目的:健常者における下肢骨格筋の筋硬度の特性について調査すること.
方法:超音波エラストグラフィを利用して,健常者の大腿直筋と腓腹筋内側頭の筋硬度を計測し,筋硬度と筋の量的指標である筋厚,筋の質的指標である筋輝度との関係性を調査した.また,筋硬度と年齢・体重・BMIとの関係性についても検討した.
結果:大腿直筋の筋硬度は,筋厚と正の相関があり,筋輝度とは弱い負の相関がみられた.また,体重やBMIとは弱い正の相関がみられた.一方,腓腹筋内側頭では,筋硬度と相関する因子はなかった.いずれの筋も筋硬度と年齢に相関はなかった.また,筋硬度に性差はなかった.
結論:大腿直筋の筋硬度は,筋厚および筋輝度と関係していたが,腓腹筋内側頭では,それらの関連性はみられなかった.大腿直筋における筋硬度は,骨格筋の量および質的状態を反映することが示唆されたが,このような関係性は筋の部位によって異なる可能性がある.
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