都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
10 巻, 4 号
都市計画報告集
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 増山 篤
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 149-154
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では、利用者の施設選択行動が発生制約型の空間的相互作用モデルにしたがい、ネットワーク上での利用者分布が多項式によって表されるときに、ある特定の施設に対する需要推定量の解析的表現を導く。具体的には、施設需要を表す積分式の被積分関数の一部が指数関数の無限級数として表されることに基づいた導出を行う。また、本稿の成果の応用可能性についても述べる。

  • ミシガン州Salem Housingの事例
    清水 陽子, 中山 徹, 前根 美穂
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 155-159
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究はSalem Housing (CDCs)について活動内容と組織の実態を明らかにする。そして活動事例をもとに報告することを目的とする。CDCsはアメリカで発足から50年を経て、更に現在も様々な地域で活躍している。住民主導で地域改善を行うために、今後日本でも参考とすべき組織であると考える。アメリカではNPOという組織形態も認知され、助成金などそれを支える制度や環境が整っている。また、地域に対する危機感、行政任せにしない姿勢など地域コミュニティの自立の高さが感じられた。しかし、全ての住民が協力的というわけではない。活動を知っていても住宅を改修しようとしなかったり、荒れたままで放置したりしている。そのような住民に対し、根気よく説明をし、理解を求めることもCDCsの活動の一つである。

  • 杨 志刚, 李 燕
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 160-163
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿は、マレーシアにおける都市計画資格の認定制度について紹介している。マレーシアでは、都市計画理事会(BTPM)が認定を行うが、都市計画学会(MIP)は会員制度や教育プログラム等によって技術者の質を確保することで資格認定において大きな役割をしている。また、外国籍のプランナーの活動資格についても説明しており、関係者の参考になることを期待する。

  • 嶋田 喜昭, 小塚 みすず, 三村 泰広, 本多 義明
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 164-169
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    わが国では、ある程度道路整備がなされた現状も相俟って、今後は新たな道路建設よりむしろ既存の道路施設をいかに有効に活用するかに注目が移りつつある。言わば、「道づくり」から「道づかい」への転換が迫られており、道路政策の関心も量から質へと変化している。そこで、本研究では、特に交通需要が少ない地方圏の道路政策を念頭に、従来目指されてきた道路政策を整理し、今後重要となる政策を検討することを目的としており、ここでは近年、日本都市計画学会をはじめ各種学協会で公表(掲載)された道路政策に関わる文献(研究論文、論説、報告等)のレビューに基づき、従来の道路政策の視点を分類・整理、考察した結果を報告するものである。

  • 山梨県立富士北稜高等学校建築デザイン系列における実践報告
    菅沼 雄介, 北村 眞一
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 170-174
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    創意工夫を生かした地域を形成するために、多様な主体との協働によるまちづくりの必要性が高まっている。したがって、地域の将来を担う人材を育成する高校教育において、地域住民との協働活動のあり方について学ぶことは重要であると考える。山梨県立富士北稜高校建築デザイン系列では、まちづくりを題材とした実習課題を設定し、協働活動に必要な思考力、表現力、調整力の育成を試みている。本稿では、2008年度から2011年度までの実習内容と学社連携によるまちづくりの取り組みを紹介することを目的とする。

  • メインストリート沿道の蔵所有者へのアンケート調査の結果を踏まえた現状と課題の分析
    小林 充, 川﨑 興太
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 175-179
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、福島県喜多方市における蔵を活かしたまちづくりの現状と課題を分析することを目的とするものである。本研究を通じて、多数の所有者が蔵の維持費を課題として抱えていること、また、喜多方市の補助金制度には予算がつけられていないことが明らかになった。このため、蔵の所有者の意向をきめ細かく把握しながら戦略的保存・活用プログラムを策定し、限られた財源を戦略的に活用するという仕組みを構築すること、また、ソフト事業を展開する上で中心的な役割を担うことが期待されている喜多方蔵のまちづくりセンターの認知度を向上させるとともに、同プログラムに基づいて効率的・効果的な業務展開を行うことが必要であることを指摘した。

  • 和歌山県田辺市江川を事例として
    椎本 浩和, 落合 知帆
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 180-183
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    和歌山県田辺市江川において、古くから行われている一本釣り漁を行う漁師が多い。その割合は約6割である。漁師は、『板子一枚下は地獄』に象徴されるように、常に命の危険にさらされ日々生業を営んでいる。この為、漁師はまとまりが強いと言われている。彼らはどのように、自らの生業において協力関係を結び、陸においてもどういうことを通じて人間関係を形成し、維持してきたのだろうか。今日、共同体というのが見直されている中で、伝統的な漁村において、その共同体の原型がどのように構築されてきたのかを明らかにするのが重要である。本稿では、生業における共同体、生業と関わりの深い祭りにおける共同体、そして、それらをより深く分析する為に、個人所有の納屋に注目し、一本釣り漁師の共同体に関しての考察を行う。

  • 五明 寛和, 落合 知帆, 小林 正美
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 184-187
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本宮町は、昔より多くの水害にあってきたが、平成11年に新設された本宮中学校は、災害拠点を意識して造られた訳ではなかった。本宮中学校は高台に立地し、生徒の割に広い体育館や運動場を持つが、これは敷地の確保や社会体育の拡充といった目的を優先しての結果であった。 しかし、平成23年の台風第12号災害においては、本宮中学校は単なる避難所としての機能のみにとどまらず、災害拠点として複合的に利用されることとなった。本宮町ではこれからも継続して洪水による被害を受けることが予想されることから、今回の水害時に本宮中学校が果たした役割を省みて、本宮中学校を本宮町の防災拠点として見直そうという動きが、行政からも住民からも出てきている

  • 無形の要素を中心とした「平戸島の文化的景観」の調査
    植野 健治, 井上 典子
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 188-192
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    平戸市は長崎県の北西端に所在し、16世紀に本地域で布教されたキリスト教の影響により、かくれキリシタンの習俗をとどめる地域である。本稿は、本地域を対象として、文化的景観を構成する有形の諸要素を対象に無形の調査に基づきその意味を読解し、図化作業を通じて、有形・無形の諸要素が示す相互関係を明らかにすることを目的としたものである。文化的景観の構造分析を行うにあたっては有形・無形の関連を示すレイヤー構造に注視し、集落の機能的な範囲を示す有形の要素と信仰空間等の無形要素の関係を読み解くアプローチは、土地の個性を明らかにする上で非常に重要であることがわかった。

  • 東松島市での住民説明会におけるキーワード分析を通じて
    宮木 祐任, 森 英高, 佐藤 剛, 古山 守夫, 高橋 護, 谷口 守
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 193-198
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    東日本大震災からの復興に向け、被災市町村の多くは、復興計画の策定と同時に住民意向把握のための説明会を実施している。本研究は、被災地の地形や被害の状況の異なる東松島市を対象に、これまでに集落毎に実施した延べ45回、約3500人が参加した説明会で出された住民意見等より抽出したキーワード分析から、住民意向の変容や行政からの効果的な情報提供の在り方について考察することを目的とした。その結果、集団移転対象地区においては時間の経過や復興に関し提供された情報の増加に伴い、住民意見は集団移転に対する質問から災害公営や復興の時期等のより具体的な質問や要望へと遷移したことが分かった。

  • 三村 泰広, 稲垣 具志, 加知 範康
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 199-204
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、個人の背景とサービス享受度が住民の公共交通に対する評価意識とどのような因果関係を持っているかについて、豊田市におけるケーススタディを通じて明らかにしようとするものである。まず、公共交通の政策評価について一般的傾向を把握する。次に、個人の背景を構成すると考えられる各指標と公共交通の政策評価の関係性について明らかにする。次に公共交通のサービス享受度と政策評価の関係性について、特に「サービスへの可達性」と「サービスの相対利便性」の観点から明らかにする。最後に共分散構造分析による個人の背景とサービス享受度を踏まえた公共交通の評価構造モデルを構築し、それぞれの公共交通評価につながる影響関係を明らかにする

  • 冮 雪, 李 燕
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 205-208
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    人間活動が地球環境に与える影響がますます世界中から関心を集めている。アメリカ連邦政府環境庁の報告書によると、建設セクターの温室効果ガス排出量が全体の40%も占めている。したがって、建築行為の各段階における資源の有効利用と環境保護を主眼とするグリーンビルディングの動きが各国から見られている。それぞれの国や地域は各自の指標を作り、評価を行っている。本稿は、北米、イギリス、中国、香港、韓国、シンガポール、マレイシアなどの国で推奨或いは実践しているグリーンビルディング評価システムを概観し、世界共通基準の可能性の検討に基礎的資料を提供することを目的とする。

  • 金沢市夜間景観形成条例を中心として
    塩谷 友朗, 岡崎 篤行
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 209-212
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    人々の生活の場が夜間にも広がってきている近年では、夜間における良好な景観の創出が重要視されつつある。そのため、地方自治体の夜間景観形成制度によって、都市全体における夜間景観をコントロールしていく必要があると言える。しかし、夜間景観形成における自治体の制度は、一般的な景観形成制度に比べて数少なく、未だに進展していないのが現状である。また、既往研究において、夜間景観形成制度の詳細な運用実態は明らかにされていない。そこで、全国主要自治体へ調査を行った結果、運用面で最も先進的な制度であった金沢市夜間景観形成条例を研究対象とし、詳細な運用実態を明らかにすることを目的とする。

  • バンコク・70ライ地区を事例として
    田村 順子, 志摩 憲寿
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 213-216
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    スラムの居住環境改善策として1970年代以降実施されてきたサイト・アンド・サービスは,上水,トイレ,排水,道路,教育施設などの基礎的生活基盤の提供,街区の整備,土地保有権にコア・ハウスが加えられた政策である.しかしながら、1980年代になるとサイト・アンド・サービスは,主にはコストの問題,移転先から都心(職場)までの距離,又貸しや転売の多発などが,その代表的な理由として挙げられてきた.いずれにしても,諸問題はコスト面から発生するものであるために避けられない課題ではあるが,本研究はこれに加えて居住環境の空間的な側面を重点的に扱うことで,サイト・アンド・サービスの再考を試みる.実態調査をタイの首都,バンコクに位置するクロン・トイの70ライ地区で実施した.

  • 『安曇野市の適正な土地利用に関する条例』を事例として
    倉根 明徳, 川上 光彦, 眞島 俊光
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 217-223
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では、線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域の統合において、線引き制度を廃止した上で自主条例による土地利用コントロールの実施を予定している長野県安曇野市の事例を考察する。<br>安曇野市では、平成17年の町村合併後から、有識者による検討と一般市民による検討を約5年間実施した。その結果、市民の目指す都市像を実現させるためには自主条例による土地利用コントロールが適当であるという結論に至った。線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域の統合においては、統合後の土地利用コントロールが大きな課題となるが、線引き制度を廃止し、自主条例を主体に土地利用コントロールを実施している事例は確認できない。したがって、本研究の成果が上記のような都市計画区域の統合に関する新たな知見になるものと考える。

  • ニューサウスウェールズ州及びシドニー市に着目して
    佐藤 有紀, 外川 雅之, 今村 洋一
    原稿種別: 研究論文
    2012 年10 巻4 号 p. 224-227
    発行日: 2012/03/10
    公開日: 2022/08/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では豪州の歴史的環境保全の制度体系を明らかにした上で、シドニー市のHeritage Development Control Plan 2006(以下HDCP)の規制内容と特徴から、基礎自治体における歴史的環境保全制度の詳細を明らかにする。豪州には遺産保全体系と都市計画体系とがあり、前者では連邦、州レベルのヘリテージ、後者では州、基礎自治体レベルのヘリテージを保全していること。HDCPは基礎自治体レベルの計画であるが、州レベルのヘリテージまでを対象とし開発を規制していること。また、単体のヘリテージは建築物の内外に規制が設けられ、文化財の視点で保全しており、保全地区内は一般建築物を分類し、それぞれ異なる規制を設け、景観の視点で保全していることが明らかとなった。

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