都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
8 巻, 4 号
都市計画報告集
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 米国ジョージア州アトランタ都市圏におけるDRI制度からみる広域計画の役割
    西浦 定継, 平 修久, 吉川 富夫
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 162-167
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本論文では、米国における大規模開発コントロールを事例として、開発審査における広域計画の位置づけに着目して考察する。対象とするのはジョージア州アトランタ都市圏である。アトランタ都市圏を含む広域圏における事例分析から以下の知見が得られた:1)自治体計画との整合・不整合の違いは、インパクト指標の有意差からは確認できなかった。2)DRIは広域計画であるRDPのめざすコンパクトな市街地形成の実現手段として活用されている一面もある。また、結果的に自治体計画の用途変更をもってRDPとの整合が図れている。

  • 増田 博行
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 168-175
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究では、実際の都市行政において都市毎の個性を踏まえた分析や方策設計等に活用できるように、都心部の総合的な魅力の分析・評価手法を取り入れた多段階のPDCAサイクルによる、都心部におけるマネジメント方策の検討プロセスの提案を行った。具体的には、(ステップ1)現状把握と対応策の立案、(ステップ2)対応策の評価、(ステップ3)施策の実現可能性の評価、(ステップ4)施策の実施とフォローアップ、という各ステップに沿った、計画立案から分析・評価、実施に至るプロセスを提案し、福岡都心部への適用を試みた。

  • 大西 暁生, 曹 鑫, 森杉 雅史, 奥岡 桂次郎, 井村 秀文
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 176-180
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    都市熱環境を緩和するため、自然的な土地被覆とりわけ樹木や草地などの植生によって緑化することが進められている。街全体を効率的に緑化していくには、人工的な被覆を自然的な被覆にできるだけ変えていくことが重要である。現在、2020年を境に、人口が減少し、住宅や社会インフラ施設などが減ることが考えられ、将来的に空閑地が多く発生することが考えられる。そのため、このような非効率な土地利用を活用し、緑化を進めていくことによって、熱環境緩和だけではなく、ゆとりある新たな空間を創出することが可能となる。そのため、本研究では、GISデータや衛星画像を併用することによって、この空閑地を緑化した場合の熱環境緩和効果を推計する。これによって、都市のヒートアイランド現象の緩和だけでなく、住環境の整備にも役立つと考えられる。

  • 平 修久
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 181-184
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    人口減少時代において、人口を維持もしくは減少を最小限に抑制するためには社会増を図ることが重要である。年齢階層別の将来の社会増減をもとに、東京圏の市区町村を、A.ゆりかごから墓場まで型、B.住むなら若いうち型、C.若者・ヤングファミリーおいで型、D.望郷型、E.戻っておいで型、F.その他に分類した。AとBは、必ずもしくは高い確率で社会増になるが、DとFは、必ずあるいは高い確率で社会減になる。人口規模が小さくても、東京都心から距離があってもAの自治体があり、逆に、20万以上の市や都心から20km圏の市の中にもDやFが見られる。政策によりAやBになれる可能性はある。

  • どぶろく祭りから見る地域伝承の実態
    浅田 麻記子, 落合 知帆, 小林 正美
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 185-188
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    現在、多くの山村集落は存続すら危ぶまれているが、岐阜県白川村は古くからの地域活動や祭りを通して、次世代を担う若者や子どもを村全体で育てる環境を作っていることで集落として存続しているのではないかと考えられる。本研究では、白川村荻町を中心に行われるどぶろく祭りに着目し、参与観察や関係者への聞き取り調査を行った。結果として、伝統的な技術や意識が多様な方法で伝承され、世代間で伝承されることが重層的な人間関係を構築していることがわかった。また、子どもからお年寄りまでの全ての村人に役割を与えられていることで、白川村の一員である自覚と村を守り、維持するという意識が形成されていることがわかった。

  • 愛媛県西条市禎瑞地区を事例として
    千種 佑佳子, 落合 知帆, 小林 正美
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 189-192
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    大地震や大洪水などの大災害は必ず起こり、避けることはできないが、地域住民の結束や協力によってその被害を軽減させることは可能である。しかしながら、いつ起こるか定かではない大災害に備えて地域住民の結束力を高めたり、地域住民の防災力を向上させたりするのは難しく、課題となっている。本報告で取り上げる愛媛県西条市禎瑞地区は昔から洪水の常襲地である。調査を通じて、禎瑞地区では秋祭りや植樹などの地域活動が活発に行われており、住民は積極的に参加していることが分かった。普段の生活の中で築かれた住民同士の結束力は災害時にも生かされる。またこの地区では、昔から人々が皆同じように災害で苦労してきた背景が住民の結束力の強さにつながっている。

  • 倉谷 伸宏, 板川 暢, 一ノ瀬 友博
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 193-196
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    神奈川県高座丘陵の笹窪谷戸において水質調査を行った。笹窪谷戸内の水田は1990年代にはすべて耕作放棄され、乾燥化が進行しているが、谷頭から湧水がわき出ており、旧農業用水路には年間を通して一定の水量が存在する。谷戸北東に位置する水路において、4カ所の調査地点を設定し、2009年7月から11月まで月に1回ずつ調査を行った。調査の結果、最も上流の調査地点よりわずか上流に、由来が不明の排水が流れ込んでいることが分かり、流下するに従って、電気伝導度、全窒素、CODが低下する傾向があることが明らかになった。しかし、流下とともに流量も増加することから、浄化されているのか、希釈されているのかは明らかにできなかった。

  • 東京都23区の景観資源の分類調査を通して
    高橋 友樹, 森田 亜友美, 室田 昌子
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 197-200
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究では景観資源の特徴を明らかにすることを目的とし、東京都23区内の景観資源に着目し、分類調査を行った。分類方法としては、対象の景観資源を大きく有形型、無形型、一体型、眺望型の4タイプに分け、さらにそれぞれのタイプについて細かく146項目を作成し、分類を行った。その結果、景観資源には有形型が多く指定されており、一方、無形型や一体型は指定されにくく、景観資源の定義の中で、活動や賑わい、団体など無形要素を明示していても、あまり指定されていない。無形的な要素を含んだ景観に対する認識の向上も必要だと考えられる。

  • 小林 利夫, 西浦 定継
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 201-204
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究の目的は、都市熱緩和に資するための都市空間要素を研究することが目的であり、人工衛星より得られた地表面温度と土地利用や建物利用、緑被種別等の各種データとの関連性について名古屋市を対象に分析をおこなった。

  • 阪田 知彦, 石井 儀光, 木内 望
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 205-212
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本報告は、基礎自治体での将来の行政サービスコストの検討状況を目的として2009年3月に実施したアンケート調査の集計結果である. 本調査では,単なる将来の行政サービスコストに関する検討の有無だけでなく,都市構造との関係を把握することを目的として,その自治体における将来にわたる地域内の人口や世帯などの変化に伴う行政サービスに対する需要構造の変化を考慮した検討を実施しているかについて設問した.

  • 田中 絢人, 高見沢 実
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 213-216
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究の目的は、大手民間鉄道事業者による少子高齢化社会における地域価値向上に向けたいくつかの取り組みを事例として取り上げることで、民間事業者による地域価値向上の可能性と課題を明らかにすることである。中期経営計画の調査や、大手民間鉄道事業者に対するアンケート、インタビューを行った結果、これらの取り組みは地域のまちづくりに影響を及ぼすと共に、事業者に二次的な利益をもたらし、「現在行われている取り組みが地域に与える効果の評価」と「長期的に見たビジネスモデルの検証」、そして「行政と事業者との協力体制の構築」が必要であると考察した。

  • イギリスにおける近年の荒廃地再生の取り組みを中心に
    田中 泰典, 高見沢 実
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 217-220
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究の目的は低成長型社会の荒廃地において経済優先開発に代わる新たな再生手法を明確にする事である。本研究ではイギリスの近年の荒廃地再生の取り組みである持続管理志向型開発に着目し、それに至る経緯や推進体制、具体的手法について調査し示唆を得る事で、我が国の今後の荒廃地再生へのあり方についての考察を進めた。新たな再生手法は維持管理に重点を置き、地域コミュニティとの協働を図りながら、土地の生態系の修復を行うものであり、これにより地域社会の再生と共に、土地の再荒廃の防止を図っている。また、この推進のためには、国、地方自治体、地域コミュニティ等の役割が明確に分担されながらも各取り組みが関連し合う複合的な推進体制を整えることが必要であるという結論に至った。

  • 藤本 雅之, 高見沢 実
    原稿種別: 研究論文
    2010 年8 巻4 号 p. 221-224
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2022/08/01
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    本研究はまちづくりにおける社会起業家の役割を明らかにし、また、それらの成長可能性について考察を行うことを目的とする。そこで我々は社会起業家の地域での活動を調査し、彼らのミッション、ビジネスモデル、連携手法、活動成果といった特徴から分析を行った。これらの分析より、彼らのまちづくりでの役割は地域の内部コミュニティを強化しつつ外部と繋ぐ存在であることが言える。結果、多くの主体をまちづくりに参加させ、持続性のあるまちづくり活動につながると考えられる。そして今後、より多くの地域で地域課題解決を図り、持続的な地域社会の再生、地域経済を担う主体へと成長していくことが期待される。

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