杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
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ISSN-L : 0368-5829
48 巻 , 4 号
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原著
  • 森 数美
    2017 年 48 巻 4 号 p. 119-127
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー

     脳機能画像研究において、単極性うつ病では前頭葉の血流低下を示す報告が多いが、臨床症状と局所脳血流との関連は明らかではない。本研究では、精神運動抑制の顕著な単極性うつ病を対象に99mTc-ECD脳血流SPECT検査を施行し、症状の評価尺度にHamilton Depression Rating Scale(HDRS)を用いて、脳血流との関連性について検討した。その結果、精神運動抑制群は健康対照群に比較し,左中前頭回を含む両側前頭葉の広範囲の領域で有意の血流量低下がみられた。前頭葉の局所における血流量比とHDRS下位項目の得点との関連では、右の前部帯状回および下前頭回の過活動と精神運動抑制に関わる症状との間に、高い正の相関がみられた。以上より、単極性うつ病における精神運動抑制群の症状は、左背外側前頭前野に位置する中前頭回の機能低下と関与していることが示唆された。また、単極性うつ病の精神運動抑制群における認知や行動そして情動面の症状は、右前部帯状回および右下前頭回の機能の障害と関連があることが示唆された。

症例報告
  • 深澤 友里, 土岐 真朗, 後藤 知之, 吉田 翼, 太田 博崇, 落合 一成, 権藤 興一, 渡邉 俊介, 岡野 尚弘, 倉田 勇, 小暮 ...
    2017 年 48 巻 4 号 p. 129-136
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー

     症例は,2016年1月に特発性脾被膜下出血後の膿瘍形成及び急性膵炎にて緊急入院となった50歳代男性。退院後,1ヶ月で膵炎の再燃がみられ,入院となった。膵炎に対しては禁食,補液, 抗菌薬, 蛋白分解酵素阻害薬の投与を行い軽快したが,造影CT,造影MRI検査で,膵体尾部に膵実質より造影・増強効果の乏しい腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行した。病理所見は,腺癌であり,膵体尾部癌cT3N0M0 stage IIAの診断で,膵体尾部脾合併切除術を施行した。術後補助化学療法として,S-1を4 コース施行後,現在に至るまで約1年間再発なく経過している。本症例のように,短期間で膵炎を繰り返す症例では膵癌の合併を念頭に,様々なmodalityを用いて迅速な精査を行う必要があると考えられた。

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