Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
27 巻, 153 号
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ミニレビュー
  • Kaori Sakurai
    2015 年 27 巻 153 号 p. 1-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/01/23
    ジャーナル フリー
    細胞表層糖鎖は、発生過程、免疫反応、発がん過程など多様な生物機構において重要な役割を担っている。これらの過程に関わる細胞糖鎖の作用機序の一つとしてレクチンとの結合相互作用が知られる。しかし、多くの糖鎖–レクチン相互作用については現在までに明らかにされていない。糖鎖–レクチン相互作用は結合強度や特異性が低く、特異的なレクチンを同定するための一般的な方法論が確立していないためである。フォトアフィニティーラベリング法は、従来の方法では捕えがたい糖鎖–レクチン相互作用を解明する有用な方法として注目されてきた。本稿では、未知の糖鎖–レクチン相互作用の解明に向けた課題を挙げながら、これまでの糖鎖フォトアフィニティープローブの開発における進展について紹介した。
  • Yoshiya Maegawa, Shinichi Mochizuki, Noriko Miyamoto, Yusuke Sanada, K ...
    2015 年 27 巻 153 号 p. 13-29
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2015/01/23
    ジャーナル フリー
    β-1,3-D-グルカンの一種であるシゾフィラン(SPG)はホモ配列のオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)と水素結合や疎水性相互作用によってODN/SPG複合体を形成する。また、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞上には、β-1,3-D-グルカンの受容体であるデクチン-1が発現している。そのため、この複合体を用いることで、アンチセンスODN(AS-ODN)や非メチル化CpG配列を持ったODN(CpG-ODN)を抗原提示細胞に特異的に送達することが可能になると考えられる。実際、AS-ODN/SPG複合体をリポ多糖誘導型マウス肝炎モデルに投与したとき、炎症を抑えることができた。また、カニクイザルにCpG-ODN/SPG複合体をインフルエンザワクチンのアジュバントとして投与したとき、高い抗体価を促すことができた。以上より、SPGは特に抗原提示細胞を標的にした薬物送達システムのキャリアとして有用であると考えられる。
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