O-結合型オリゴ糖鎖構造決定のための分析技術の発展において、最近重要な進歩があり、
O-糖鎖の様々な機能が発見された。例えば、β脱離やヒドラジン分解による、糖タンパク質からの
O-結合型糖鎖の化学的遊離 (そしてその後の標識化) の方法が発達した。
O-結合型糖鎖の構造分析にとって鋭敏で精密な道具として、異なるHPLC法と質量分析が、利用できるようになった。そして現在、部位特異的糖鎖分析が技術的に達成できる。
O-結合型糖鎖の機能分析はまだ難しいけれども、様々な役割が立証され、いくつかの一般性が現れてきている。分子内相互作用を通じて、
O-結合型糖鎖は糖タンパク質の3次元構造を維持する重要な役割を担い、糖タンパク質 (
O-結合型) の伸展を導く。ある場合には、そのようなドメインは分子スペーサーとして機能し、膜結合型レセプターにおいても同じ役割を果たす。すなわち、糖鎖の存在を通じてレセプターの機能部分を細胞外空間へ向かせるのである。また、
O-結合型糖鎖は分子間相互作用にも必須である。例えば、糖タンパク質問の認識ではシグナル分子や酵素活性に影響し、また細胞の糖タンパク質の発現やプロセシング (成熟過程) にとって必須である。
O-グリコシル化されたSer/Thrに富むドメインの選択的スプライシングは、いくつものタンパク質の性質と活性をさらに特別なレベルで調節する。加えて、健康体と疾患での
O-結合型グリコシル化の変化は重要で、ヒトの医学におけるさらなる発展にも関連する。
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