補助循環に用いられる人工肺等の血液停留部を簡便に評価する方法を考案し, その検討を行った. 電導性の低い逆浸透精製水(3.5μS/cm)にて2.01/minで潅流されている被検体流入部に, 電導性の高い生理食塩水(16,050μS/cm)10mlを1秒間で注入し, 被検体流出部で電導度計により生理食塩水の排出される時間を測定した. 予備実験では, 生理食塩水が検出されてから最大濃度の1/4まで降下する時間(t
1/4)は, 停留部が多く存在している検体ほど長く, 血液停留部の簡便な評価が可能であると考えられた. 抗血栓コーティング処理が施された人工肺Univox-Gold, Maxima-CB 1380, Capiox-II 50 (H)を用いて, t
1/4を比較すると, Univox 11.2秒, Maxima 20.2秒, Capiox 16.8秒であった. このことから, Univoxがこれらの中では最も血液停留部が少なく, 次いでCapiox, Maximaには多くの停留部が存在すると示唆された.
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