本研究では大都市圏市街化区域外縁部に所在する住宅市街地での、まちづくり条例に基づく整備・整序の手立てを検討した。(1)人口減少局面における整備・整序の課題の整理、(2)まちづくり条例に基づく計画と事業が果たした役割と課題、の析出を目的とした。まず、人口減少局面にある市街化区域を把握するため、埼玉県を事例に人口動態を検討した。その結果、首都圏30~40km圏が変化の境界にあることを把握した。その圏域に所在する13自治体への調査を行い、まちづくり条例による都市計画の推進を想定する自治体2件を抽出した。その一つである上尾市の上平第二地区で事例研究を行い、顕著な土地利用転換など実態を把握した。一方、まちづくり条例による自治体と住民による協議会のとりくみの確立など、有効性も見られた。
本稿では、観光・レクレーションを目的とした国内宿泊旅行における旅行者の年代別の消費全体並びに消費項目別の傾向を分析した。その主な結果として、当該分野においては、(1)消費総額は40代から60代において多いが、飲食費や入場料・娯楽費・その他の分野では、30代から50代が多いなど消費項目ごとの特徴が見受けられたこと、(2) 1人当たり消費総額は60代以降の高年層が高いが、宿泊費や土産・買物代では年代が下がるにつれ1人当たりの消費額も低下するなど消費項目ごとに異なる特徴が見受けられたこと、(3)10代や60代以降の高年層は参加費への選好が相対的に高いなど消費割合にも年代間の差異があること、等がわかった。ゆえに、旅行先地域や交通機関等は以上の結果を考慮した上で適切な施策等を行う必要があるのかもしれない。
職業の違いが人々の嗜好や行動に影響を及ぼし得ることから、本稿では、国内宿泊旅行に関する旅行者全体及びその職業別の消費全体並びに消費項目別の傾向について考察を行った。その結果、主に、同分野においては、第1に、消費総額では、専門・技術職、主婦、無職において多く、宿泊費や入場料・娯楽費・その他、土産・買物代の分野でも、同職業が多い、等の特徴が見受けられた。第2に、1人当たり消費総額では、管理職、専門・技術職、農林漁業職、生産・輸送・建設・労務職が多く、また、ほとんどの消費項目で管理職が最上位に位置するなど、いくつかの傾向が明らかとなった。第3に、消費割合に関しては、管理職、専門・技術職、事務職、生産・輸送・建設・労務職が類似している、等の特徴が伺えた。
本稿では、国内宿泊・日帰り旅行における男女別、消費項目別の消費状況について分析を行った。その結果、以下の特徴が見受けられた。1つ目は、消費額に関しては、宿泊・日帰り旅行の双方において、総額として、女性が男性より多く、とりわけ、土産・買物代の分野で女性がより多く支出していることがわかった。2つ目として、1人当たりの消費額では、宿泊・日帰り旅行の双方において、男性が女性を上回っており、土産・買物代の領域以外の全ての消費項目で男性の方が高い傾向があることがわかった。3つ目は、消費割合の男女比較において、宿泊・日帰り旅行の双方ともに全ての消費項目で類似した特性があることがわかった。
本稿は、フランス都市部の開発評議会の役割を紹介する。開発評議会は、参加民主主義の手段であり、市民社会の意思を表している。<br>2014年1月27日MAPTAM法と2015年8月7日NOTRe法によって設立された。本稿は、開発評議会の背景と法的位置づけと、ストラスブール都市圏のユーロメトロポールの事例を紹介する。開発評議会に期待されている地域民主主義への影響は、公共の議論が活発になること、市民参加が拡大すること、意思決定に専門知識を活用すること、地域の社会ネットワークが広がることである。
東日本大震災の発生から6年以上が経過し被災地の復興は新たな局面に入っているが、有効な政策を実施するためには長期的な被災の影響の把握が不可欠である。本研究は企業経営の観点から二つの点を明らかにする。第一に直接津波の被害を受けていない企業がどのように影響を受けているか、第二に震災前から存在していた取引関係の回復のみならず、震災後どの程度新たな取引関係を構築できているかという点である。直接被災した企業が被災前の取引の回復・新たな取引の獲得双方で困難に直面している一方、直接津波の被害にあっていない企業は地域内では取引を拡大している。対して、遠隔地との取引関係拡大にはいずれの企業も苦戦している。
インドネシア・バンジャルマシン市における水上市場は昨今の、とりわけ伝統的な業態を維持してきたクイン地区の水上市場において雨季におけるゴミの投機問題、河川沿いの低質住宅の存在、悪臭、無秩序な新築住宅の建設などいくつかの問題が顕在化している。本研究では、市場の店主の意向および環境条件等の調査結果から、伝統的な業態を維持しながら整備・開発を行う方向性について、考察することを目的とする。この結果、経済活動を行うにあたって水面の上昇等の季節的な制約があること、また、地上交通へと生活の向きが変わりつつある中で、水上市場の商店主はそれらを取り込む積極的な努力をしていることなどが明らかになった。
交通網の整備等に伴い、日帰り旅行圏内が広がり、それら旅行者の現状を理解することがより重要視されてきている。そこで、本稿では、観光・レクレーション目的の国内日帰り旅行における旅行者の年代別、消費全体及び消費項目別の消費傾向について洞察を行った。その主な結果として、消費総額では40代から60代において多く、交通費、飲食費や土産・買物代の分野でも40代から60代が多いなど消費項目毎の特徴が伺えた。次に、1人当たり消費総額では50代から70代の中高年層が高いが、飲食費や土産・買物代でも同様の特徴が見られる一方でほとんどの消費項目において10代以下は低い傾向が見受けられた。最後に、60代以降の高年層は参加費や土産・買物代への選好が相対的に高いなど消費割合にも年代間の差異があることがわかった。
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