大動脈はWindkessel model, 大動脈内で拡張したバルーン形状は円筒形, 等の仮定をおくと, 種々解析の結果, IABP施行中の大動脈内バルーン容積は次式により表現しえた. VB(t)≒(LB/L){C(t)・ΔP(t)+ρ(L/Z0)
2・ΔZB(t)}. ここでLBは大動脈内バルーンの長さ, Lは胸部縦軸方向電気的インピーダンス測定区間距離, ρは血液比抵抗, Z0は測定区間平均インピーダンス, C(t)は大動脈コンプライアンスであり, またΔP(t), ΔZB(t)はそれぞれバルーン拡張に基づく大動脈内圧変化とインピーダンス変化を示している. この理論に基づき著者らは“IABP MONITOR MODEL-1”なる機器を開発した. これはΔP(t)とΔZB(t)を正確かつ迅速に求める機能をもっている. 結果として大動脈内バルーン容積の経時的変動が求められ, さらに二つの異なったIABP装置における大動脈内バルーン作動状態の相違をも把握することができた.
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