Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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15 巻, 86 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • Frank Schweizer, 稲津 敏行
    2003 年 15 巻 86 号 p. 315-328
    発行日: 2003/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    糖-アミノ酸ハイブリッドは単純なアミノ酸の構造特性と単純な糖の構造特性を併せ持つ分子である。このハイブリッドは高度に置換された多官能性のビルディングブロックであり、糖ミメティック、人工アミノ酸、人工ペプチドとしての用途が期待される新規物質を創製するのに用いられる。糖-アミノ酸ハイブリッドは天然にも種々の形で存在し、いくつかの抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤の成分である。非天然型の糖-アミノ酸ハイブリッドは、糖由来の5員環もしくは6員環スキャフォールドをアミノ酸の側鎖に組み込むことにより合成できる。糖部分をさらに改変すれば、ハイブリッド体の物理的および力学的特性を調節可能である。ペプチドのアミノ酸ビルディングブロックを糖-アミノ酸ハイブリッドで置換すれば、合成ペプチドに糖結合部位を組み込むことができる。これは、酵素によるタンパク質分解、分子輸送能の低さ、非選択的レセプター認識といった、ペプチドを基にしたドラッグデザインの欠点を克服する有用な手段になり得る。
  • 有用な医薬合成ユニットの開発をめざして
    Toshio Suzuki, Naoya Kasai
    2003 年 15 巻 86 号 p. 329-349
    発行日: 2003/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    本総説では光学活性C3, C4合成ユニットの生産に向けた微生物光学分割法の研究開発に関して既述した。光学活性C3, C4合成ユニットは現在では主にさまざまな医薬品や液晶などの新素材への用途が開かれている。そこで我々は高光学純度(>98%ee) を持つ有用、かつ汎用的なC3合成ユニットとして光学活性2,3-dichlolo-1-propanol (DCP*)、epichlorohydrin (EP*)、そして glycidol (GLD*)、さらにその前駆体化合物である3-chloro-1,2-propandiol (CPD*) の生産プロセスを開発した。さらに高光学純度 (>98%ee) を持つ光学活性C4合成ユニットである4-chloro-3-hydroxybutyronitrile (BN*), 4-chloro-3-hydroxybutyrate (CHB*), 3-hydroxy-γ-butyrolactone (HL*) の生産についても検討を行った。一方、これら微生物分割に関与する脱ハロゲン化酵素の数種について単離・精製ならびに本脱クロル化酵素の諸性質について検討を行つた。今回単離を行った脱ハロゲン化酵素は2種類で、それぞれデヒドロゲナーゼとカルボン酸エステル分解酵素活性を示すことが明らかとなった。さらに、それぞれの脱ハロゲン化酵素を用いることにより光学活性1,2-ジオールならびにα-,β-ヒドロキシカルボン酸エステルの生産に応用できることが判明した。
  • Tsuyoshi Miura
    2003 年 15 巻 86 号 p. 351-358
    発行日: 2003/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    フルオラス・タグ法はフルオラス溶媒 (ペルフルオロヘキサンなど) と有機溶媒との分液抽出操作で生成物を精製できる方法論であり、固相合成法の優れた代替法として注目を集めている。本稿ではまず初めにフルオラス・タグ法の特徴について論じる。次に、フルオラス・タグ法の糖鎖合成への応用の可能性について議論する。
  • Endo-M
    Takashi Onozawa, Junichi Kumada
    2003 年 15 巻 86 号 p. 359-362
    発行日: 2003/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    Endo-M は Yamamoto らが糸状菌 Mucor hiemalis の培養液より見出したエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼで、糖鎖の研究に極めて有用な酵素である。本稿では、まず Endo-M を利用した論文を紹介し、次いで本酵素の量産化について述べる。
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