本研究の目的は3ヶ所のオープンガーデン活動の実態を分析することで、活動の展開や課題を明らかにすることである。そのため、行政担当者や活動の参加代表者へのヒアリング調査を行った。その結果、3ヶ所において活動の経緯や内容の実態から、行政との「協同型」、行政からの「独立型」、行政への「依存型」の類型化ができた。またオープンガーデン活動は参加者たちの自由性の高い趣味活動として、花仲間同士の交流をもとに活動を継続しており、さらに他団体との連携活動や緑化活動まで展開をみせていることがわかった。このオープンガーデン活動を継続させるため、参加者間や他団体との定期的な交流を設けると共に、行政は資金支援ではなく、人との交流の機会を与えることが必要である。
本報告は、1980年代から現在に至るまでに制定されたまちづくり条例について、条例制定の流れの中で制度や理念の変化に関わった条例の定性的な分析から、まちづくり条例の変遷の実態やまちづくり条例が果たした成果や意義、課題を考察したものである。本報告に基づく分析作業により、まちづくり条例は市民運動と連動し、市民運動の社会制度化として位置づけられること、まちづくり条例が対抗手段から選択肢へ変容していること、条例を通じた公共性の獲得については1980年代から現在に至るまで大きな変化がないことが明らかになった。