卵巣摘出骨量減少モデルマウスを用い,トレッドミル走行期間が骨特性に与える影響を調査した.12 週齢,雌性ICRマウス80 匹を対象とし,無作為に8 群(
n=10/群)に分け,卵巣摘出術(OVX;
n=70)またはSHAM術(
n=10)を施した.SHAM群とOVX群のうちの1 群(NR)は非走行群とし,残りの6つのOVX群は走行群とした.走行時間25 min,走行頻度5 回/週で走行速度を低速(8 m/min)・中速(16 m/min)・高速(24 m/min),走行期間を短期(6 週間)・長期(12 週間)に設定した.実験終了後,すべての対象の大腿骨および脛骨の最大荷重値を3 点曲げ強度試験にて測定し,機械的骨強度を算出した.また,骨乾燥重量,灰化重量も測定した.大腿骨および脛骨の最大荷重値,機械的骨強度は走行速度,期間に対して有意な差が認められ,中速走行群と長期走行群において高値を示した.また,脛骨の最大荷重値,機械的骨強度,灰化重量では交互作用が認められた.さらに,機械的骨強度では,すべての走行群はNR群よりも有意に高値を示した.すべての走行群において機械的骨強度の低下は抑制されたが,その効果は,低速,中速の長期走行群において最も高いことが示された.
抄録全体を表示