我々は、
N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)及び
N-アセチル-D-マンノサミン(ManNAc)の新規大量製造法を開発した。Neu5Acの製造は、
N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)とピルビン酸を基質とし、
N-アセチルノイラミン酸リアーゼ(Neu5Acリアーゼ)を用いて、化学-酵素合成及び酵素合成の二種類の方法で行った。GlcNAcからManNAcへのエピメリ化は、アルカリ条件下または
N-アシル-D-グルコサミン2-エピメラーゼの反応を用いる方法により実施した。また、我々はNeu5AcからManNAcの製造法も確立した。Neu5Acを完全に分解するため、陰イオン交換樹脂上でのNeu5Acリアーゼ反応によるNeu5AcのManNAc及びピルビン酸への分解について検討した。これらの方法は簡易で工業的規模でのNeu5Ac及びManNAcの大量製造に適しており、医薬品開発原料としての利用が期待される。
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