1) 台湾, 台東市郊外知本温泉付近で得た308個体を調査した。
2) ケイ殻は披針状で, 両端部は突出している。ケイ殻の外形が左右不相称の個体 (20.9%) と相称の個体 (79.1%) に2分できる。
3) 両側縁は湾出するもの (81.9%) , ほぼ平行なもの (13.2%) , 片方の側縁湾出, 他方がほぼ真直 (4.9%) に3分できる。
4) 両端部は頭部状突出 (82.6%) , 嘴状突出 (14.1%) , 片方頭部状, 他方は嘴状 (3.3%) に3分できる。
5) 中央部に特に短かい横条線のないもの (90.7%) , 腹側にある (6.3%) , 背側にある (2.0%) , 腹側・背側の両方にある (1.0%) の4区分できる。
6) 先端部横条線はほぼ平行 (72.4%) , ほぼ放射状 (18.1%) , ほぼ収れん (9.5%) に区分できる。
7) 中心域は殆んど拡がらないもの (87.5%) と, 少し拡がるもの (12.5%) がある。
8) ケイ殻長10.5-19.5μm, 幅3.5-5μm, 10μm間の横条線密度, 中央部19-24本, 両端部21-26本
9) 上の諸形質の殆んどは
Cymbella microcephalaの原図に表現されており, 計測値も大差ないので同種と同定するべきである。
10)
Cymbella minurculaは1875年記載され, 1880年記載された
Cymbella microcephalaと同一と考えられるが, 従来の慣例に従って
Cymbella microcephalaを用いる。
11) 本種は世界広汎種で, 広分布しており, ときどき優占種になる。弱アルカリ性, 貧栄養性で, 高酸素水の指標種として重要である。
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