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小林 優介
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
180-183
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、樹林地価値ポテンシャルを評価することを目的とする。この目的のために、ヘドニックアプローチと衛星リモートセンシングデータを用いる。研究対象地域は、東京都特別区の南部・南西部・西部にあたる品川区、目黒区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区の6区とする。その結果は以下の通りである。1) 多くの場合、樹林地セル数は地価評価地点の地価に正の効果を与え、1%有意水準を満たした。2)樹林地価値ポテンシャルの推定では、パラメータGは1899、パラメータβは0.6727と推定された。3)樹林地価値ポテンシャルは、地価評価地点の地価に正の効果を与え、1%有意水準を満たした。そして、自由度調整済み決定係数は0.7868となった。
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島本 憲一
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
184-187
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
様々な情勢の下において、観光サイト間の競争が激化することが予想される。そのような競争の中で観光サイトが持続していくためには、当サイトの市場圏の概況について把握する必要がある。そこで、本研究では、古典的な市場地域モデルをベースに、観光サイトの市場圏がどのような形状になるのかについて再確認すると同時に、観光サイトでの消費費用、そこでの不効用・効用、交通費用、交通時間に関する費用、交通機関への不効用・効用を明示化することで、それらとの関連性についての分析を行った。その結果、上記要素が観光市場圏の形状にある種の影響を及ぼすことが確認できた。
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国内の歴史的用水10例を対象として
村上 修一
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
188-191
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本調査の目的は,斜め堰を起点とする水路の周辺における土地被覆の分布傾向を把握することである。国内10例の歴史的用水を対象に,現地踏査と,地図分析を行ったところ,以下のことが明らかとなった。水路より川側では田が優占し,水路より山側では林地が優占している。したがって,地形に即した土地利用の有様が観察可能と考えられる。一方,水路より川側に市街地の集積が認められる例があり,都市化の進行にともなう景観の変質が明らかとなった。
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千葉県の新たな玄関口「かずさアクアシティ」を事例として
小川 剛志
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
192-195
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
現在、千葉県では、東京湾アクアラインの整備効果を活かし、本県側の着岸地となる木更津市金田地区において、「千葉県の新たな玄関口」となる多機能型複合都市(かずさアクアシティ)の建設をすべく、計画的な市街地開発事業を行っているところである。本報告は、「かずさアクアシティ」の概要と当初計画から大規模な計画の見直しなどこれまでの経緯、現在の企業の立地状況、そしてこの開発がもたらす効果について報告を行うものである。
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島本 憲一
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
196-200
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
緑地には様々な重要な機能があり、それらは都市で暮らす人々と密接な関係があると考えられる。そこで、この研究では、都市における緑地帯の設置条件として、地価との関係にスポットを当て検証を行った。その結果、都市において緑地帯を設置するためには、都市の地価がより高い条件下では、地価の平均上昇率はより高く、地価の上昇は緑地帯からより遠い地点において上昇し始める必要があることが確認された。また、より大きな緑地帯を設置するための条件についても、地価の平均上昇率はより高く、地価の上昇は緑地帯からより遠い地点において上昇し始める必要があることも確認された。
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岸良 朋子, 松行 美帆子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
201-207
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では在住外国人の災害に対する知識や災害対策を明らかにするために、横浜国立大学の留学生と日本人学生を対象に、アンケート調査を行った。地震対策については、留学生の方が日本人学生よりも対策を行っているが、大きな差はなかったが、地震発生時における適切な行動に関する知識について優位な差が見られた。留学生の属性に関する違いでは、年齢が高い学生、大きな地震の経験のない留学生が対策をしていなく、地震発生時の適切な行動に関する知識も少ないことが明らかになった。
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明治末期~昭和初期の地形図による比較分析
神山 裕作, 岡崎 篤行
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
208-211
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
現代の港町の基礎研究は他の都市よりも少ない。また、現代初期の港町は天然の良港を持つ必要がある ため、港町の地形や都市形態は関連している。近世の資料は少なく港町の比較分析が困難であるため、 本研究は近代初期の資料を用いて、港町の位置する地形と都市形態で分類することで、それぞれの関係 性を把握することを目的とする。この分析の結果、山が迫っていて内海・湾に位置しており、市街地が 海にのみ接している港町が多いことや、蛇行している全ての港町はすべて川に接していることなどがわ かった。
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西浦 定継, 小林 利夫, 竹腰 正隆, 泉 貴博, 松本 惇弘
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
212-215
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
多くの郊外部や地方の地域では、人口減少によるコミュニティ維持が課題となっている。この様な地域では、「小さな拠点」の設定が検討されている。本研究では、地域へのアクセス性や建物等の周辺状況から「小さな拠点」設定について分析を行った。分析方法としては、GISを用いて、スペースシンタックス理論により行っている。分析の結果、最もアクセス性の良い箇所を1箇所に絞り込み、歩行圏域内の建物状況を確認し、「小さな拠点」の設定が可能であると判断した。なお、本研究は相模原市の旧都市計画区域をケーススタディとして行っている。
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野中 勝利
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
216-231
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本論文は、1918年に兵庫県によって明石城址に開設された明石公園のその後の拡張と整備の過程及びその中での風致の位置づけを明らかにした。公園は御料地の一部を借りて開設されていたため、狭く不充分だった。そこで兵庫県は1922年に公園の北にある森林の御料地を借り増し、1924年に拡張の整備が竣工した。この整備では、近世の空間の履歴との関係はみられなかった。その後、兵庫県は公園用地と残りの御料地を含めて政府から有償の払い下げを受け、1929年から拡張を伴う公園の整備が進められた。その過程では、野球場整備のため、樹木の伐採や濠の埋め立てがされた。風致や遺構の保存よりも、近代的な公園施設の整備が優先された。
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福島県の事例研究
澤﨑 萌香, 川﨑 興太
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
232-238
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、福島県内の全てのサ高住を事例に、事業者に対するアンケート調査の結果に基づき、特に、入居率との比較を行うことを通じて、地域包括ケアの構築という観点からのサ高住の実態を明らかにする。サ高住は、日常生活圏域で多様なサービスを受けながら、住み慣れた地域で暮らし続けることが可能な地域包括ケアシステムの「住まい」としての位置づけにもかかわらず、登録基準に「立地」に関するものがないため、事業者が建てられるところに建ってしまっており、公共交通サービスや介護・医療サービスなど享受可能性が低いものについては入居率が低い状況にある。今後は、市町村ごとにサ高住の計画的な立地の誘導を図ること、また、サ高住の事業者と介護・医療の事業者などの連携の基盤となるプラットフォームを構築することが必要である。
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避難指示が解除された福島県田村市都路地区を事例として
木下 佑樹, 川﨑 興太, 藤本 典嗣, 吉田 樹
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
239-245
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、避難指示が解除された福島県田村市都路地区を事例として、原子力災害被災地域における買い物行動について考察するものである。都路地区では買い物環境復旧事業が実施されており、特にコンビニや移動販売については、自動車免許なしの住民を中心に、原発事故前と比べて利用機会が増えた住民が一定程度存在するなど、それなりの効果をあげているが、日常の買い物に問題がある住民が少なからず存在しており、近い将来、買い物弱者(交通弱者)の増加が懸念される。住民一人ひとりの生活実態と意向をきめ細かく把握し、避難指示解除地域における買い物支援のあり方を検討していく必要がある。
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福島県の復興公営住宅に関する研究(その1)
川﨑 興太, 鈴木 涼也, 續橋 和樹, 深谷 智亜稀, 矢吹 怜太, 矢部 征紀
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
246-251
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、復興公営住宅の供給スキーム構築の経緯と整備計画を整理した上で、復興公営住宅の整備状況と入居状況について分析することを目的とするものである。復興公営住宅は、福島第一原子力発電所事故の発生後に、避難指示を受けている/受けていた住民が、基本的には避難元の市町村とは異なる市町村において、長期にわたる避難生活を安定して送れるようにするために、主として福島県が整備する災害公営住宅である。2017年度末までに、4,890戸整備することが予定されているが、2016年12月末現在、建物が完成したのは2,995戸であり、入居世帯または入居予定世帯ありの住宅は4,045戸である。入居者には高齢者が多く、特に単身世帯が多い状況にある。
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福島県の復興公営住宅に関する研究(その2)
川﨑 興太, 鈴木 涼也, 續橋 和樹, 深谷 智亜稀, 矢吹 怜太, 矢部 征紀
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
252-257
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、2017年1月に実施した訪問面接式アンケート調査の結果に基づき、福島県における復興公営住宅の入居者の生活実態と生活意識を明らかにするものである。本研究を通じて、以下のことが明らかになった。①入居者は、高齢の単身・夫婦世帯が多い、②避難元に帰還しない、または、わからないという入居者が多い、③復興公営住宅に住み続けるという入居者が多いが、ほとんどの入居者は住民票を異動しておらず、今後も異動するつもりはない、④福島県のコミュニティ維持・形成支援策の効果もあって、団地内の住民との付き合い・交流は行われている、⑤しかし、多くの入居者は、自分や家族の健康、避難元の土地・家・財産など、不安なことや困っていることを抱えながら、避難生活を送っている。
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昭和初期から現在における金沢三茶屋街を対象として
谷 美咲, 坂本 萌, 岡崎 篤行
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
258-261
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
花街は、伝統的な娯楽の場であり、日本の伝統文化を包括的に継承している。金沢の3つの茶屋街は、2地区が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、重要な花街である。本研究では、1930年、1956年、1974年、2016年の花街における建築物の用途分布の変遷を明らかにすることを目的とする。結論の1つとして、昭和初期の茶屋分布は現在よりも広範囲に分布していたことが分かった。茶屋数は、ひがしでは1956年から1974年にかけて、にしと主計町では1930年から1956年にかけて大幅に減少した。
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有明高専建築学科学生の企画による「サトイス・プロジェクト」の実践報告
和田 夢翔, 大隈 三聖, 永尾 天十里, 服部 忠, 加藤 浩司
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
262-266
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
都市の魅力向上を図るため、近年、パブリックスペースの価値を見直す動きが活発である。有明工業高等専門学校建築学科の学生は、2016年7月に福岡県久留米市の六角堂広場で参加型イス製作イベントを実施した。そこで、本報では、広場の積極的活用策の一例を示すため、高専の建築学科学生が企画した同プロジェクトの取り組み経過、イベント当日の広場の使い方とその成果について報告する。
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前 遼太郎, 松本 邦彦, 澤木 昌典
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
267-272
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
キャンパスに定められる地区計画は、基本型と応用型で整備効果に違いが見られる。基本型の地区計画をキャンパスに定めることの効果は、周辺地域に配慮した適切な規制数値を定めることである。応用型地区計画をキャンパスに定めることの効果は、大幅な規制緩和でキャンパス整備に寄与し、オープンスペースや公共施設の整備といった地域貢献を推進することである。<br>今後のキャンパス整備においては、基本型は大学及びその周辺一帯の景観規制・誘導を行う場合や、従来の規制から必要最低限の緩和を行う場合適している。応用型はより良いキャンパス空間を形成するために、キャンパス整備上有用な規制緩和を行う場合に適していると考えられる。
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水土里の路ウォーキングコースを対象として
村上 修一
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
273-277
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本報告の目的は,歴史的用水に設定されたウォーキングコースを対象として,来訪者の景観体験を支える設えの現状と課題を把握することである。23例を対象に,コースへのアクセシビリティ,コース設定における水路の位置づけ,コース上の情報提供について現地調査を行った。結果として,事例間でアクセシビリティが異なること,水路や土地利用の全貌をコース上で観察するのは難しいこと,地形に即した土地利用の理解に役立つ情報のないことがわかった。水路の受益地全体を網羅するコース設定に見直すこと,および,景観に対する解説をコース上で提供することを整備課題として挙げた。
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雑司ヶ谷鬼子母神御会式大祭を事例として
三浦 茜, 薬袋 奈美子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
278-283
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、地域祭礼の運営・参加が住民と地域の繋がりに与える影響について、豊島区雑司ヶ谷鬼子母神堂の「御会式大祭」への参加組織の運営実態を明らかにし、今後の地域運営への展望を得ることを目的とした地域運営研究とする。講社には多様な運営形態があり、町内会をベースとした地縁型組織だけでなく、組織を新たに立ち上げることができ、自由に参加することが可能である。地域に帰属意識を持つことが可能になるというコミュニティ構築の一つの装置として機能している。また継続的な参加メンバーは御会式に関する活動の中で多世代での地域の繋がりを持つことができており、地域で子が、地縁型コミュニティの一員としての自覚形成に繋がっている。
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エコロジカル・フットプリント指標を用いて
陳 鶴, 谷口 守
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
284-288
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
持続可能な社会を実現するため,画期的な科学技術発展と共に多様な主体が連携した総合的な取り組みが必要となる.それに対して,昨年,「超スマート社会(society 5.0)」という取り組みが提示された.本研究では様々な社会連携を踏まえて,Society5.0の実現に向けた環境バランスの潜在的な達成可能性をシナリオ分析によって明らかにすることを目的にする.シナリオは,スマートな農業,スマートな移動,など5つのシナリオを設定した.結果,society5.0の実現によって,2035年までに日本全体で環境バランスを達成する可能性があるが,三大都市圏は環境バランスを達成することが難しい.
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「よかもん商店街」による出張商店街の空間特性と利用実態
服部 忠, 加藤 浩司
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
289-292
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本論の目的は、出張商店街の空間特性と利用実態について明らかにすることである。その結果、出張商店街の空間特性については、利用者が使いやすいような買い物環境が、参加店舗によってつくられている。利用実態については、商品を購入しに来る利用者だけでなく、現物の商品を見て選ぶ、店舗スタッフと会話を行う、昔のまちの事を思い出す等、利用者は様々な行動をおこなっている利用実態が判明した。
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福井県池田町をケーススタディとして
小塚 みすず, 三寺 潤, 吉村 朋矩, 川本 義海
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
293-298
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
広域的な幹線道路網の整備は、国土を効率的かつ有効に利用するために必要な社会資本であり、生活の質の確保や安全・安心な生活にも大きく寄与する。特に、県境地域における地域政策は、国・県・市町村という階層構造や広域ブロックなどの圏域を基本としつつも、行政の境界を越えた施策の展開や、柔軟性をもった取り組みの必要性があるといえる。本研究は、県境道路を有する福井県池田町を対象に、人口動態や道路網等の基礎的データを整理するとともに、現地調査、行政ヒアリング調査、アンケート調査の結果を報告するものである。
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吉武 俊一郎, 高見沢 実
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
299-302
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
この研究の目的は、空き家除却跡地の適正管理による、良好な住環境を形成するための、市町村による施策フレームを検討することである。これは空き家特措法が成立した、都市縮減時代のわが国での喫緊の課題である、本研究では、住環境問題に当事者として主体的・総合的に取り組む地域コミュニティ組織である、自治会の関与に着目し、全国事例を収集・分析した。先進的な市町村施策の中には、地域コミュニティ組織の関与で、空き家除却と跡地整備・管理を行ったところがある。市町村と地域コミュニティ、空き地所有者の協働による、空き家除却と跡地整備・管理を進めることで、縮減市街地における人口の低密度化の中で、良好な住環境形成の可能性が生まれる。
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大分市を事例として
竹ノ内 沙妃, 片山 健介
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
303-308
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
近年、地方都市の中心市街地の衰退が問題視されている一方で、都市中心部にある鉄道駅に、駅ビルや駅ナカと呼ばれる新しい商業施設ができる事例が見られる。本稿は、2015年4月に駅ビルが開業し、中心市街地において様々な連携事業が行われている大分市を事例に、商店街と駅ビルを中心にまちづくり主体の連携の実態について明らかにすることを目的とした。連携の実態として、イベントの企画・実施を大分都心まちづくり委員会企画委員会が中心となって協働して取り組んでいることがわかった。連携構築の要因として、中心商店街と駅ビルの近接性、まちづくり組織の存在、まちづくり関係者の意識の持ち方、駅ビルと中心商店街の補完的関係性が指摘された。
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竹腰 正隆, 西浦 定継, 小林 利夫
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
309-312
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
経済的、社会的、環境的な影響に関して都市の土地利用を管理することを目指す成長管理、スマートな成長は、影響を受けた人間の活動を調和させる方法として開発されただけでなく、日本では、コンパクトシティという概念が広く認識され、人口減少や高齢化社会などの諸問題に対処するための様々なレベルの計画に適用されてきた。本稿では、地方都市を分析し、都市のコンパクト性と道路網の関係を調べた。結果として、都市のコンパクト性は、スペースシンタックス理論によって算出されたInt.V分布に差があることを明らかにした。
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沖縄県中頭郡北中城村大城・荻道地区を事例として
森岡 渉, 金 洪稷, 濵田 貴之, 樋野 公宏
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
313-316
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、井泉を生活用水に活用していた時代の生活環境を、公平性という観点から評価することを目的に、ボロノイ図を活用した共同井泉の立地分析をおこなった。また、当時を知る方を対象にヒアリング調査も実施した。その結果、筆者らは「最寄りの井泉を利用する」という仮説のもと分析したが、井泉により用途が異なり、遠くの井泉へもよく行くという実態を知った。当初の見当とは違ったが、最寄りに限らない井泉の利用は、地区内のコミュニティ形成に貢献していたことが明らかとなった。また、井泉は、生活用水として使われなくなった現在でも、親水という形で地域コミュニティ醸成の役割を担っていることが確認された。
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川崎市中原区元住吉地区を対象に
荻原 生吹, 不動 智徳, 室田 昌子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
317-320
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
商店街の利用による外出行動に関する自宅の省エネ効果に着目し、アンケート調査に基づき、地元商店街とそれ以外の買い物行動、頻度や滞在時間、各自宅の広さや構造、照明や電気設備、外出時の消灯状況等を把握した。その結果をもとに、一世帯の一か月の買い物の外出行動による省エネと二酸化炭素削減効果を算出した。
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横浜市中川駅前遊歩道空間を対象に
近藤 翼, 鈴木 大輝, 室田 昌子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
321-324
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では遊歩道内における滞留行動の特徴を明らかにするとともに、ストリートファーニチャー設置による滞留行動の変化、遊歩道空間内でのコミュニケーションの状況を把握する。本調査地ではベンチやステージ、花壇の設置を行ったが、その結果、会話を中心に、飲食、遊び、休憩などの利用が確認され、さらに知り合い以外とのコミュニケーションを図る人が確認された。ベンチは大型の方が活用されやすい傾向がうかがえた。
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千葉県季美の森住宅地を中心とした山辺地区、丘山地区を対象に
荒川 七海, 笠井 勇希, 室田 昌子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
325-328
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では郊外住宅地と周辺の農村地域が地域活動をどのように連携しているかを把握し、内外の連携の可能性を検討し、現在の課題と方向性を考察する。本研究で調査した季美の森とその周辺地地域では、多様なジャンルの地域活動団体があり、多様な連携を進めていたが、いずれも季美の森団地内部や、市域内部が中心であり、季美の森と他地域との連携は限定していた。ただし、大網白里市内と季美の森では、農業関係での連携は比較的活発に実施されていた。
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アチェ、ジョグジャカルタ、パダンを事例として
髙林 興暉, 岡﨑 健二, 落合 知帆
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
329-332
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
地震が頻発するインドネシアでは、震災後に大量の住宅再建が必要となり、住宅の直接供給や支援金給付等の住宅再建支援が行われてきた。本研究は、過去の住宅再建支援の効果を検証するために、近年の震災で大規模な被害を受けたアチェ、ジョグジャカルタ、パダンを対象とし、住宅再建の実態と増改築の過程、所有者と居住者の長期的な変化を明らかにすることを目的として実施した。現地調査からは住宅所有者はニーズや経済状況、家族構成に応じて住宅を増改築していることが明らかになった。一方で、アチェでは住宅の賃貸化が進んでおり住宅が過剰供給された可能性があることや、パダンでは支援金を受給したにも関わらず経済的な理由から再建や修復が進んでいない住宅が存在するなど、再建支援政策に課題も残る。
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一都三県を対象として
古内 優作, 勝俣 竜治, 室田 昌子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
333-336
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、CWSの運営実態と施設タイプと、その成果について把握し成果の上がる運営について明らかにする。共有デスク以外に会議室やイベント会場、さらには図書コーナーや飲食や料理スペースなど様々な施設を設置するものが多く確認された。また、イベント開催や事務支援など多様な支援を実施するものも確認できた。利用者による自主的な交流会の開催や法人の設立など成果がでるCWSにとって重要な要素として、利用者交流会などのイベント開催があり、なかでもテーマの選定は重要である。
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1都3県を対象に
小谷野 結希, 竹原 彩, 室田 昌子
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
337-340
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では1都3県を対象にコミュニティカフェの現状を調査し、現時点での問題点や課題を把握する。そしてC.C.の利用状況と運営実態を明確にし、利用者増加と運営継続に対する工夫を提案することを目的とする。<br>スローカフェ型、子育て支援型、福祉支援型、交流促進型に区分してそれぞれの特徴を把握した。
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福井県高浜町和田地区をケーススタディとして
藤田 和秀, 吉村 朋矩, 三寺 潤, 池田 岳史
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
341-344
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
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本研究は、災害時における沿岸地域の安全で円滑な避難誘導のあり方について検討することを目的とする。福井県高浜町和田地区を対象として、現地調査を行った。当該地区には、夏季になると特に京阪神などの都市圏から多くの来街者が訪れる。得られた成果は次のとおりである。まず、現状においては来街者が迅速に正しい判断ができる避難誘導サインが多くは見受けられなかった。したがって、これら避難誘導サインの見直しが急務とされている。今後は、避難誘導におけるサインとルートの在り方について、地元住民や行政担当者と議論し検討していく必要がある。
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川崎市立川崎小学校における環境教育プログラム実施を事例として
京本 克樹, 板川 暢, 一ノ瀬 友博, 吉新 一之
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
345-350
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
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都市部の小学校高学年の子供達にチョウ類・トンボ類を題材とした環境教育を行うことで、子供達がどれだけ各々の昆虫の形態を理解することができるか、またそれぞれ違ったバックグラウンドを持つ子供たちにどのようなプログラムがより効果的な昆虫の形態理解に繋がるかを分析する。分析には事前アンケートと絵、各回の授業で実施する振り返りシートなどのデータを用いて、ウィルコクソンの順位和検定とポアソン回帰分析を実施し、子供たちが描いた絵の点数の変化と子供たちのバックグラウンドとの相関をみる。
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水上 象吾
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
351-358
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
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本研究では、人々の枯山水庭園に対する印象の構造を明らかにするため、景観要素の特徴を把握するとともに、庭園の印象評価を行った。景観要素として、緑、白砂、石組に着目し占有面積を測定し、白砂の波紋を分類し、印象へのかかわりを検討した。分析の結果、景観要素の構成が明らかとなり、枯山水庭園の印象構造については、視覚的な形態、デザインや場の雰囲気に加え、鑑賞することで見立てられる仮想の環境が印象に関与していることが示唆された。庭園は限られた狭い空間であるにもかかわらず、広がりや大自然の厳しさが感じられ、水のない空間内に潤いを感じられるなどの想像がもたらされていると考えられ、自然性の評価に寄与していることが示された。
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五十嵐 悠貴, 川﨑 興太
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
359-366
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
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本研究は、東日本大震災により津波被害を受けた被災3県37市町村を対象として、観光資源・観光復興に向けた取り組み・インバウンド政策の現状を明らかにし、今後の観光復興に向けた課題について考察するものである。本研究を通して、沿岸部の観光資源は復旧が遅れていること、ほとんどの市町村は観光復興に向けた課題を抱えていること、インバウンド政策に取り組んでいる市町村は半分であることが明らかになった。市町村は、観光復興に関して多くの課題を抱えており、今後は、観光資源の復旧・整備とあわせ、特に観光復興に向けたソフトの充実が課題であることを指摘している。
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山形市中心市街地周辺の事例研究
佐藤 玲菜, 川﨑 興太
原稿種別: 研究論文
2017 年15 巻4 号 p.
367-373
発行日: 2017/03/08
公開日: 2022/06/08
研究報告書・技術報告書
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本研究は、文化財ではない歴史的建造物が多く存在している山形市中心市街地およびその周辺を対象として、所有者・管理者(団体)に対するヒアリング調査を通じて、歴史的建造物の現状、保存・活用に向けた取り組みの状況や意向、歴史的建造物を保存・活用していくために必要な課題を考察するものである。本研究を通して、特に文化財以外の建物を保存・活用すべきかどうか、その歴史的価値について、広く市民、行政、関係団体などが調査・評価することが重要であり、その上で、歴史的価値のあるものとして認められたものについては、文化財への指定・登録のほか、景観法に基づく諸制度の活用、自主条例に基づく独自の支援策の実施などが求められることを指摘している。
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