【目的】Xenon CT(Xe-CT)を用い食道胃静脈瘤に対するEISを施行した群とB-RTOを施行した群の治療前後の肝血流量を比較し血行動態の違いを検討した.
【対象・方法】EIS 45例(男/女=27/18例), B-RTO 13例(男/女=9/4例)を対象とした. Xe-CTは, 治療前と治療1週後で門脈, 肝動脈組織血流量(PVTBF, HATBF ; ml/100 ml/min)を測定し, 両者の和である総肝血流量THTBF, PVTBF/HATBF(P/A)ratioを算出しEIS群とB-RTO群の両者を治療前後で比較した.
【結果】EIS群の治療前 ; 治療後の肝血流量は, PVTBF 28.2±9.0 ; 32.3±9.2(
P=0.002), HATBF 22.6±14.6 ; 19.9±8.6, THTBF 50.8±17.5 ; 52.2±14.7 ml/100 ml/min, P/A ratio 1.6±0.7 ; 1.9±0.9(
P=0.039)であった. B-RTO群の治療前 ; 治療後の肝血流量は, PVTBF 28.5±6.0 ; 39.0±16.7, HATBF 28.2±17.1 ; 25.6±12.6, P/A ratio 1.3±0.6 ; 1.6±0.4(
P=0.029)であった. 全ての肝血流量において, 両治療の前および後で有意差を認めなった.
【結論】塞栓術前後でPVTBFとP/A ratioは増加し, 動脈血流優位(動脈肝)の改善を認めた.
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