日本胸部疾患学会雑誌
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25 巻, 8 号
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  • 平谷 一人, 浅井 貞宏, 広田 正毅, 福島 喜代康, 門田 淳一, 中島 学, 渡辺 尚, 下田 照文, 坂本 裕二, 朝長 昭光, 原 ...
    1987 年 25 巻 8 号 p. 825-834
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気管支喘息の発症および病態形成に重要な役割を演じているアレルギー性因子に関し, 気管支喘息家系 (19家系) を用いて検討をおこなった. 即ち, 種々のアレルゲンに対する皮内反応性およびRASTを対象群全員について施行し, また血清総IgE値も測定した. さらに HLA-A, B, DR を typing した. 各種アレルゲンによる皮内反応およびRASTの反応性は年齢により陽性率が変化し, また血清総IgE値も年齢による変化をみとめたので, 比較的年齢の近い同胞群からHLAが相同な組みを選び出しこれらを対象にして遺伝学的検討をおこなった. 血清総IgE値, HLAと各種アレルゲンによる皮内反応性, RASTとの相関を検討したところHLAとの相関は認めなかったが血清総IgE値と室内塵 (H0, H1, H2), ダニ (D. E, D. P) において強い相関を認めた (いずれもP<<0.001). カンジダにたいする皮内反応性およびRASTはHLA, 血清総IgE値のいずれとも相関をしめさなかった. HLAと血清総IgE値の間にも相関を認めなかった.
  • 箭原 修
    1987 年 25 巻 8 号 p. 835-842
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    長期運動負荷の呼吸筋 (横隔膜, 外肋間筋, 内肋間筋) に対する影響を検討する目的で, トレッドミルによる運動をラットに負荷し, 呼吸筋の組織化学的な形態, 毛細血管数, エネルギー代謝の変化を検索した. 運動負荷により, 横隔膜の組織化学的なタイプ別筋線維構成では, タイプ1線維とタイプ2C線維が増加し, タイプ2A線維は減少した. 占有率でも同様の変化が認められた. この変化は, タイプ2A線維がタイプ2C線維を経て, タイプ1線維に転換することによるものと考えられた. Capillary-to-fiber ratio や lipoprotein lipase は, 外肋間筋や内肋間筋より横隔膜で高値を示し, 運動負荷により横隔膜でのみ増加が認められた. 呼吸筋のなかで, 横隔膜は外肋間筋や内肋間筋より, 組織化学的な筋線維構成, 毛細血管数あるいはエネルギー代謝面からみて疲労抵抗性であり, さらに長期運動負荷に対しても適応性に富んでいることが示された.
  • 久保 進, 津野 至孝, 峯 豊, 藤田 紀代, 植田 保子, 河野 浩太, 中西 啓, 原 耕平
    1987 年 25 巻 8 号 p. 843-848
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸不全患者15名において, 末梢静脈血, 体動脈血および肺動脈血中のα-hANP 濃度 (各々 V-ANP, F-ANP, P-ANP) を測定し, 肺血行動態および血液ガス成績との関係を検討した. 慢性呼吸不全患者の V-ANP は 31.4±14.4pg/ml で, 健常人 (10pg/ml以下) よもりも明らかに高値であった. P-ANPは91.4±70.6pg/mlで, V-ANPの約3倍であったが症例間のばらつきが大きかった. 一方F-ANPは89.1±74.0pg/mlで, P-ANPとほぼ同一であった. P-ANPは右房圧, 肺動脈圧, 肺血管抵抗と良好な相関を示したが, 血液ガス成績とは相関しなかった. またP-ANPは心不全群で高い傾向を認めた. 以上の成績は,α-hANPが慢性呼吸不全における肺血行動態ならびに右心負荷と密接な関係を有していることを示唆するものと考えられた.
  • 山城 義広
    1987 年 25 巻 8 号 p. 849-855
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    睡眠中の換気, ガス交換, 代謝を検討するため, 8名の健常人に対し, 2晩にわたる睡眠ポリグラフを施行, 同時に face mask を装着, 呼気ガス分析にて各呼吸ごとの分時換気量 (VE), 酸素摂取量 (VO2), 炭酸ガス排出量 (VCO2), ガス交換率 (R, VCO2/VO2), 呼吸数 (f) を測定した. また覚醒, 各睡眠段階が安定し連続する部分をすべて抽出し, これらの指標について平均処理を行った. その結果次のことが観察された. (1) VEはNREM睡眠とREM睡眠で覚醒に比し有意に減少した. (2) fはNREM睡眠では覚醒に比して有意に減少した. (3) VO2, VCO2ともにNREM睡眠では覚醒に比して有意に減少した. (4) RはREM睡眠で覚醒, NREM睡眠に比し有意に減少した. (5) 覚醒と各睡眠段階でVEと VO2, VCO2間に有意な正の相関を認めた. REM睡眠中には一回換気量の減少が認められ, Rの減少の主な原因であると考えられるが, 換気血流比の変化, 代謝の低下などの要因が関与している可能性も示唆された.
  • 抗原暴露直後の一過性好中球増多について
    大玉 信一, 吉澤 靖之, 三宅 修司, 田ノ上 雅彦, 三浦 寧子, 室田 直樹, 赤川 志のぶ, 橋本 憲一, 青木 延雄
    1987 年 25 巻 8 号 p. 856-863
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    夏型過敏性肺臓炎患者3例を対象として, 抗原暴露後, 経時的に気管支肺胞洗浄 (BAL) を行い, BAL液の検討により以下の知見を得た. 帰宅誘発試験直後ないし抗原暴露時には, BAL液中の好中球比率が15%前後と増加するのに対して, マクロファージおよびリンパ球の比率は相対的に減少した. BAL液中に存在する正常人好中球に対する走化活性は, 帰宅誘発試験直後および抗原暴露時に高く, 寛解期には弱まった. さらにBAL液中の好中球比率と正常人好中球に対する走化活性は相関して変動を示した. 一方, 正常人単核球細胞に対する走化活性は一定の推移を示さなかった. 以上より, 過敏性肺臓炎の病態発生の初期において好中球走化因子が重要な役割を果たしていることが強く示唆された.
  • 須田 吉広, 竹内 直文, 吉田 敬義, 市岡 正彦, 東條 尚子, 巻口 宏平, 筒井 秀人, 千田 守, 宮里 逸郎, 谷合 哲
    1987 年 25 巻 8 号 p. 864-872
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者10名に2段階の運動負荷を行い, 健常人5名をコントロールとして非定常状態時の動脈血ガス諸量の変動と換気およびガス交換 kinetics との関連性を検討した. COPD群の25W負荷2分目で, コントロール群の158W負荷1分目でPao2は最低値に達し, 安静値よりそれぞれ14.0±7.6と16.9±9.2Torr に低下したが, COPD群ではその低下が5分目まで持続した.また, COPD群の25W負荷で1分目よりPaco2は増加, pHは低下を示し5分目まで持続した. コントロール群の158W負荷ではPaco2は1.5~2分目で一過性の増加, pHは1分目より持続的に低下した. COPD群のOW負荷ではコントロール群の25W負荷と同様動脈血ガス諸量の変動はみられなかった. COPD群の25W負荷ではコントロール群の158W負荷と同様 VE kinetics は Vo2 Kinetics にくらべ遅延がみられ, これが非定常状態におけるPao2の一過性低下の要因と考えられた.
  • 中川 武正, 伊藤 幸治, 奥平 博一, 森田 寛, 大田 健, 中田 重俊, 高石 敏昭, 滝沢 始, 小林 信之, 庄司 俊輔, 灰田 ...
    1987 年 25 巻 8 号 p. 873-879
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    成人の気管支喘息の有症率が近年増加傾向にあることは日常診療の場において痛感される所であるが, その実態を把握, 解析するために本研究を行った. 静岡県藤枝市の15歳以上の居住者12,562名を対象として, アンケート調査を主体とした臨床疫学調査を行った結果, 喘息有症率は3.14%であることが判明した. 男女差はほとんどなく, 年代別解析では10~20歳代と高年齢層の2つのピークが認められた. また, 住環境の検討では有症率は農村, 山間地区で2.4~3.1%, 交通量の多い地区で4.2~4.4%という結果を得た. 大気汚染物質との関連の検討の結果では, 有症率はSO2, NO2濃度とは相関せず, 降下ばいじん量との間に有意の正の相関を認めた.
  • 小山 泰弘, 塩谷 直久, 成田 亘啓, 渋谷 惇夫, 工藤 翔二, 三上 理一郎
    1987 年 25 巻 8 号 p. 880-887
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ラ音分類上注目されている,“sguawk”の音響学的特徴を検討し, 気管支端息や肺癌患者に聴かれる連続性ラ音 (wheeze, rhonchi) と比較した. 対象は squawk が聴取された間質性肺疾患16例 (石綿肺, 膠原病性肺臓炎, 過敏性肺炎, 特発性間質性肺炎) およびその他の肺疾患13例 (肺結核, びまん性汎細気管支炎, 気管支拡張症, 肺炎) である. 肺音は, 呼吸位相と同時にテープレコーダに収録した. 解析はサウンドスペクトログラフを用いた肺音図および時間軸拡大振動波形図に描画して行い, squawk の吸気相における出現タイミング, 持続時間, 音の高さ, 倍音数, 振動波形について検討した. Squawk は, wheeze や rhonchi と異なり, 吸気時のみに crackle と共存して聴取される音であり wheeze や rhonchi と比べて, 持続時間が短く, 音の高さが高く, 倍音の数が多く, 振動波形の立ち上がり時間が短いことがわかった. 従って, 連続性ラ音とは異なるカテゴリーに属する音と考えられ, 断続性ラ音 (crackle) に近い発生機序が推測される.
  • 西村 浩一, 泉 孝英, 北市 正則, 長井 苑子, 茆原 順一, 松井 祐佐公, 門 政男, 木野 稔也, 大島 駿作, 金岡 正樹, 村 ...
    1987 年 25 巻 8 号 p. 888-895
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    病理組織学的所見による確定診断の行われたサルコイドージス60例の胸部X線CT像を検討した. また, 2例においてはCTと開胸肺生検標本とを対比検討した. 肺野のCT所見としては, (1) 気管支壁肥厚像 (60例中27例, 45.0%), (2) 肺血管影の不規則な腫脹 (39例, 65.0%), (3) 大小の結節影 (24例, 40.0%), (4) 末梢肺野の局所的な収縮像 (14例, 23.3%), (5) 限局性で軽度の肺野濃度上昇 (24例, 40.0%), (6) 胸膜または胸膜下病変 (27例, 45.0%) の所見が認められ, 肺血管影の不規則な腫脹がもっとも高率に認められる所見であった. CT上肺野病変を認めないがTBLBで肉芽腫性病変が証明された例は7例存在した. 開胸肺生検標本との対比によって, 気管支壁肥厚像および肺血管影の不規則な腫脹は気管支・血管周囲に形成された肉芽腫性病変による所見であると考えられた. また, 集合した肉芽腫性病変が結節影を, 末梢肺野の血管周囲組織と肺胞中隔に形成された肉芽腫性病変の重積が肺野濃度上昇の所見を形成していると考えられた. 以上の成績から, X線CTは従来のX線検査法と比較しサ症における肺野病変の評価において新しい画像診断法として有用であると結論される.
  • 赤川 志のぶ, 橋本 憲一, 室田 直樹, 大玉 信一, 青木 延雄, 坂本 保己, 田中 康一
    1987 年 25 巻 8 号 p. 896-900
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の女性で, 緑内障, 結節性紅斑様皮疹にて急性発症し, 右顔面神経マヒ, 左声帯マヒ, 左前腕外側の知覚低下も加わった. 胸部レ線上, BHLと右横隔膜挙上が認められ, 67Gaシンチ像, BAL所見から, サルコイドーシスが疑われた. 胃粘膜下腫瘍を合併し, 手術により限局性の平滑筋肉腫と診断された. 郭清リンパ節は, サルコイドーシスによると思われる明瞭なサルコイド結節で占められていた. 手術直後に, 諸症状の著明な改善をみたことから, 腫瘍に対する免疫反応亢進によってサルコイドーシスの活動性が高められていた可能性や, 開腹手術による免疫抑制作用の関与が考慮された.
  • 太田 輝夫, 都筑 慶子, 五味 英一, 松沢 幸範, 山田 博美, 大久保 信一, 藤井 忠重, 小林 俊夫, 半田 健次郎, 草間 昌三
    1987 年 25 巻 8 号 p. 901-906
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    20歳, 男性. 約5年前より労作時の息切れを自覚. 左下肺野の異常陰影を指摘され入院. 凝固能亢進, PO2, PCO2 の低下, 右房負荷所見を認め, 胸部X線写真上, 左下肺野に薄壁小空洞影と両肺野血管影の減少および肺動脈幹の拡大がみられた. 肺換気・血流シンチ, DSAなどの結果より慢性肺血栓・塞栓症と診断した. 平均肺動脈圧は45mmHgであった. 塞栓部領域の左下肺野病変は, その部の擦過材料の培養結果より M. intracellulare 症と診断した. 内科的治療で経過を観察していたが, 9ヵ月後肺血栓症を再発して急死. 剖検で肺動脈基幹部の血栓症を確認したが, 左肺下葉の病巣は瘢痕化していた. 肺の血管系の障害に合併した肺非定型抗酸菌症の報告は極めて稀であり, 本例も血流障害による局所的抵抗力の減弱が発症要因と思われた. また基幹部肺動脈血栓症は臨床的に診断されることは稀であるが, 適応条件が満たされれば血栓剔除術を積極的に行うべきである.
  • 宮路 紀昭, 植木 幸二, 中條 政敬, 篠原 慎治, 船迫 進, 立和田 亘
    1987 年 25 巻 8 号 p. 907-911
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺癌が小腸転移をおこし, 腸重積症を発症した1症例を経験したので, 本邦報告例を集計し, 若干の文献的考察を加えて報告する. 肺癌は広範に他臓器への転移をおこすが, 小腸転移の頻度は低く, またこれが腹部症状を呈したため手術となった症例は, われわれの集計した本邦報告例においてはわずかに15例をみとめるにすぎず極めて稀である. 自験例は, 小腸腫瘍切除標本の病理組織像が肺癌の組織像と極めて酷似していたこと, また小腸腫瘍は原発性より転移性がはるかに多いこと, 肺癌と小腸癌との重複癌は文献的に見出し得なかったこと等から, 肺癌の小腸転移と考えられた. 肺癌患者において, 腹部症状を訴える場合には, 転移の可能性も念頭におく必要があると考えられた.
  • 井内 敬二, 稲田 啓次, 山本 元三, 一宮 昭彦, 李 龍彦, 多田 弘人, 森 隆, 澤村 献児, 山本 暁, 審良 正則, Taka ...
    1987 年 25 巻 8 号 p. 912-917
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺癌に対する肺葉切除後, 長期間観察例の中で術側残存肺に間質性パターンを主とする進行性の異常陰影を生じた症例を経験した. 当院の最近10年間の肺葉切除420例中15例 (3.6%) と高頻度の発生率であった. 胸部レ線上, 陰影の進行が緩徐であるため見逃し易く, 2例が honeycomb lung となり対側の肺炎を併発し死亡した. 切除肺の非癌部位に繊維化, 気腫化 (5/15), 郭清リンパ節に珪肺結節 (7/15) を認めた例が多く, 手術を契機として潜在肺病変が急激に進行したとも考えられるが, 非癌症例に殆ど見られず, 又肺癌においても縦隔郭清の不十分な左側例に少ないことから, 縦隔郭清に伴うリンパ流, 迷走神経肺枝, 気管支動脈破壊もその一因と考えられる.
  • tamoxifen の使用経験
    原 宏紀, 田野 吉彦, 松島 敏春, 真鍋 俊明
    1987 年 25 巻 8 号 p. 918-923
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    38歳の女性が労作時の息切れを主訴に入院した. 気胸の既往があり, 胸部X線写真では下肺野に優位なびまん性粒状網状影を認めたが, 肺容積の減少は伴っていなかった. 顔面皮脂腺腫と共に痙攣発作の既往, 脳内多発石灰化像, 爪周囲線維腫, 腎血管脂肪腫等があることより, 結節性硬化症の存在は明らかで, 肺病変はそれに伴うびまん性過誤腫性肺脈管筋腫症が考えられ, 開胸肺生検による組織所見で診断が確定した. 肺生検の際, 肺組織の progesterone receptor の測定を行ない, 低値ながら, receptor の存在を証明し得た. Tamoxifen にて治療を行ない, 投与開始後1年5ヵ月であるが, 自覚的には呼吸困難改善し, 現在のところ病状は安定している.
  • 高桜 英輔, 辻 博, 牧野 博, 寺田 康人, 杉浦 仁, 北川 駿介
    1987 年 25 巻 8 号 p. 924-928
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    イソシアネート (MDI) による過敏性肺臓炎の2症例を経験したので報告する. 症例1:49歳, 男性, 症例2:42歳, 男性. ともに同一の鋳物工場でMDIを扱う冶工具作業に従事して約2ヵ月を経過した頃より, 乾燥咳・発熱・呼吸困難を認め入院. 症状は休職により軽快した. 聴診にて吸気時に fine crackles を聴取し, 呼吸機能検査上低酸素血症と拘束性障害を示した. 胸部X線写真はびまん性粒状影を呈し, TBLBにて胞隔炎, 類上皮細胞肉芽腫病変, Masson 体を認めた. イソシアネート-HSAによる沈降反応は弱陽性にとどまったが, 皮膚反応 (48時間), リンパ球刺激試験は陽性を示し, その発生機序にIV型アレルギーの関与が示唆された.
  • 渡辺 正俊, 矢木 晋, 安達 倫文, 梅木 茂宣, 川根 博司, 副島 林造, 中島 正光, 広川 満良, 真鍋 俊明
    1987 年 25 巻 8 号 p. 929-933
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性. 昭和58年1月より持続する咳嗽, 体動時息切れを主訴に昭和60年9月当科来院. 胸部X線所見ではBHLならびに両肺にびまん性陰影が認められ, 両側腋窩部ならびに鼠径部にはリンパ節腫脹が認められた. 他の検査所見では, 赤沈の亢進と高度の腎機能障害が認められたが, 血清学的検査ではγ-グロブリンが増加を示す以外異常は認められなかった. 肺機能検査ではDLcoの低下が認められた. 外来で経過観察中に, 左腋窩リンパ節生検を施行しアミロイドーシスが疑われたため入院精査を行った. TBLBによる肺の組織学的検索で, アミロイドーシスの沈着が確認されさらに胃, 腎, 骨髄, 大腸の生検でもアミロイドの沈着が認められ, AL型の原発性アミロイドーシスと診断した.
  • 柴田 哲雄, 田浦 幸一, 堤 恒雄, 原田 孝司, 原 耕平, 前田 公, 松尾 武
    1987 年 25 巻 8 号 p. 934-937
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    67歳女性. 咳嗽と喀血を主訴に入院した. 2年前から巨大な右肺の腫瘤状陰影と高窒素血症を指摘されていた. 2ヵ月半後に慢性腎不全にて死亡した. 剖検所見は, 右肺は白色から褐色調のもろいチョーク状物質でほぼ占められており, 組織学的には, この白亜化した物質は乾酪壊死からなり, 肥厚した線維性被膜で被包化されていた.
  • 1987 年 25 巻 8 号 p. 938-945
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 25 巻 8 号 p. 946-949
    発行日: 1987/08/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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