環境影響評価法が1999年に施行され、環境影響評価法の対象となる都市計画事業については、都市計画法に基づく都市計画決定の手続より早い段階において、事業の基本計画に関する情報を公表し、環境影響評価(環境アセス)を実施する方法(調査項目、調査方法等)について意見を聴取する手続が設けられた。この手続に関与することが多いのは都道府県レベルの自治体であるが、この手続についての考え方については、担当セクション毎に違いがある。そこで、担当セクション毎の考え方の違いを踏まえ、本報告事例の方法書の作成時に行った取組みを報告し、この取組みにあたった担当者毎にその立場での考察を行うものである。
この研究は中国の首都、最も重要な中国歴史名城の一つ、北京を対象として、歴史的環境保全制度の発展過程や特徴を明らかにし、保全現状を把握するため行われた。本論は、北京における歴史的保全制度の発展を特徴によって4つの時期に分けて、1950~1980年代文物保護単位を中心にする点的な保全時期であり、1980年代は文物保護単位及び周辺環境を保全対象にする面的な保全時期であり、1990年代は歴史名城、歴史文化保護区、文物保護単位という三層の保全体系が形成されたが、詳細な保全計画が作成されず、歴史的環境がまだ破壊されていた。1999年から、北京は歴史的環境保全体系の強化時期になり、全面的な保全整備が実施されている。