衛生動物
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18 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1967 年 18 巻 4 号 p. Cover6-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 加納 六郎, 篠永 哲
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 195-212
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    オルセリア, ピレリアおよびダッシフォーラの3属に属する蝿は, 青緑色をしており, クロバエ科のキンバエ族によく似ている.日本においては, ミドリハナバエ, エゾタカネミドリハナバエ, コミドリハナバエ, およびセスジミドリハナバエの3属4種が今日までに報告されている.今回著者らは, 日本未記録のOrthellia属3種を加え, 7種の検索表を作り, 各種について記載を行なつた.
  • 大島 司郎
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 213-215
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    一般家屋の床面とくにその室内塵が自由生活性のダニの固有生活圏になつていることは, Voorhorstら(1964)と大島(1964)によつて明らかにされた.電気集塵器で採集した室内塵を有機溶媒浮遊法によつて処理してダニを抽出した.9つの学校と2つのアパートにつき調査したところ, 室内塵1g中のダニ数は学校における平均, 20.5, 2つのアパートではそれぞれ296.9, 222, 3であつた.なかでもDermatophagoides pteronyssinus, D. farinae, D. sp. A, D. sp. Bが多くえられた.Dermatophagoides属のダニは種々の医学的重要性をもつことが判明してきており, とくに室内塵喘息患者に重要なアレルゲンとなつていることがVoorhorstら(1964)によつて証明された.この報告は第11回太平洋学術会議(1966)における医学的ダニ学と昆虫学協議会で報告した.
  • 佐々 学, 大島 司郎, 松本 克彦, R. N. Sinha
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 216-217
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    日本産の重要な食品害虫の一つであるケナガコナダニにたいして, わが国では浅沼(1949, 1950)以来Tyrophagus dimidiatus (Hermann, 1804)が採用されてきた.この問題につき疑問をもつたわれわれは種々検討した結果, Hughes (1961)のTyrophagus属のもつとも新しい分類にしたが, ケナガコナダニの学名にはTyrophagus putrescentiae (Schrank, 1781)が適当であるということに意見が一致した.また野外種とされているT. dimidiatusはいまだ日本では報告されていないことが確認された.なおこれら両種は次の特徴によつて区別される.基節上毛(PO)は曲がり, 基部から先端に次第に細まる, 分枝はその長さ全体におよぶ.雄を背腹から見ると, 陰茎支持器の腕は内側に曲がる.背剛毛d2は短く, ほとんどd1とlaの長さに等しく, 常に鋏角の長さの半分より短い.付属肢は一般の茶褐色を呈す.…T. dimidiatus基節上毛は一般に真直で, 長い分枝はその膨大した基部のまわりのみから生ずる.雄を背腹から見ると, 陰茎支持器の腕は外側に曲がる.背剛毛d2はd1の長さの2ないし3.5倍の付属肢はさほど茶褐化しない.…T. putrescentiae
  • 大野 善右衛門
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 217-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 加藤 陸奥雄, 矢島 孝昭, 石井 孝
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 218-239
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1. 1965年における宮城県下各地の牛舎侵入蚊について, シナハマダラカ, コガタアカイエカ, キンイロヤブカ, オオクロヤブカ, アカイエカの5種類について, それぞれの季節消長を1963年, 1964年の結果と比較して検討した.2.牛舍侵入蚊族個体群の種類・個体数関係から, その季節遷移をみると, 季節の進行にともない, 優位種はキンイロヤブカ→シナハマダラカ→コガタアカイエカと変化し, 夏から秋に向つては逆の順序をたどつて推移する.3.蚊族個体群の季節的な構造遷移の上から, 宮城県内に4つの型を認めることができる.角田・岩沼など県南水田畑作地域では遷移がもつとも進行した場合, コガタアカイエカ相となり, 古川・登米・若柳など県北水田地域ではシナハマダラカ・コガタアカイエカ相にまで進行し, 岩出山・涌谷・築館などの県北水田地域周縁ではせいぜいシナハマダラカ相までしか進行しない.塩釜・石巻・気仙沼など沿岸中都市地域では, アカイエカを優位種に混じえる特殊な蚊族個体群が現われる.4.日本脳炎患者が多発する年には各地ともコガタアカイエカの初発時期が早く, 発生量も多くなり, また発生盛期のピークが長い期間にわたつてみられる.5.日本脳炎ウイルスの媒介蚊であるコガタアカイエカの多発を予察する上で, コガタアカイエカの初発時期の早晩, 蚊族個体群においてコガタアカイエカを優位種の1つとする構造の出現初期の早晩, さらにまた, コガタアカイエカとシナハマダラカの合計における前者の出現割合の上昇動態などを総合して考察することが重要である.
  • 加納 六郎, 篠永 哲
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 240-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    As the genus Horia Kano, Field et Shinonaga, 1967 (Diptera, Sarcophagidae) revealed to be a homonym of the Horia Fabricius, 1787 (Coleoptera, Meloidae), Kano and Shinonaga propose a new generic name Horisarcophaga. The type-species is Sarcophaga oitana Hori, 1955.
  • 原稿種別: 付録等
    1967 年 18 巻 4 号 p. 240-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 倉茂 好雄, 小川 透
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1965年および1966年の両年, 栃木県足利市郊外のクヌギ林内における樹洞5個について, 蚊発生に関する周年調査を行なつた.その成績は次のように要約される.1) 1965年には5個の樹洞から3属3種1, 029個体, また1966年には4個の樹洞から3属3種945個体の蚊幼虫・蛹が採集されたが, 蚊の種類と個体数の割合は両年ともにほぼ同様であつた(表2, 3).すなわち, Uranotaenia bimaculataフタクロホシチビカが圧倒的多数で全体の81.6% (1965年)および89.7% (1966年)を占め, 他は少数のAedes albopictusヒトスジシマカ(9.3%および5.4%)とTripteroides bambusaキンパラナガハシカ(9.0%および4.9%)であつた.2) 両年における蚊発生の消長の様相は類似していたが, これを総合すると次のようである.Ae. albopictusおよびTr. bambusaの幼虫は4月中旬に初めて出現し, 前者は10月中旬まで, 後者は9月下旬まで採集された.Ur. bimaculata幼虫は7月上旬初めて出現し, 前記両種の衰退する8月上旬から急に増加し, 9月下旬〜10月中旬に最盛に達し, 12月上旬まで採集された.12月中旬以降すべての蚊幼虫は消滅した.3) 当クヌギ林の樹洞では蚊の越冬幼虫は見出されなかつた.これは樹洞が地上に露出していたので, 厳冬季には樹洞内の水が枯渇または結氷したためである.
  • 森谷 清樹, 原田 文雄, 矢部 辰男
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 247-255
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1964年, 夏期から冬期にかけ神奈川県下のし尿化そうに発生している蚊について調査し, つぎのような結果がえられた.1) 1315基の調査例中, 35%に蚊の発生が認められた.その分布は県下一円におよんでいる.2) 蚊の発生率は基準型よりも特殊型に多い.3) 発見された蚊は, アカイエカ群, キョウトクシヒゲカ, オオクロヤブカである.アカイエカ群がもつとも多く発生しており, オオクロヤブカとの混棲も見られた.キョウトクシヒゲカは芦の湖畔のあまり使用されていないし尿浄化そうに見出された.4) アカイエカ群の発生している33基の浄化そうより蛹と老熟幼虫を採集し, 実験室内で飼育し, 無吸血産卵の有無, 卵巣の発育段階, 雄外部生殖器DV/D値の計測, 観察をおこなつた.5) し尿浄化そうに発生しているアカイエカ群には, pallens型, molestus型単独のものと, 両型が混棲しているものがあり, 後者の例が多い.6) 以上の調査結果に基いてし尿浄化そうに生息するmolestus型の起原を考察すると, pallens型から自然陶汰により生じたという考えを支持することができる.
  • 宮本 健司, 田中 寛, 加納 六郎
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1) 牛テラジア眼虫の媒介昆虫としてハエ2種が判明した.北海道新冠種畜牧場における年間調査ではクロイエバエMusca convexifrons Thomson, 1868の雌3, 183匹中65匹(2.04%), 東京都三宅島で9月に同種雌1, 310匹中7匹(0.53%)がテラジア幼虫を保有していた.東京都青梅市で5〜11月の調査でノイエバエMuscahervei Villeneuve, 1922の雌2003匹8匹(0.4%)がテラジア幼虫を保有していた.2) クロイエバエとノイエバエの媒介能力を比較した.北海道および三宅島の牛眼寄生テラジアはThelazia rhodesiが多く, クロイエバエはT. rhodesiに適し, またノイエバエのみの青梅市では, 牛眼からT. skrjabiniとT. rhodesiがほぼ同数検出されたことから, ノイエバエは両種テラジアを媒介しうるものと判定した.3) テラジア感染幼虫はノイエバエのものよりクロイエバエの方が一般に大きく, テラジア幼虫の発育に差異のある事が推定された.
  • 長沢 純夫
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 259-269
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1.上信国境物見山(海抜1375.4m)を中心とする上州側の神津牧場において, 牛馬に襲来するアブの発生様相を, 1944年から46年にいたる3カ年にわたつて調査した.2.この地において採集されたアブの種類は第1表にしめした29種に達したが, これらのうち, マルガタアブ, キゴシメクラアブ, メクラアブ, アルパードアブ, ジャージーアブ, ホルバートアブ, シロスネアブ, キノシタシロフアブ, イヨシロオビアブの発生数はきわめて少なく, 全く採集されない年もあつた.3.3カ年を通じて5月には4種, 6月には14種, 7月には25種, 8月には18種, 9月には10種が採集され, 種類数, 個体数のもつとも多かつたのは7月で, 8月がこれについでいた.4.1946年の定量採集の結果では, 発生個体数のもつとも多かつたのは, 第2表にしめすごとくアオコアブで, アカバゴマフアブがこれにつぎ, 50匹以上採集されたものを優占種とすると, さらにタイワンシロフアブ, ヤマトアブ, シロフアブ, キスジアブ, アカウシアブおよびクロメクラアブをくわえて8種となるが, その飛来数は天候に非常に左右された.5.種類と個体数の関係はFisherのlogarithmic distribution, Prestonのtruncated discrete lognormal distributionのいづれの数学的モデルにもよくあてはまつた.後者のモデルにあてはめた結果から推定して, この地からは未記録種発見の可能性はあるもののようである.
  • 松沢 寛, 小浜 礼孝, 藤井 幸彦
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 269-272
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    アオイラガの経過, 発育, 一般習性ならびに人の皮膚炎発生との関係について, 1965年から1966年にかけて調査した成績をのべた.それらを要約すると, 次のようである.1) 香川, 徳島県下では, 大勢的には1年1回の発生で, 成虫は6月に出現する.しかし, きわめて少数の個体は, 8月下旬頃にも羽化することがある.2) 越冬は, マユ中の老熟した幼虫態でなされる.3) 卵期は4日, 幼虫期(営けんまで)は37日, 在けん期間は300日内外である.しかし, 少数の秋羽化をなす個体の在けん期間は40日内外である.4) 幼虫は8令を経過するが, 時に9令まで進む個体も存する.5) 幼虫の頭幅生長は, Dyarの式, log y=a+bxによく適合する.6) 卵塊の大きさには, 幅の広い変動があるが, 平均卵粒数はきわめて少ない.7) 若令幼虫には, かなり集合性があるが, 比較的早期に分散する.8) マユは, エノキ樹幹地際部付近に多数塊まつて作られる.マユ表面は平滑でなく, 多数の刺毛の付着した粗絹をまといつける.9) 人に起される皮膚炎は, 生きた幼虫によつてさされる場合のほか, マユ表面や営けん場所付近に散乱する幼虫時代の刺毛によることも多い.
  • 浜島 房則, 橋口 義久, 宮原 道明
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 272-278
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    八幡製鉄所内に棲息する家鼠を1963年9月から10月と1964年3月の2回にわたり調査する機会を得た.鼠の捕獲には捕鼠器とクマランを使用し, 捕獲鼠は捕獲場所別に回収され, 10%ホルマリン液にて固定された.本報では家鼠の種類, 棲息場所, 繁殖状態, クマネズミ成獣の外部計測値などを検討したので, 以下要約してみる.1.秋の捕獲鼠は総数214頭で, クマネズミ198頭(92.2%), ドブネズミ15頭(7.0%), ハツカネズミ1頭(0.5%)であつた.春には総数101頭の鼠が捕獲され, クマネズミ75頭(74.1%), ドブネズミ10頭(10.0%), ハツカネズミ16頭(15.9%)であつた.2.春の捕獲鼠の大部分はクマネズミで, ハツカネズミがこれにつぎ, ドブネズミは最も少なかつた.ハツカネズミが秋期における調査より多く捕獲されていることはハツカネズミの繁殖の上で興味深い.3.秋に鼠が多く捕獲された場所は休憩室であり, ついで事務室, 炊事場の順であつたが, 春はクマネズミ, ハツカネズミが詰所, 休憩室, 更衣室などでよく捕獲され, ドブネズミは芥捨場から多く捕獲された.4.秋, 春ともに雌では妊娠個体が最も多く, 哺乳, 発情期の順で雌雄ともに繁殖期にあり, 雄の大部分では睾丸が陰嚢内に降下していた.5.クマネズミ成獣(♀53, ♂49)の頭胴長は雌で平均147.26mm, 雄で平均149.45mmであつた.尾長は雌で平均167.31mm, 雄で平均163.45mmとなり, 後足長は雌で平均29.89mm, 雄で平均30.59mmであつた.また耳長は雌で平均19.98mm, 雄で平均20.18mmと計測された.
  • 池田 修, 阿部 久夫
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 279-283
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1.年次別捕獲ネズミ数の推移をみると, 1955年を境に逐年R. norvegicusの占める率が増加し以後漸次上昇し, 近年Rattus属の75%以上を示している.これに反しR. rattusは1955年を最高(55%)として, 以後減少傾向を示し, 近年25%以内に止まつている.2.年次別によるノミの採集数は全体的に1959年を境にして, 以後逐年減少傾向を示し, なかでもX. cheopisは1954年をピークに下降推移を示し, 1962年僅か1匹採集したのみで以後発見できなかつた.N. fasciatusは1955年をピークに以後横ばいの傾向にある.M. anisusは1959年をピークに以後哀勢を示し, 1961年および1965年にあつては1匹も発見されなかつた.
  • 池田 修
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 284-288
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    外航貨物船, 278隻の青酸ガスくん蒸を行ない, 1隻当り10.8頭のネズミを駆除した.発見したネズミの種類は, M. musculus 76.0%, R. rattus 23.3%, R. norvegicus 0.5%の2属3種であつた.船内ネズミ類の分布は船倉が81.2%で最も多く, ついで居住区域の17.4%であつた.近年M. musculusの船舶侵襲が活発であり, ネズミの侵襲を受けている船舶のうち46%はこの種によるものであつた.1隻当りの平均ネズミ数よりネズミ侵襲の程度を比較すると, 侵襲の著るしい順位は航路別では東南アジア, 台湾, 豪州, 印パの順で, 船籍別ではノルウエー, インドネシア, パナマ, 日本の順であつた.
  • 池田 修
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 288-290
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1966年に横浜港で調査した外航貨物船舶45隻のうち5隻から, X. cheopis 1種のみを検出した.なお検査ネズミ数1, 099頭で採集したX. cheopis数は64匹であつた.採集できた船舶はいずれもアジア地域からのものであり, 同方面からの来航船舶27隻中5隻(18.5%)から採集した.ノミを保有したネズミは船内各区劃から見られ, R. rattusと同様M. musculusにも多数のX. cheopisの寄生が認められた.
  • 林 晃史
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 290-293
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    Allethrin, Phthalthrinに共力剤を1 : 1, 1 : 3, 1 : 5, 1 : 10, 1 : 20および1 : 40の割合で混用した場合の致落下仰転速度への影響について検定した.これにもちいた共力剤はP. butoxide, S-421, MGK-264, Safroxan, Sulfoxide, n-propyl isomeの6種類である.実験はエアゾール剤とした場合は0.5m^3装置法でまた, 局所塗布法でも行なつた.エアゾル剤とした場合の効果はallethrinではS-421が優れ, P. butoxideがこれにつづくものであつた.またPhthalthrinについてはあまり効果的な共力剤がなかつたが, S-421は有効なものといえる.なお, 混用割合と致落下仰転の促進についてみれば, 1 : 5が最も適切で, これ以上の混用は適当ではないと考えられる.また, 共力剤の力価は実験方法によつて異る傾向が認められ, これは致落下仰転と致死の共力作用は作用機作の異ることをしめすものと考える.
  • 大串 晃治, 徳満 巌, 岩田 登美子
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 294-303
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1966年11月鹿児島県加治木町上木田部落および中福良部落より採集したイエバエを実験室内で累代飼育して, 11種の殺虫剤について, 微量滴下法, 残渣面接触法, 噴霧法, 抵抗性簡易測定法, 浸漬法などによつて各殺虫剤の効力を比較検討した.残渣面接触による効力はnaled, diazinon, fenchlorphos, fenthion, fenitrothionなどがすぐれ, 噴霧による効力はdichlorvos, naled, diazinon, fenchlorphos, fenthion, fenitrothionなどがすぐれ, 各効力の速さはdichlorvos, naled, diazinonなどが速効性で, これらの各殺虫剤はそれぞれの適用目的に有用であるとみとめられた.また, 浸漬法による結果から, これらの各イエバエ集団はdieldrinおよびlindaneに対して感受性の個体と抵抗性の個体が混在している集団とみられた.
  • 斉藤 一三, 藤田 紘一郎
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 304-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 上村 清
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 305-306
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    A mature larva of a psychodid fly was recovered from the left eye of a 37 year old patient who was suffering from an irritative feeling of the eye. The larva was collected from water used to wash the eye of the patient, and was brought to the author for identification. The specimen was already at the mature stage and its digestive canal was clean. It was actively moving in water when first exmined by the author. It was transferred into a small glass vial on wet filter paper in order to recover the adult, but it died 2 days later without the pupation. The specimen was mounted in balsam medium for the detailed microscopical examination of the structure. The larva is 7mm long, body greyish white in general, and the head and siphon are dark brown. There are 3 plates on each of the abdominal terga VI and VII, 5 pairs of siphonal tufts and 4 valves on the siphon, which is slender and tapering. The specimen was identified as Psychoda alternata Say, 1824 from its morphological characters. This case is considered to be the first report on human ocular myiasis due to the psychodid larvae.
  • 大串 晃治, 徳満 巌, 岩田 登美子
    原稿種別: 本文
    1967 年 18 巻 4 号 p. 306-308
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    Kerosene and xylene were compared as the solvent in diazinon emulsion with an impregnated paper method for two colonies of housefly adults. The efficacy of kerosene was proven to be far higher than that of xylene.
  • 原稿種別: 付録等
    1967 年 18 巻 4 号 p. 308-
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
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