杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
Print ISSN : 0368-5829
ISSN-L : 0368-5829
14 巻, 2 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1983 年 14 巻 2 号 p. Cover5-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1983 年 14 巻 2 号 p. Cover6-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 矢野 啓子
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    透析療法の進歩と合併症の管理向上に伴なって透析患者の延命化が進み, 透析患者は増加の一途をたどっている。これらの症例の中には視力障害のため社会復帰できない者もあり, 長期透析患者の眼障害が注目されている。今回その点を解明する目的で長期透析患者の眼障害について検討した。対象は, 杏林大学透析センターおよび2カ所の関連病院で透析中の慢性腎不全患者306眼(153例)で, 視力障害, 角膜Ca沈着, 透析による眼圧変動, 白内障, 眼底変化について経過観察を行い, 以下のような結果を得た。87.3%の例は0.5以上の良い視力を保っており, 0.4&acd;0.1は5.2%, 0.1未満の重篤な視力障害は7.5%に認められた。視力0.4以下の症例中, 糖尿病性網膜症と網膜中心静脈閉塞症が主な視力低下の原因であった。著明な網膜色素上皮の変性が17%に認められた。これは, 脈絡膜循環障害を生じた透析患者に特有なものと考えられた。角膜Ca沈着は34%に認められた。Ca沈着の程度は透析が長期にわたってもやや進行する程度にとどまり, 治療を要する例はなかった。血清CaやPとの関係では, 角膜Ca沈着例に血清Pと〔Ca〕×〔P〕の値が高く, 非沈着例との間に明らかな有意差を認めた(p<0.01)。眼圧は透析前に比べ透析後わずかに低下する傾向が見られた。白内障の発生, 進行と, 透析との間に一定の傾向は見られなかった。白内障手術は5例8眼に行われたが, 手術成績, 術後経過は一般の白内障手術と比べ差がなかった。以上のように, 長期透析症例153例の眼所見について検索を試みた結果, 網膜中心静脈閉塞症, 脈絡膜循環障害, 角膜Ca沈着など種々の眼障害のあることを明らかになしえた。慢性透析の長期生存例の増加する傾向にある今日, これらの眼障害の管理を行うことがきわめて重要と思われる。
  • 松井 知子, 松本 一弥, 川森 正夫
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 129-135
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    四エチル鉛の中枢神経系に及ぼす影響を, ラットのオペラント行動変容から評価した。正および負の強化スケジュールには, 定率強化と弁別回避を用いた。四エチル鉛10, 20, 40mg/kgを腹腔内投与した結果, 20mg/kg以上の投与群で, 定率強化における反応数は投与量に依存して経日的に減少した。弁別回避反応では40mg/kg投与群より長期間生存した20mg/kg群に, むしろむだ押し反応の増加と情動反応が著明にあらわれた。これらの行動変容を脳内鉛濃度と中枢神経系の病変との関係について若干の考察を行なった。
  • 馬詰 良比古
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 137-147
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    家兎虹彩に挫滅を加えた後, 同部位に虹彩切開を行なうと, 開口部は容易に閉鎖してしまうが, それに対し, 抗炎症剤であるindomethacinおよびdexamethasoneがいかなる抑制効果をもつか, 光顕的および電顕的に検討した。indomethacin術前投与により, 術後の出血や浸出傾向は著明に抑制され, 虹彩切開の創間閉鎖は防止された。一方, dexamethasone術後投与はそのような抑制効果をもたなかった。この結果より, indomethacinの術前投与は, 術後の虹彩部位の組織反応に著明な影響をもたらすものと考える。
  • 武藤 きぬ子, 安西 正, 浦野 晴美, 吉本 秋雄, 小峰 仙一
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 149-154
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    桐油triacylglycerideを構成する脂肪酸の76.1%はeleostearic acid(&lrtri;9.11.13C18 : 3)で, この脂肪酸は紫外部波長に特異吸収を持っている。そこで我々はこのtriacylglycerideを基質としたlipase測定法を検討した。Triacyglycerideは市販桐油をフロリジルのカラムクロマトにかけて精製した。このtriacylgycerideをCa^<2+>とアラビアゴムとともにエマルジョンとしlipase測定の基質とした。反応液は総量0.5mlとして, その組成は10mg triacylglyceride, 0.2Mtris HCl butter(pH 8.0), 6mM-sodium dodecyl sulfateと0.1mlの酵素液である。この反応液を37℃に30分間加温した後, 0.1N-H_2SO_4 1.0ml, Doleの試薬2.5ml, ヘプタン1.0mlを加えて3000rpm, 5分の遠心を行い, 上層の1.0mlにクロロフォルム1.5mlと0.1N-NaOHを含む50%メタノール2.5ml加え, 再び遠心する。遠心後アルカリ上層をとり275nmの吸光度を測定する。Eleostearic acid 1M溶液の275nmにおける吸光度は4×10^4と計算された。また遊離総脂肪酸の50%はアルカリ層中に抽出され, この抽出eleostearic acidの検量線は直線性を示した。本法とBALB法とを比較検討した結果, 両者の測定値は相関を示し, 本法による健康ヒト血清lipaseの活性は0.1前後の吸光度で測定することができ, 微量のlipase活性の測定には有効な測定法であると考えられる。
  • 井内 正彦, 木谷 健一, 飯島 利彦, 森井 勤, 藤永 富美恵, 園 徳偉, 松井 利博
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 155-160
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    日本住血吸虫(日虫 : 以下同じ)感染により陽性を示した皮内反応が, どの位持続するかはまだ定説がない。従来は早期に陰転するのではないかと考えられていた。筆者らはその5年及び10年後の反応の変化について検討した。対象は肝生検または直腸生検で日虫卵を証明し, アレルギー体質でない患者137名である。また, 対比の目的で同抗原4, 000倍液皮内反応と注射部位による反応の相違をも調べてみた。成績は30&acd;50歳台については5年, 10年後のいずれも膨疹がやや小さくなるが陰転は1例もなく, 60歳台で肝正常群10例中1例, 肝線維症群15例中2例が10年後に陰転した。日虫皮内反応は長く陽性を維持することがわかり, またこの反応は加齢による免疫能低下の影響を受けてか, ことに70歳以上では, この傾向が顕著であることが明らかになった。これらのことから皮内反応は, 従前考えられていたよりもはるかに陽性持続期間が長く, スクリーニングまたは既往の有無を検するにはきわめて有効であるが, これを用いるに当ってはなお注射部位, 濃度, 感染後の経過期間および高齢者では被検時年齢を考慮する必要もあることが明らかになった。
  • 藤本 尚資, 本間 佳津子, 石田 信彦, 馬場 祥行, 井上 富夫, 佐藤 秀昭, 佐藤 喜彦, 東野 俊夫, 杉本 道子, 鎌田 博子, ...
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 161-167
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    動脈硬化性疾患患者(狭心症24例, 心筋梗塞3例, 脳梗塞5例, 計32例)を対象として, 血小板凝集能と血小板放出物質であるβ-thromboglobulin, Platelet factor 4との関連を検討した。血小板凝集能測定条件としては比濁法を使用し, 凝集惹起物質はAdenosin diphosphate, Collagen, Epinephrineを用い最終濃度は各々2.9×10^<-6>M, 3μg/ml, 1μg/mlとし, Stirrerの回転数は1, 000回転とした。血小板放出物質は各々RIA kitを用い測定した。また, 同時に血清総コレステロール, トリグリセライド, HDL-コレステロールの測定を行ない, 血小板凝集能, 血小板放出物質との関連も検討して以下の結果を得た。1)血小板凝集能は, いずれの凝集惹起物質においても加齢, 性別による差は示さなかった。各凝集惹起物質相互間の関連は, ADP凝集とCollagen凝集, ADP凝集とEpinephrine凝集との間でそれぞれr=0.48 p<0.05, r=0.45 p<0.05と有意な正相関を認めた。2)β-thromboglobulin, Platelet factor 4ともに加齢, 性別による差は認められなかった。β-thromboglobulinとPlatelet factor 4相互間の関連はr=0.71 p<0.001ときわめて有意な正相関を認めた。3)血小板凝集能と血小板放出物質との関連はEpinephrine凝集, Platelet factor 4とにr=0.49 p<0.05と有意な正相関を認めた以外は, いずれの凝集惹起物質においても相関を示さなかった。また, 血清各脂質との関連は, いずれの凝集惹起物質における血小板凝集能, 血小板放出物質とも有意な相関を示さなかった。
  • 島津 秀昭, 福岡 正和, 伊藤 寛志
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 169-176
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    近年各種の生体情報を無拘束的に計測することが可能となってきたが, これらのデータを分析する場合, 被験者の姿勢や行動等の背景データの取得も不可欠な場合もある。しかしながらこの種の情報を得る方法, 装置はほとんど開発されていない。著者らは日常生活内に出現する種々の姿勢を9種類の基本姿勢に分類し, これを無拘束的に計測, 記録できる装置の試作を行なった。試作装置により通常の活動を殆んど阻害することなく, 長時間にわたる安定した姿勢計測ができることが確認された。
  • 三国 健一
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 177-188
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    幼若乳児の細気管支炎や肺炎の主要原因であるRSウイルス感染症の診断においては, 一般に行なわれている血清診断法では抗体上昇が把握し難い上に母児移行抗体の保有も考えられるので, 血清抗RSウイルスIgM抗体の測定が必要である。現在までELISA法による抗RSウイルスIgM抗体の検出法に関する報告は非常に少ない。そこで今回マイクロプレートを固相とするELISA法をを応用し, 気道感染小児45例81検体について抗RSウイルスIgMおよびIgG抗体を測定し, CF反応, IAHA反応およびガラスビーズを固相とするELISA法による結果と比較検討した。2回以上血清を採取し得た25例中IgM・ELISA法で12例, IAHA反応で7例, CF反応で6例およびウイルス分離で7例が陽性であり, 計14例がこれらの方法のいずれかによってRSウイルス感染症と診断された。特に幼若乳児における感染例では, ELISA法によるIgM抗体の測定が有力な診断手段であることを明らかにした。本法によるIgG抗体の測定では, ガラスビーズ法によるものとよく相関し, 本法によるIgM抗体価が陰性の血清についてはIAHA抗体価とも相関を示した。本法は高感度で操作が簡便であり, 疫学調査など多数の検体の処理に有力な手段であることが示唆された。
  • 田原 順雄, 津谷 恒夫, 小野 彰史, 嵐 賢治, 白戸 千昭, 岡田 道雄, 石川 恭三, 中江 純夫, 松田 博青
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 189-193
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    断酒療法の目的でシアナミドを服用中に飲酒し, 血圧低下を主とする著明なシアナミドーエタノール反応をきたした1症例を経験したので報告する。症例は49歳の男性で, 20歳頃より1日4&acd;5合の日本酒を摂取し, 慢性アルコール中毒と診断され, 近医よりシアナミドを処方されていた。昭和57年8月4日シアナミドを服用後に日本酒を2合摂取したところ, 悪心, 悪心, 嘔吐, 顔面紅潮が出現したため当院ICUに緊急入院となった。入院時には血圧が収縮期50mmHgと低下していた。入院直後よりノルアドレナリン, ドパミンを中心とした昇圧剤の治療を必要とした。第5病日まで昇圧剤による治療を行ない, 第6病日には一般病棟へ転床となった。シアナミドは抗酒療法に用いられる薬物で, その有用性については多くの報告があるが, 本症例は, シアナミドーエタノール反応が過剰に生じた例として, 投薬に際し注意を喚起するものである。
  • 石田 信彦, 藤本 尚資, 馬場 祥行, 井上 富夫, 佐藤 秀昭, 横山 登, 佐藤 喜彦, 東野 俊夫, 江部 学, 馬淵 滝男, 笠原 ...
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    発作性の高血圧症状を呈し, 右頸部腫瘤摘出により血圧の安定化と, 不整脈消失をみた一症例につき報告した。症例は, 33歳時より高血圧症を指摘されていた44歳の女性である。3年前より右頸部腫瘤に気づいていたが, 放置していた。今回, 頭痛, 動悸, 胸部圧迫感などを主訴として入院した。入院時血圧は臥位170/94mmHg, 立位140/86mmHgで左右差は認められなかった。入院後血圧は, 午後より上昇し就寝時頃には200/100mmHg程度に達し, この際頭重感, 動悸などの自覚症状を併った。入院後各種の降圧剤を併用し, 最高値160/90mmHg前後に安定したが, しばしば発作性に, 収縮期圧200mmHg以上の上昇を認めた。また入院前より認められていた右頸部腫瘤を摘除したところ, 異所性甲状腺癌と診断され, 摘出後, 発作性血圧上昇は消失した。この原因として, 一つには腫瘍の物理的圧迫に伴う調圧反射の異常による中枢血圧反射機構の関与が考えられ, もう一つには, 腫瘍より遊出するホルモン及びホルモン類似物質, 内分泌性因子などが考えられた。
  • 柳沢 公二, 柳沢 啓子, 春名 英彦, 渡辺 言夫
    原稿種別: 本文
    1983 年 14 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    3歳夏季より蚊の刺咬後38度以上の高熱, 全身倦怠感などの全身症状を示し, 局所は腫脹, 中心水疱及び潰瘍形成から最後に瘢痕を残す5歳9カ月の男児例を経験し本邦22例目であるので報告する。また本児に3種類の蚊抗原エキスを用い皮内反応及び特異的リンパ球幼若化反応を行った。蚊刺後の全身反応を伴なう異常反応の報告は本邦では21例が報告されているにすぎず, そのアレルギー反応は即時型, アルサス型, 遅延型の関与が考えられている。本症例はその臨床症状及び経過よりアルサス反応の関与が最も考えられ, また検査成績からは蚊抗原エキスを用いての即時型, 遅延型反応はその関与を示す結果は得られなかった。本症例は年々症状の軽減をみたが, 蚊アレルギーの児が黄疸を伴い, 腹部腫瘤で死亡する例も報告されており, 今後注意深い経過観察が必要である。
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. 207-281
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. 282-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. 282-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. App3-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. App4-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1983 年 14 巻 2 号 p. App5-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1983 年 14 巻 2 号 p. Cover7-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1983 年 14 巻 2 号 p. Cover8-
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
feedback
Top