超音波内視鏡(EUS)が診断に有用であった壁外性胃平滑筋肉腫の2例を経験した。症例1は,75歳,女性,右側腹部痛,悪心,嘔吐にて当科受診。腹部超音波検査およびCT検査にて胃壁に接した充実性腫瘤を認めた。胃内視鏡検査で胃体中部より前庭部に隆起性病変を認め,EUSを施行した。症例2,49歳,女性,腹部超音波検査にて肝左葉下面に充実性腫瘤を認めた。胃内視鏡検査で胃体下部に隆起性病変を認め,EUSを施行した。EUSでは,2例ともに胃壁第4層から壁外性に発育する粘膜下腫瘍であった。胃切除術を施行し,病理診断はともに胃平滑筋肉腫であった。EUSは,胃粘膜下腫瘍の診断に関して,胃壁構造の識別から発生部位の推定が可能であり,また胃外圧迫との鑑別も容易であり,有用であるが,良悪性の鑑別は困難であると思われた。
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