Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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26 巻, 147 号
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MINIREVIEWS
  • Hiroaki Tateno, Jun Hirabayashi
    2014 年 26 巻 147 号 p. 1-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/01/24
    ジャーナル フリー
    すべての細胞は高密度で複雑な糖鎖で覆われている。糖鎖は細胞の性質や系譜を反映し、それゆえ、ある特定の細胞型を同定するための細胞マーカーとしてよく用いられる。事実、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)を同定するために用いられるステージ特異的胚性抗原(SSEA-3、SSEA-4)や腫瘍拒絶抗原(Tra-1–60、Tra-1–81)は糖鎖である。しかしこれまで、ヒトiPS細胞表面糖鎖の全体像、グライコーム、についてはほとんどわかっていなかった。我々は高密度レクチンアレイを用いて多数のヒトiPS細胞の網羅的糖鎖解析を行った。その結果、ヒトiPS細胞表面糖鎖の3つの特徴(α2→6Sia、α1→2Fuc、1型LacNAc)を見いだした。これらの特徴はDNAマイクロアレイとグリコシダーゼ支援・質量分析/液体クロマトグラフィー法で確認することができた。さらにヒトiPS細胞に特異的に反応する新規レクチンプローブを発見した。本レビューではヒトiPS細胞表面糖鎖と新規ヒトiPS細胞特異的プローブ・rBC2LCNについての我々の最新の知見について記載する。
  • Hiroko Satoh, Tomoo Nukada
    2014 年 26 巻 147 号 p. 11-27
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/01/24
    ジャーナル フリー
    グリコシル化反応は、グリコシド結合を形成し糖鎖を生成する化学反応であり、グライコサイエンスにおける重要な化学反応の1つである。この糖鎖合成における鍵反応のメカニズムを理解することは、生体内におけるグリコシル化反応についての洞察を深めるだけでなく、合理的な戦略に基づいた化学合成技術の発展にも貢献すると期待される。本稿では、グリコシル化の反応機構に関する研究について、計算化学的アプローチによる取組みに焦点をあてて概説する。具体的には、本反応機構についての理論的研究の中で、一般に広く議論されている、隣接基関与、溶媒効果、立体電子効果に絡んだ 研究について紹介する。また、糖供与体の立体配座が、その化学反応性や立体選択性に与える影響や、ピラノシド環のエキソ開裂反応とエンド開裂反応についてなされている議論についても述べる。
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