日本門脈圧亢進症学会雑誌
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16 巻, 4 号
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特別寄稿
Editorial
原著
  • 樋本 尚志, 正木 勉, 鹿毛 政義
    2010 年 16 巻 4 号 p. 183-187
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者の診断時における門脈域の組織学所見と抗セントロメア抗体(ACA)との関連について検討した.対象はPBC 31例で,Scheuer I/II期の早期群とIII/IV期の進行群に分類し,C型慢性肝炎(CH-C)10例を比較対照群とした.門脈圧亢進を示唆する組織学的所見として,末梢門脈枝の狭小化と異常血行路に注目した.PBC早期群における末梢門脈枝の狭小化率はCH-Cと比較して有意に高く,進行群のそれは早期群に比し高い傾向にあった.PBC早期群をACA群,他の染色型の抗核抗体(ANA)陽性群,ANA陰性群に分類して組織学的所見を比較したところ,ACA群における門脈狭小化率や異常血行路の程度は,他の2群と比較して有意差はみられなかった.以上より,PBC病初期で末梢門脈枝に門脈圧亢進症を示唆する病理所見がみられたが,ACA陽性と門脈圧亢進症との関連は明らかでなかった.
症例報告
  • 菊池 志乃, 中村 武史
    2010 年 16 巻 4 号 p. 188-192
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性.HCV肝硬変で10数年前に数回の肝生検歴がある.以前より肝右葉の門脈瘤を指摘されていたが,経過観察中に食道静脈瘤の悪化を認め,入院となった.CTでは肝右葉に動脈と同時に造影される門脈血流が確認され,動門脈短絡を伴う門脈瘤と診断した.上腸管膜動脈造影にて門脈本幹から脾静脈への逆流と腹腔動脈造影にて右肝動脈末梢の動門脈短絡を確認.右肝静脈および固有肝動脈にバルーンカテーテルを挿入し,固有肝動脈のバルーンカテーテル閉塞前後の肝静脈楔入圧(WHVP)を測定した.WHVPが20 mmHgから9 mmHgへ低下したため,短絡閉塞は妥当と判断し,右肝動脈A8末梢へマイクロカテーテルを挿入.NBCA+リピオドールの混合液を2回に分けて注入し,シャントの閉塞を得た.治療前後で脾静脈の遠肝性血流は変わらなかったが,食道静脈瘤は半年でLmF2CbRC2からLiF1CbRC1まで改善を認めた.
  • 福田 亘, 森 敬弘, 光本 保英, 廣瀬 亮平, 内藤 達志, 南 竜城, 森本 泰隆, 清水 香代子, 伊藤 正, 清水 誠治, 本庶 ...
    2010 年 16 巻 4 号 p. 193-198
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は80歳代女性.肝硬変で通院中であったが,平成21年1月急激な腹部膨満感,体重増加を認め当院受診.腹部超音波,CTにて多量の腹水と上腸間膜静脈から門脈本幹・右枝に血栓形成を認めたため当科入院となった.血液検査ではFDP,Dダイマーの上昇があり,門脈血栓症と診断しダナパロイドナトリウム投与を開始した.治療開始2週間後には門脈血栓の改善を認めたためアスピリンで維持療法を行ったが,維持療法開始2週間後門脈本幹に血栓の再発を認め,再度ダナパロイドナトリウムを投与した.その後再び門脈血栓は改善し,ワーファリンで維持療法を行ったところ現在まで再発を認めていない.門脈血栓症の治療にダナパロイドナトリウムの有効性が報告されているが,その後の維持療法は定まっていない.本症例の経過はダナパロイドナトリウムの有効性とその後の維持療法を検討する上で参考になる症例と考えられた.
  • 田中 未央, 北本 幹也, 井川 敦, 辰川 裕美子, 小橋 俊彦, 中原 英樹, 板本 敏行
    2010 年 16 巻 4 号 p. 199-202
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    高齢者のHCV genotype 2a・高ウイルス量のC型肝硬変例において,血小板3.2万/μlのため脾摘術後に血小板10万/μl前後に回復を確認してペグインターフェロン治療を行った.投与2週間目からHCV RNAは陰性化し,血小板低下および好中球低下のため減量投与を余儀なくしたものの,1年間投与継続した結果,ウイルス排除することができた.
新しいインターフェロン療法
 
第13回B-RTO研究会記録
[合同ワークショップ]
司会総括
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