心臓ペーシング(電気刺激)は単に徐拍に対してだけではなく, 各種の頻拍に対しても用いられるようになり, それが単に治療に効果があるだけでなく, 頻拍のメカニズムを明らかにするという副産物を生んでいる.
re-entryメカニズムによる発作性上室性頻拍を, 1または2個の単一パルスあるいは高周波(100/secの頻数のパルスburstを50~250msec間)心房刺激や, A-V delay 30 msecの特殊な心房同期型ペースメー力による心室刺激で治療することが行われたが, 全例とまでいかなくても, 67~93%の場合に頻拍発作の停止をみることができ, 薬物抵抗性の頻拍症の治療の一つの大きな武器となることが期待される.
またこれらはWPW症候群のみならず, あるタイプの心室性頻拍に対しても有効である.
このようなペースメーカを植込み型とし, 臨床症例に植込んで経過を観察しているが, 植込み手術直後に頻拍発作をみた1, 2があっただけで, 頻拍抑制効果があることを認めている.
著者のこの講演に対し, 岩喬氏が討論を行ったので, あわせてここに掲載し, 読者諸氏の参考に供したい.
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