophin which will give a 100% increase in the average weight of the ventral prostate gland in hypophysectomized immature rats above that of the hypophysectomized controls. No effect on the wei-ght of the seminal vesicles (including the coagulatory glands) was observed by large doses of ICSH. About 50% or more increase in the average weight of the epididymides above that of the control was obtained at dose levels 25 to 50 Pr. U., With increase of the dose of hormone, the marked hypertrophy of testes was resulted. Two milligram of ICSH (50 Pr. U.) caused a 200% increase in testicular weight, and produced the primary spermatocytes in the tubules and the slight stimulation of the interstitial cells.
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