JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2016 巻, 12 号
JARI Research Journal 2016年12月号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究速報
  • 宇野 宏, 古賀 光, 阿部 正明
    原稿種別: 研究速報
    2016 年2016 巻12 号 論文ID: JRJ20161202
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
     スマートフォンやタブレットなどの携帯型情報機器が急速に普及しつつある.一般に,高年齢層のドライバは不慣れな機器の操作を苦手とするとされるが,情報機器の操作に慣れた年齢層の高齢化にともなって,今後は情報機器を積極的に利用する高年齢層の増加が予想される.  運転中のドライバが情報機器を操作することにより生じるディストラクションは,走行の安全性を脅かす恐れがある.とくに高年齢層のドライバでは,車外事象検知と経路探索作業の同時実施や,操舵と周辺視検知作業の同時実施など,二重課題の状況で成績低下が大きい.加齢にともなう心身機能の低下は,運転行動へ影響するとともに,走行時の情報機器タスク実行による影響を拡大する可能性がある.  情報機器へのディストラクションによる事故防止のため,米国National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)は視認手操作タスクを対象としたディストラクション対策ガイドラインを公表している.この中でタスク評価方法の一つとして記載されている「運転シミュレータによる視認行動測定」は,直線路での先行車追従走行中にタスク実行を求め,車内機器への視認時間を指標として評価するものであり,評価試験への参加者として55歳以上の高年齢層のドライバを含めることを要求している.  NHTSAガイドラインは,加齢によるタスク影響の拡大も想定して,参加者の年齢層を規定しているものと思われる.ただし,指標とする視認時間や,本来の評価対象であるタスクによる走行時の行動影響に,ドライバの年齢層による差があるのか否かは十分に明らかにされていない.そこで本稿では,NHTSAガイドラインの記載に準拠した運転シミュレータ実験を行い,参加者の年齢層による差異を調べたので報告する.
  • 松田 智行, 安藤 慧佑, 明神 正雄, 今村 大地
    原稿種別: 研究速報
    2016 年2016 巻12 号 論文ID: JRJ20161203
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
     電動車両の動力源として利用されているリチウムイオン電池(LIB)の研究開発が広く行われている.LIBの課題の一つとして寿命(経時的な容量低下および内部抵抗の増大による出力の低下)があげられる.LIBの劣化は,充放電を繰り返すことにより劣化(サイクル劣化)するほか,放置することによっても劣化(保存劣化)することが知られており,その劣化メカニズムの把握や劣化状態診断技術の開発が進められている.劣化状態診断技術としては,非破壊で実施可能な充放電曲線の微分曲線解析や電気化学インピーダンススペクトル(EIS)解析が知られている.  既報では,民生用途の18650型LIB(正極:三元系(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2),負極:グラファイト)におけるサイクル劣化挙動について放電曲線の微分解析により,充電を開始する際の充電状態(SOC:State of Charge)により劣化傾向が異なることおよび容量低下は副反応に起因する正負極のずれにより生じることを明らかにした.本研究では,サイクル試験時のEIS解析により,試験条件が内部抵抗増大に及ぼす影響とその要因について評価を行った.さらに,EIS測定による劣化状態診断技術について検討を行ったので報告する.
研究活動紹介
  • 安達 章人, 大田 浩之
    原稿種別: 研究活動紹介
    2016 年2016 巻12 号 論文ID: JRJ20161204
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
     自動車の普及に伴う交通事故や交通渋滞は,甚大な社会的損失をもたらしており,2015年の全国の交通事故死者数は,4,117人で,15年ぶりに増加となった.政府は「2018年を目処に交通事故死者数を2,500人以下とし,2020年までには,世界で最も安全な道路交通社会を実現する」ことを掲げているが,既存の取組だけでは抜本的な解決が難しく,新たな取組である自動走行システムへの期待が大きい.この自動走行システムの早期の実用化・普及促進に向けては,自動走行システム導入による交通事故低減効果の訴求が必要であり、そのためにはコンピュータ・シミュレーションによる定量的評価が有効と考えられる.  一般財団法人日本自動車研究所(JARI)は,戦略的イノベーション創造プログラム(自動走行システム)の「交通事故低減詳細効果見積もりのためのシミュレーション技術の開発及び実証」研究事業を受託し,中立,公平な立場を生かして,産官学連携の中核として本事業を推進している.本稿では,平成27年度成果の概要を紹介する.
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