茶業研究報告
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2023 巻, 136 号
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技術レポート
  • 池田 奈実子
    2023 年2023 巻136 号 p. 1-8
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル フリー

    セル成型苗を用いて造成した茶園で,台風などの強風によってチャ樹が抜けたり,倒伏がみられた。セル苗は地上部が徒長して定植直後の生育が良好に見える場合が多いが,地下部の生育が劣る場合があった。根がセルの形のまま木化して,すりこぎの役目を果たして,根元にすり鉢状の大きな穴が空く被害が見られた。定植前にビニールマルチを行った場合は,ビニールの中の土壌が過湿で柔らかく,温度が上がって根の発達が不良になることが強風による被害を助長する原因と考えられた。

  • 入来 浩幸, 堀口 大輔, 堀口 俊, 角川 修, 三森 孝, 林戸 宏之, 大苗 誠直
    2023 年2023 巻136 号 p. 9-17
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル フリー

    荒茶工場の処理能力に合わせて,生葉収量・品質に及ぼす要因に対応しながら,時系列に生産量を分散させて,最適な摘採計画を策定できる支援システムを開発するために,生葉収量と品質予測のためのモデルについて検討した。

    このモデルでは,春先から始まる新芽の成長が,新芽の展開が進み出す萌芽初めから出開き度が100 %に達するまでと,出開き度100 %を過ぎてからも新芽の生育変化は起きているとした仮説から,萌芽期からの新芽生育変化程度を示すモデルとして新芽生育スコアモデルを考えた。さらに,これまで得られている出開き度と生葉収量,繊維含有率との関係式を応用して新芽生育スコアとの時系列的変化に応じて生葉収量,繊維含有率を予測できる一連のモデルを作成した。

    本試験で,各モデルに採用されているパラメーターを2019年の生産現場の摘採データを供試して決定し,2020年のデータで検証した結果,モデルの有効性が確認できた。

    今後このモデルを用いて,荒茶工場の処理能力に応じた生葉処理量の最適値を収穫時の品質を考慮して時系列に求めることができるシステムを開発することが可能であると考えられた。

  • 小澤 朗人
    2023 年2023 巻136 号 p. 19-25
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル フリー

    B5判の白色板を使って,茶園におけるたたき落し法によるチャノミドリヒメヨコバイの密度推定法に関して,目標精度を満たすために必要な標本数を算出するとともに,存在頻度率または最大値による平均値の推定法について検討した。本種の圃場における分布様式は,成幼虫の合計値を供した場合,基本集合度αは-0.0787,密度-集合度係数βは1.13となり,わずかに集中的な分布を示した。得られたαβに基づき,目標精度D=0.1~0.3における必要標本数を算出した。その結果,目標精度レベルD=0.3を確保するためには,圃場当たり10箇所のたたき落しの場合,平均値で少なくとも約1頭の発生水準は必要であることが示唆された。また,ダミーデータを用いてA4判に拡張した場合の必要標本数を算出したところ,B5判とほぼ同数であった。次に,たたき落しにおける存在頻度率 (x) と平均値 (y) との間の関係について,河野・杉野式をモデル式として適用した結果,y=1-exp (-0.846x0.981) の非線形回帰式が得られた。さらに,平均値 (x) と最大値 (y) との間には,y=3.02xの直線回帰式が得られた。現場の調査では,まず存在頻度率または最大値を求めてから平均値を推定し,推定された平均値に基づいて必要表本数を割り出した後に,本調査を行うことで精度の高い密度推定が可能となろう。

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