人工股関節は人体の骨と固着させる方法から二つの型に分けられる. その一つは骨セメントを用いる方法であり, 他はこれを使用しない形式のセメントレスタイプである. そして昨今後者が盛んに使用されるようになってきたが, なおlooseningに関連して構造や手術手技上いくつかの問題点がある. そこでこれらを解決する試みを行った. 方法としては剛体-バネモデル, 力学的ならびに病理組織学的検索さらにCMRなどを用いた. その結果ソケットのスパイクが十分骨中におさまること, さらに寛骨臼内への角度は水平面に対し約35°であること, ステムは太く, 髄腔内でpress-fitする長めのものが適当であること, また小転子上で骨皮質を8mm残し, 水平面に対し35°の角度で骨頭を切除するのが適当であることなどを知り, 従来の型を改良したY II型人工股関節を開発し, これを臨床に応用した.
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