人工臓器およびディスポーザブル医療用具に使用される高分子材料について, 100℃30分水中における溶出物を測定したところ, テフロン, ダクロン, 高密度ポリエチレン, ポリプロピレン, ハイドロンは有機物および無機物の溶出が殆どなかった.
渥美, 桜井, 井街が山羊を実験動物として, 最大111時間使用した塩化ビニル樹脂製入工心臓について, サック, カニューレ部の可塑剤(DOP)の溶出を全反射赤外吸収スペクトル法により, 塩化ビニル樹脂の内外面のDOPの含量比の減少で測定した. 結果は表3のとおりで, DOPの溶出は少なく実験誤差の範囲内であった.
また, 医用塩化ビニルの可塑剤の各種フタル酸エステルについて, 急性および慢性毒性, 血液に対する影響, 催奇形, 体内蓄積の文献を紹介し, 若干の実験結果と共に考察を行なった.
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