茶業研究報告
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2011 巻 , 111 号
茶業研究報告 第111号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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報文
  • 吉留 浩, 佐藤 健一郎, 長友 博文, 水田 隆史, 佐藤 邦彦, 古野 鶴吉, 上野 貞一, 平川 今夫, 安部 二生
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_1-111_13
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    ‘はるのなごり’は,1986年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において,‘埼玉1号’を種子親,‘宮崎8号’を花粉親として交配した中から選抜し,2008年に品種登録出願し,公表されたやや晩生の煎茶用品種である。
    1998年から2006年まで‘宮崎25号’の系統名で16場所で系適試験,2場所で特性検定試験(もち病,裂傷型凍害)が実施された。
    その結果,炭疽病及び輪斑病に抵抗性を有し,晩生で収量及び品質が優れることから普及に移し得ると判断され,2008年10月20日に種苗法に基づく品種登録出願を行い,同年12月19日に公表された。
    ‘はるのなごり’の特性の概要は次のとおりである。
    1)一番茶の萌芽期は,‘やぶきた’より4日程度,摘採期は3日程度遅いやや晩生品種である。
    2)樹姿はやや開張型,樹勢はやや強,株張りは‘やぶきた’より大きい。
    3)耐病性は,炭疽病には強,輪斑病にはやや強,もち病には中である。
    4)クワシロカイガラムシに対する抵抗性は中で,‘やぶきた,かなやみどり’より優れる。
    5)耐寒性は,赤枯れにはやや強,裂傷型凍害にはやや弱~中である。
    6)収量は‘やぶきた’より多い。
    7) 煎茶品質は,‘やぶきた’と同程度で,‘かなやみどり’より色沢,香気が優れている。
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  • 石川 巌
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_15-111_22
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    1980年と1981年に埼玉県茶業研究所の殺虫剤散布,殺菌剤無散布茶園のチャノミドリヒメヨコバイ(成,幼虫)において昆虫疫病菌の一種の発生を認めた。病死虫は寄主の加害部位であるチャの葉裏にみられ,胞子の形態から,本菌はZoophthora radicansと同定された。Z.radicansの本ヨコバイへの寄生は我が国では最初の報告である。本菌による病死虫の発生を1980年の9月と10月,1981年の4 月から11月まで,毎月1~2回調査した結果,1980年9月下旬に幼虫の病死率が40.7%, 1981年は寄主の密度が高くなった9月下旬に病死虫が初発し,10月下旬に成,幼虫の病死率が36.2%になった。本菌の休眠胞子を形成した病死虫が1980年は9月下旬に,1981年は 10月下旬以降,本菌の分生子を形成した病死虫とともに認められた。
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  • 松尾 啓史, 藤田 進, 龍野 利宏, 御手洗 正文, 槐島 芳徳, 谷口 知博, 松本 和行, 鈴木 大介
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_23-111_37
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    釜炒り茶製茶工程において,粗揉機と背面中揉機の導入方法とその効果について検討した結果,以下のような知見が得られた。
    ⑴ 炒り葉工程直後の茶葉を粗揉機でそのまま処理した場合,減率乾燥が発生しやすく茎の乾燥が進まないために,効率的な乾燥を行うことができなかった。このことは,粗揉機のバネ圧を強くしても改善することはできなかった。
    ⑵ 炒り葉工程後に粗揉工程を揉捻工程の後に行った場合,粗揉工程を前に行った場合と比べて,恒率乾燥を保ったままより大きな供給熱を茶葉に与えて乾燥することができ、中揉工程に要する処理時間を短縮することが可能となった。その結果,品質の向上と製茶工程時間の短縮を図ることができた。
    ⑶ 炒り葉→揉捻→粗揉→中揉の工程へ,粗揉機の代わりに背面中揉機を導入した場合,粗揉機を使用した場合と同等の乾燥速度や製茶品質が得られるのに対し,燃料消費量は15~25%削減された。
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  • 小林 栄人, 中村 順行, 鈴木 利和, 大石 哲也, 稲葉 清文
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_39-111_49
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    恒温器内で茶ポット苗に光強度(PPFD:0,2,7,70,1300μmolm-2s-1) を変えて照射し,新芽の葉色および成分の変化を調査した。また,一番茶の約2葉期から3週間,遮光率(0%,85%,98%,100%)を変えて直接被覆を行い,PPFD,新芽の葉色および成分の変化を調査した。
    新芽の葉色はPPFD:70μmolm-2s-1照射が最も濃緑化し,PPFD:7,2μmolm-2s-1照射は淡緑となり,PPFD:0μmolm-2s-1(暗黒)は白黄化した。また,遮光試験では85%遮光が最も濃緑化し,98%遮光はやや淡緑となり,100%遮光は白黄化した。
    日中の平均PPFDは,露天区は930μmolm-2s-1,85%区は112μmolm-2s-1,98%区は7μmolm-2s-1,100%区は0μmolm-2s-1であり,遮光率が高いほどPPFDは低下した。また,雨天日のPPFDは晴天日の1割程度であり,雨天日は85%遮光下と同程度,雨天日の85%遮光下は晴天日の98%遮光下と同程度のPPFDを示した。
    新芽のアミノ酸含量はPPFDが低いほど,また,遮光率が高いほど増加した。特に,100%遮光はアミノ酸含量が被覆開始時に比べて2倍以上増加し,アルギニンは約3倍,セリンは約4倍,アスパラギンは約50倍増加する傾向が見られた。
    新芽のカテキン類含量はPPFD:1300および0μmolm-2s-1(暗黒)がPPFD:70μmolm-2s-1に比べて多く,一方,カフェイン含量はPPFDが低いほど,また,遮光率が高いほど増加した。
    以上のことから,新芽の葉色はPPFDの低下に伴い濃緑化し,PPFD:7~2μmolm-2s-1程度で淡緑化し,PPFD:0μmolm-2s-1では白黄化するとともに,新芽のアミノ酸含量が著しく増加することが明らかとなった。
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  • 一家 崇志, 鳥羽 佑典, 切岩 祥和, 森田 明雄, 鈴木 利和, 中村 順行
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_51-111_62
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    異なる光環境がチャ培養細胞の抗酸化能に及ぼす影響を調査するため,チャ懸濁培養細胞を赤色LED(650~670 nm),青色LED(450~470 nm),赤色+青色LED並びに白色蛍光灯の4つの光照射区(光合成有効光量子束密度100μmol m-2 s-1)と,非照射(暗所)区で7日間培養した。その結果,いずれの光照射区においても,生育量は暗所区の半分以下となり,膜脂質過酸化量は有意に増加した。また,アスコルビン酸含量は,青色LED区,赤色+青色LED区および蛍光灯区で高かった。一方で,アスコルビン酸分解により生成するシュウ酸の含量は,赤色+青色LED区と蛍光灯区のみで処理開始時より有意に高い値を示した。一方,カタラーゼ活性は,赤色LED区と暗所区において処理開始時と変化しなかったのに対して,青色LED区,赤色+青色LED区および蛍光灯区で低くなった。また,アスコルビン酸ペルオキシダーゼ活性は全ての処理区において処理開始時と変わらず,スーパーオキサイドディスムターゼ活性は赤色LEDと赤色+青色LEDのみで処理開始時より低くなった。以上のことから,チャ培養細胞では,青色光の照射がカタラーゼ活性の抑制を通じてアスコルビン酸生成を誘導する,または直接アスコルビン酸生成を促進する可能性が示唆された。
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  • 森田 明雄, 一家 崇志, 國弘 彩, 鈴木 利和, 大石 哲也, 小林 栄人, 中村 順行
    2011 巻 (2011) 111 号 p. 111_63-111_72
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    日本で栽培されている4つの白葉茶(‘星野緑,きら香’の2品種と‘諸子沢,やまぶき’の2系統)の一番茶新芽の葉色値,遊離アミノ酸,カテキン類,カフェイン,有機酸および無機元素含量を,緑葉品種である‘やぶきた’と比較した。その結果,葉色値は‘やぶきた’の32.7に対して,白葉茶が0.6~8.1と非常に低い値を示した。遊離アミノ酸含量は,4つの白葉茶とも‘やぶきた’に比べ1.8倍以上と高い値を示した。カテキン類含量は,‘諸子沢,星野緑,きら香’が‘やぶきた’の約3/4と低かったが,‘やまぶき’はほぼ同程度であった。その他の成分では,シュウ酸とクエン酸,硝酸イオン,アルミニウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム並びにマンガンの含量がいずれの白葉茶においても‘やぶきた’より高い値を示した。これらのことから,供試した4つの白葉茶品種・系統は‘やぶきた’と比べて,非常に高い遊離アミノ酸含量を有する特性を持つことが明らかとなった。また,いくつかの有機酸,無機元素含量が高いなど特異な化学成分組成を有している可能性が示唆された。
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