精神科外来において, 心理検査のはたす役割は, ますます重要になりつつある。特に, 外来で精神内界の葛藤を治療するに際して, 現実に, すべての病者に積極的精神療法を行ない得ない事からして, 治療の経過を知る一つの手段としても, ただ病者の訴えの変化だけを知るだけでは充分でないようである。われわれは, 外来での治療の初期と, 終了時に心理検査を行ない, 病者の訴えと並行させて心理検査結果を利用し, より確実な病者の精神内界の動きの経過を知り得たので, 症例をあげて報告する。尚, この論文では再心理検査の重要性を治療の面から強調した。
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