糖鎖修飾はタンパク質の翻訳後修飾のもっとも大切なかたちのひとつであり、タンパク質の高次構造を変化させることにより活性を調節する。タンパク質糖鎖修飾は
N-結合型と
O-結合型に分類されてきた。しかしながら最近、新規タンパク質修飾型としてさまざまなタンパク質に
C-結合型糖鎖が見出されている。新規に見出された
C-マンノシルトリプトファンの合成に成功した。マンノースとトリプトファンはベンジル基で保護した1, 2-アンヒドロマンノースとリチオ化したインドールとの反応により、結合させた。官能基変換と脱保護反応を経て
C-マンノシルトリプトファンを短工程、高収率で合成できた。また、その構造を含むペプチドや立体異性体の合成にも成功している。我々の合成を中心に他のグループによる合成、臨床への応用の可能性について述べる。
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