1971年11月から1973年10月まで毎月1回定期的に富山新港貯木場 (St.4, 5) , 整理場 (St.3) および整理場出入口 (St.2) の4地点と, 対照として港外 (St.1) に1地点の計5地点について, 陸水学的調査を行なった。調査項目は, 理化学試験として, 気温, 水温, pH, 透視度, SS, COD, DO, 塩分濃度を, 細菌学試験として, 一般細菌, 大腸菌群 (MPN) を, 生物学的調査として, プランクトン, ベントスについて行なった。調査結果を要約すると次のようであった。
(1) St.3~5は水深1.5~2mで浅いため, 水温の年間変動は気温のそれとよく一致した。新堀川, 東部主幹排水路からの陸水の流入により, pH, 塩分濃度はSt.1に比べて低く, また表層水が下層水より低く, 塩水楔を形成していることがわかる。透視度, SS, COD, DOについては, 汚濁の傾向が認められたが, 表層水と下層水の差はほとんど認められなかった。
(2) 一般細菌, 大腸菌群 (MPN) については, St.1は1972年5月に, St.2~4では73年9月に, St.5は73年1月に最高値を示した。St.2は流入河川および通船の影響により他の地点より1オーダ高くなっていた。
(3) プランクトンについては, St.2を除けば淡水性の植物プランクトンは少なく, 汽水性のケンミジンコ類, 輪虫類が多くみられた。特にSt.4, 5は水変りを起すほど大量にみられた。ベントスはDOとの関係か, St.2以外はほとんどみられなかった。出現する生物相としては, 二枚貝, 多毛類, ヨコエビ類が多かった。以上の結果から, 貯木場および整理場は海域の環境基準のC類型にかろうじて該当し, これを新港々内の水質 (COD1~4ppm, DO7ppm以上, B類型) に比較すれば, かなり汚濁が進行していることが判明した。アカイエカ類が多数発生している東京営林署猿江貯木場のCOD114ppmに比べればまだ清浄ではあるが, このまま汚濁が進行すれば将来同様な状態になることが懸念され, 早急に汚濁防止対策の樹立が必要である。
本論文の要旨は, 第10回日本水処理生物学会 (於昭和48年10月奈良) において一部発表した。
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