目的:地域で暮らす精神疾患患者の症状再燃を予防するには,積極的な精神科リハビリテーションが不可欠であり,その一方略として患者本人に対する心理教育がある。本研究の目的は,精神科急性期治療病棟に入院中の統合失調症患者に対して,看護師の主体的活動により実施可能な心理教育プログラムを開発した過程を報告することである。
方法:心理教育プログラムを開発する過程では,①心理教育関連文献の検索と内容分析の段階,②統合失調症患者の主観的経験を記述する段階,③看護介入としての心理教育プログラムを開発する段階,を経た。
結果:開発した心理教育プログラムは,心理教育用教材としての「患者用テキスト」と「心理教育運営用マニュアル」の2種類,および,プログラムの構造である。本プログラムは,統合失調症患者の服薬と病気の受け止めを促進し,服薬アドヒアランスを向上させ,再発を予防することができると期待できる。
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