目的:頭頚部がん喉頭摘出者(喉摘者)の状況を機能,活動,参加,環境などから調査し,quality of life(QOL)関連因子を検討する.
方法:対象は,日本喉摘者団体所属の喉摘者とした.調査項目は,基本属性,QOL,サルコペニア,頚部・上肢機能,上肢関連activities of daily living(ADL)などとした.統計解析は,相関分析後に多重ロジスティック回帰分析を行い,QOL関連因子を検討した.
結果:有効回答者数は272人であり,年齢の中央値は74.0歳,喉頭摘出術後経過期間の中央値は8.7年,喉頭摘出術後就労継続者は94人であった.QOL関連因子には,上肢関連ADL,サルコペニア,頚部・上肢機能が抽出された.
結論:喉摘者のQOL関連因子は,頚部・上肢機能,上肢関連ADL,サルコペニアであり,QOL向上にはこれらに対するリハビリテーション治療が重要と考えられた.
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